【エロゲ感想】この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 100点
【魅力】
●没入感
ドット絵なためキャラや背景が粗いです
それと古いゲーム特有のピコピコBGM
しかも作品の雰囲気はどこか暗い感じです
これらの相性が抜群で自分はすぐに本作に没入することができました
しかもシナリオも謎が謎を呼ぶ完成度の高いものとなってるので没入感はさらに増しました
●ゲーム性
並行世界での謎解きをゲームに落とし込んでるのは本当にすごいです
自分たちが普段何気なくしてるセーブの重要性を思い知りました
確かにこのやり方ならゲームに投入できるなって感心しました
これは↑で書いた没入感にもつながります
●SF設定
本作はよくあるタイムリープものに見える実際は違います
時間を遡ってもただ遡ったという事実が残るだけで一つの事象にすぎないとしてます
「時間は可逆的 歴史は不可逆的」
理解するのにかなり重要な言葉です(ネタバレではないので書きました)
いくらやり直しても結局どこかで収束して歴史が繰り返すということです
それを本作では「運命」といってますね
本作はでは今いる世界以外にも別の世界が無数にあるとしてます
一見似てるけど微妙に違ってたり全くの別物だったりさまざまです
そこには時間という概念は重要ではないです
例えばAの世界で死んだ人がBやCの世界では生きてるってことになります
時間や空間を扱うSF作品はいくつか触れてきたけど本作のようにさらに掘り下げた内容はかなり新鮮で面白かったです
ただ絵理子先生の因果律や事象の説明シーンはかなり難しくて理解するのに苦労しました
●わくわくの継続
金髪の少女との出会いやオヤジの手紙のシーンでまずプレイヤーを引きつけます
さらにジオテクニクス社や神奈ちゃんや武家屋敷など立て続けに謎を出していきました
あまりに謎が多すぎて本当に回収できるの?って心配になりましたね
そして定期的にオヤジとのシーンを挟むことによりプレイヤーを飽きさせないようにになってます
おかげで澪編や美月先生編など山場のシーンが本当に面白かったです
特に自分をわくわくさせたのは異世界編です
何もかもが今までの世界とは別物で先の展開が全然読めなかったです
なんやかんやでオヤジと再会してすぐ終わるかと思ってたけどむしろここからが本編ってくらいのボリュームでした
カイジの地下労働編みたいなのが始まった時は思わず笑っちゃっいました
デブ所長は一発くらいぶん殴って欲しかったです
終盤は言わずもがなで数々の謎が明かされて鳥肌が立ちっぱなしでした
●異世界の描写の仕方
まず何もかもが今までいた世界とは違っていて何がどう違うかというところの丁寧な描写がいいです
食べ物や気候や文化など異世界ならではのものに適用する場面もとても丁寧でした
人と話して少しずつ異世界について知っていく描写は気に入ってます
世にある異世界ものは本作を手本にした方がいいと思うほどです
【たくや(主人公)】
スケベでヘラヘラして冗談や軽口ばかり言うこの主人公はしばらく長い間はいい印象はなかったです
ただでさえ長いシナリオなのにたくやの冗談で余計に話が進まなくてモヤモヤしました
でもいろんなことを知ってたり身体的能力もかなりあって顔もいい(恐らく)のでスペックはかなり高いです
デブ所長のしごきにも屈しなかったのでメンタルもめちゃくちゃ強いです
澪編の終盤や異世界編で見せた絶対に諦めない前向きな心に好感を持てました
諦めたり死んだら可能性はゼロになるけど生きて努力する意志さえあれば希望を捨ててはいけないと思いました
たくやのヘラヘラした性格も異世界編では他の人と打ち解けやすくしたり久しぶりの絵理子先生との軽口の言い合いで笑えたり+の方向になりましたね
終盤の絵理子先生とのやり取りは本当に気に入りました
声優の演技もよかったです
特に怒るシーンは本気で怒ってそうなことがよく伝わりました
少し似た『車輪の国、向日葵の少女』のモリケンは割と早く好きになったけど本作のたくやは最後までいい印象にはならないと思ってました
【総合評価】
今回は珍しく核心に迫るようなネタバレは書かなかったです
それは本作はノベルゲームの初心者にこそプレイして欲しいと思ったからです(こんな古いゲームでそんなこと気にする必要あるかは知らないけど)
ゆっくりと丁寧にシナリオを展開しながら謎を大量に散りばめて少しずつ回収する様はまさにノベルゲームの手本だと思いました
謎が少しずつ分かって点と点が線になって1つに収束するあの感覚はとても癖になりましたね
シナリオだけでなくすごい没入感もあってゲーム性も面白いのは本当にすごいです
自分はまだ初心者だけど本作はノベルゲームの完成形だと思いました
でも主人公の癖が強いのがネックかも(?)
94→99点 10/2に修正
99→100点 4/15修正
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