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サービスさんの思い出

私が大学生のとき、弟も大学生、父は単身赴任、母は実家という時期が2年あった。

弟の大学の仕送りをふやすため、私はあらゆるアルバイトをした。

水族館、肉屋、家庭教師、塾、ベネッセなど、短期のアルバイトから、スーパーのレジの長期のアルバイトまで何でもやった。

卒業したら教師をするので、社会勉強と思い頑張った。

その中のレジのアルバイト。
最初は小松菜水菜の区別がつかず困った。アイスが3つ100円の日を知らず普通に打ったら、怒られた。すぐにバーコードが導入されたが、その当時は一つ一つ打っていた。

私は打つのが遅いから、レジ袋に入れる簡単な役割であるサービスさんと呼ばれる役割に回された。

サービスさん!

と呼ばれるたびに、プライドが傷ついて泣きそうになった。

そんな私を心配して、従業員の女の人が声をかけてくれた。

女子会に行ったこともあった。

そんなこんなで、アルバイトばかりしていて夏休みに実家に帰らなかったら、母が下宿まで迎えに来た。アルバイトの下っ端でつらい毎日だったので、涙が出た。

アルバイトを休んで帰省した。

今でも買い物に行くと、そのことを思い出す。手際がいい人を見ると、尊敬する。アルバイトの子がミスをしたり、レジが遅いから嫌な感じにされたりしていたら、心が痛む。

私はサービスさんだったことを決して忘れまいと思う。

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