片眼の兎

癖の強い物書きです。

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マガジン

  • はんどめいど 【ヘタクソだけど何かつくるのが大好きでっす!】

    ヘタの横好き!とくに編み物が大好きです🤗レジンもいろいろ作ってみたいな!! はんどめいどしたものをあげていきます。あたたかい目で見ていただけたらありがたいです🙆

  • 地獄花 〔小説〕

    女に生まれたことは幸せなのか 不幸なのか ひとりの女の物語 〔癖強めのお話です〕

  • 呟怖みたいな小咄

    新ジャンルに挑んでみたの巻

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レジンやってみたの巻

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        レジンやってみたの巻

        • 地獄花 【死】

          蝉の声が降り注ぎ 地面から陽炎が立ち上る暑い夏の日 房は 産み月を迎えた 砕けそうな痛みの中 息んでも息んでも 産まれない 何故 この子は出てこぬのか まだ 柔らかい爪を 子袋に突き立て 何故 しがみついているのか 気が 遠くなる この子は 産まれてくる処が地獄だと 知っているのか 初めての難産だった

        レジンやってみたの巻

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          レジンやってみたの巻

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          地獄花 【惨】

          降るような蝉の鳴き声 熱気を孕んだ空気 ひび割れた土 萎れた作物 房の腹だけが張りつめ 膨らんでいた 八十吉の種が 房の胎内で丈夫に育っている あたしが畑だったら 飢えない程度に作物が採れるかもしれない そんな 下らないことを思いながら 八十吉の 痩せて骨の浮いた背中を見つめる 今年の夏は やたら暑い

          地獄花 【惨】

            地獄花  【弐】

          最近 何だか体が怠い 畑仕事も億劫だ また 子が出来たのかもしれん かがんで草を毟っている八十吉の 肉の削げた背中を見つめる 男はええのう 種を蒔くだけで 女は 腹ん中で己の養分吸い取られ 腹が大きゅうなったら 死ぬ思いして子を産まなならん 割に合わんのう 女は 子の器なのかもしれん

            地獄花  【弐】

            地獄花 【壱】

          八十吉は酒臭い息を吐きながら 房を抱く 房の乳に縋り腰を動かす八十吉に 愛しさは無いが 惰性に似た情けはある 身体を揺すぶられながら思う 子はもう面倒じゃのう 八十吉が低いうめき声と 緊張した尻の筋肉と共に 房の中に熱い精を放つ 八十吉の汗が 房の顔に落ちる 子はもう面倒じゃのう

            地獄花 【壱】

          『 井戸 』

          先日も井戸が機嫌を損ねえらい目に合った。 新入りの女中が井戸に断りもなく勝手に水を じゃぶじゃぶ汲んだため井戸が拗ねてしまったのだ。 さっそく新入りの女中に旦那自ら見本を見せる。 「井戸や井戸、今日も水がきれいじゃのう。 お前のそのきれいな水をちぃとばかし分けてくれんかのう。」 手をすり合わせ拝むような仕草をしながら井戸に声をかける。 その時 井戸の中で太い声が反響する。 「いいどぉぉぉぉ」

          『 井戸 』

          『 簪 』

          叩き付けるような雨が何日も続き裏山の地盤が緩んだ。 「裏山が崩れたぞ!」 村人たちの怒号が響く。 裏山の墓地には先日亡くなった女房がいる。 無我夢中で走った。 流れた土砂の中に墓石や卒塔婆が覗いている。 俺は妻の名を呼びながら必死で土砂を掻いた。 爪は剥げ指先は割れ土を血で濡らしても女房が見付からない。 指の骨は折れ土を搔くのに難儀し出した頃ようやく女房らしい身体が見付かった。 土砂で肉は削げ顔は無惨に潰れ右腕と左足が無かったが俺のあげた簪が泥に塗れた黒髪に絡まり鈍い光

          『赤い畳』

          お前はこんなにも血を蓄えていたのか お前の居る其処はとっぷりと吸った生臭い液体が畳の目から滲むほど深く深く染み込んでいる お前の濁った白い顔は一滴の血さえ残ってはいないのだろうと思われる お前が死んだことよりも お前の死に様に目を見張る俺は 矢張 お前の夫に相応しくないのだろう

          『赤い畳』