やすいホストとゆるいストーカー3

先日、閻魔くんの誕生日の日。
わたしの口癖『たしかに』から『かに』を連想してしまう閻魔くん
そこから『たしかに』の中に『しか』『足し』などの言葉も入っていることに気づく。
その発想はなかったのと、そういうふうに音で捉えて日本語を認知しているようで、
『わかる』という言葉についても『別れる』を連想するからなるべく発音したり聞きたくないそうだ。言霊なので。

『別れる』を聞きたくもないし発音もしたくない話はオープンリレーションシップやポリアモリーの概念に通じるのだけどその話は一旦置いといて。

随分前から『たしかに』のことを『かに』と言ってもう一人が『たしか』というようになっていたため、二人の中で『かに』のイメージがどんどん膨らみ
蟹を食う夢が出来上がってきてしまった。

ということで蟹食べ放題の店を予約していた。
蟹食べ放題で5400円で飲み放題もつけたら7000円くらい。
たまには高級料理も食べたいな〜
と思っていた私だったので値段はどうでもよかったし、おごってあげるつもりだったのだが、

昼ごろ閻魔くんから電話がかかってきて
「どうしてもPS5を取りにいかねばならない」

PS5??

実は昨日閻魔くんのアメリカにいるママから連絡があったそうで
「誕生日プレゼントにPS5渡したいが、空港で会った日本にいく人に預けたので、その人のところに取りにいってほしい」

とのことだった。
変わったことをするお母さんだな、人に預けるとは・・・

まあ、ママがそう言うのだからしょうがない。閻魔くんのバイトが終わってからPS5を取りに行ったら蟹の予約は間に合わないのでとりあえずはキャンセルした。

なんか蟹のアイデアがうまくいかなさそうな気がしてきてまたモヤモヤしてきちゃって、5時に待ち合わせだったのにだらだら30分ほど遅刻していった
(いつも時間を気にするくせに、自分が気が乗らない時はタイミングが揃うまで先のばしするくせがある)

閻魔くんのバイト先へ着き、話し合うと天下茶屋までいかなきゃいけないらしかった。
そこへいくのに自転車でいくか電車で行くかの一悶着と
蟹の店の情報を与えると、思ったより高いからそんなにしてもらうのは申し訳ないってことだった。
一つ一つの行動に一々すり合わせが必要で優柔不断な二人はいつも考え込んでしまう。なので外に出るより家の中でアニメを見ながら話している方が性に合っていた。
だらだら議論しあった後、結局閻魔くんの案の自転車で行くことが決まり、
はやくPS5をゲットしてその後蟹いけるかもということになった。

自転車の道中、モヤモヤしている私をなんとか元気付けようと
「bikeに乗りながら話しあえるのも楽しいよね」
って言ってくれてたのに私はまだ
「かに食べたかったな〜。」
とか
「いつも閻魔くんの思い通りだな〜」
などと文句を言いながらも20分ほどで目的地周辺、
その間も西成の行ったことある銭湯の前を通ったりいろんなものをみたりして結局何をしてても楽しいのである。

PS5をことづかっている人がいるというエアビについた。
門を入って横道を歩いていると男性の声が奥から響いてくる。
急に閻魔くんが
「ノーノーノー!!」
と叫びながら走り出した。

追いかけていくと

「ダディがいる!」

『????』

そこには、階段で座りながらテレビ電話で話している黒人男性が。

テレビ電話の相手は閻魔くんの驚いた顔を画面越しにみて
大爆笑している黒人女性、ママであった。

突然のことに全く言葉がでてこないし、いつも通りゆる〜く
「はろ〜はわゆ〜」
といって挨拶。

パパはなんとか関空からこのエアビの建物まではたどり着いたらしいが
部屋への入り方がわからないらしかった。

電話越しにママとおしゃべりしながら時間を潰していたよう。

それで私は今日の5時ごろの全然やる気になれない自分を思い起こし
とても恥ずかしい気持ちになった。
もっと早く私が出発してたら、もっと早くパパを手伝えたのに。

一方閻魔くんはというと、一連の出来事が全てママとパパの計画通りだったと
いうことに頭がぐるぐる回転し
一体何が起こっているのかわかってないようだった。

しばらくして「すべてが結局ママの線にのっちゃってたみたい。ママがぼくのことを一番よく知ってる人間として、PS5を言ったら絶対に操作できる」

と、この後もだらだらと書いていたが、保存し忘れて消えてしまったので
もういいってことにしよう。

結局最後は、閻魔くんの誕生日を根っこ酒場でみんなで祝うことができたよ、楽しかったよって話でした。

パパが後1ヶ月半ほど日本に滞在することになって、いろいろな責任があって大変になっていきそうなそうでもないような。

つづく




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