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20.パワハラ

娘が高校生だった頃、私は営業の仕事をしていた。ある日、人事異動でとんでもない部長がやってきた。かなりヤバい方だと噂は色々聞いていたけれども、まあそんなに構えないでいこうと思っていた。

結果、半年もたたないうちに私はメンタルを病んでしまった。典型的なパワハラ、クラッシャー上司によって。この時に色々読み聞きして、パワハラ全般の知識を身に着けた。その後、友人が同じような目にあった時、その知識と経験を元にフォローすることが出来たりもした。友人は転職を選び、今は普通に仕事ができている。もちろん私の力だけではないのだけれども。

大概のパワハラをする奴はその自覚はなく、だからこそやっかいであり、完全にパーソナリティ障害だ。もう、逃げるしかない。

私は眠れなくなったり常時不安に襲われて、初めての精神科にかかった。心配かけるので娘には通院していることは隠さなければと思い、必死に明るく振る舞っていた。通院のきっかけは眠れない明け方、ふと消えてしまいたいと思ってしまったから。追い詰められると人間なんて簡単に壊れる。そんなものなのだと痛感している。

さて、どうすればこの状況を打開できるか必死に考えた。確かに彼の指導は正論かもしれない。でもそれで私が病気になって通院することは正ではない、絶対おかしいからなんとかしてやろうと。直属の課長では無理だと思い部長の上の取締役に現状を、通院していることを打ち明けた。結局そのパワハラ部長は処遇も本人自身の考え方もそんなに変わらなかった。けれども私はすぐに異動がかない、それとともに順調に回復していった。



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