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お姉ちゃんのようにだけはなりたくない〜人生のギフトを探す旅.2

昨日、家族の話を書いていて、
ふと感じた。


お姉ちゃんは、お父さんの影響を色こく受けて
自分の人生のシナリオの中に
お父さんを歓迎している。


じゃあ、私は?


と考えたとき、
私は、これまでずっと
自分の家族を反面教師にしてきた。


私が小さかった頃、
お父さんはお母さんを泣かせていた。


私が小学生だった頃、
お姉ちゃんはお母さんを泣かせていた。

私は、お母さんが陰で泣いているのを
知っていたし、お母さんを泣かせる父も姉も
大嫌いだった。


そう、大嫌いだった。
昔は。


そして、そんな家族を見ながら



私はお母さんを泣かせないようにしよう。


心のどこかで
そんな風におもって


父のようにはなりたくない

姉のようにはなるまい


と、家族を反面教師にすることを決めた。


それが決定的に


私の人生のシナリオとなったのは小学生の時。


その日は
いつものように姉の友達が
古い団地だったわが家にたむろしていた。

「たむろ」という言葉をあえて使いたくなるほど
小学生の私にとっては

不健全きわまりない集まりだったから。

「不良グループの女番長」であった
私の姉の彼氏は、


そりゃあもう、コワモテの男の人で
当時の私からしたら、


家の中に知らない怖い男の人が来ている。
前歯がシンナーでなくなっていて
笑うとにっこり歯に穴が空いていた。


それが不気味で
ビクビクする挨拶するしかなかった。

姉の親友も、親友の彼氏も怖かった。


小学生の私は、たった2部屋しかない
古い団地の
階段をはさんだ隣の部屋に
恐ろしい人たちが


大音量の音楽をかけて
交友しているのを

じっと耐えているしかなかった。


それなのに事件は起こった。

家のチャイムがなる。


突然、バタバタと騒々しい音が始まり
シュー、シュー、シューッ

ヘアスプレーを撒き散らす異様な音がする

ただならぬ雰囲気の中
姉が部屋にきて、

玄関の客人の相手をしてほしいと言ってきた。


何もわからない私が
玄関先で見たのは・・・警察だった。


一瞬、何が起きているのかわからなくて
ただ、姉たちが何か悪いことをしていたのだと
それだけはわかった。


「お姉さんいる?」


警察の人は私にそう聞いた。

私は、何も答えることができなかったと思う。

「お姉さんたちが、シンナーを吸っていると
通報があったので、来ました。
家に上がらせてね。」


そう言って、警察官が2人
家の階段を登って行きました。


いったい何が行われているんだろう・・・


姉はどうなってしまうんだろう・・・



とても長い、長い時間
私は階段でマリア様の小さな像を
握りしめて
神様に祈ってた。


何を祈っていたのか・・・・



とにかくお姉ちゃんがお母さんを
また泣かせるようなことになりませんように。



心臓がドキドキして
いたたまれなくて
ひどく怖かったことだけを覚えている。


警察の人が優しく
姉たちに話しかける。
姉たちも何食わぬ顔をして、友達に話すように
警察の人に冗談を言っている。


そして・・・

注意勧告だけで警察は帰っていった。



そうか、あのスプレー音と
強烈なスプレー臭は
シンナーのニオイを消すための
偽装工作だったんだ!



そう思うと、なぜか悔しくなった。


さっきまであんなに祈っていたのに・・・

本当は悪いことをしているのに・・・


もっとちゃんと調べてほしい。
なんだかそんな気分にもなった。



私は反抗期でお母さんを泣かせる姉が嫌いだった。

派手な格好をして男の人と遊ぶ姉が嫌いだった。

私の「おもらし」のことを盾に、私を脅す姉が嫌いだった。

警察に嘘を言って笑う姉が嫌いだった。


【 お姉ちゃんみたいになりたくない 】


決定的に人生のシナリオが決まった瞬間だった。


私は、それから
姉とは正反対の


真面目で地味で、至って「ふつう」を
目指す生き方をして


家族の中でたった一人だけ、大学に通う人生を選んだ。


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