世界遺産 検定勉強世界編6

近代国家編

サンクト・ペテルブルクの歴史地区と関連建造物群(ロシア連邦) 登録年1990年/2013年範囲変更  文化遺産


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西ヨーロッパに向けて開かれた窓
・モスクワの北西、ロシアの西端に位置するサンクト・ペテルブルクは帝政ロシア時代の都である
→1703年に建設が始まり、ネヴァ川左岸の中心部と、西岸のペトロパブロフスク要塞、ワシリエフスキー島の3地区が中核
・18カ月に渡り西ヨーロッパを歴訪したピョートル大帝は、ロシアの西欧化や近代化を推進した
バロック様式の建築物が多い
・18世紀後半にエスカチェリーナ2世が即位すると、新古典主義の建築物が建造された
・現在は、エルミタージュ美術館になっている冬宮や、聖イサアク大聖堂など西欧とロシア文化が融合した建築を見ることが出来る

自由の女神像(アメリカ合衆国) 登録年1984年 文化遺産


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自由と民主主義を象徴する女神像(正式名称「世界を照らす自由」)
・1886年にアメリカ合衆国独立100周年を祝って、フランスから贈られた
・南北戦争後の混乱に苦しむアメリカに対し、共に自由と民主主義を尊ぶ国家を作り上げようという思いを像に込めた
→製作費は、フランス国民の寄付と新聞王ピューリッツァーが募ったアメリカでの募金
・像の製作は、風の強い海沿いに巨大な像を立たせるのは難しいとされていた
→後にエッフェル塔の設計者で有名になるギュスタヴ・エッフェルが難題を解決
→10年をかけて1884年にパリで完成し、分解されアメリカに運ばれた
・女神像の頭部にある宝冠の突起は、7つの大陸と、7つの海に広がる自由を表現している。左手は1776年7月4日と記された独立宣言書を抱え、右手は希望を意味する9mの松明を掲げている
・踏みつけている鎖は奴隷制と専制政治を象徴している

ウィーンの歴史地区(オーストリア共和国) 登録年2001年/2017年危機遺産登録 文化遺産


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多彩な建築物が立ち並ぶ歴史の舞台
ウィーンナポレオン1世の栄光と没落を目の当たりにした都市
→1809年 ナポレオン1世はここを占領
→1812年 ロシア遠征失敗 退位に追い込まれる
→1814年 ナポレオン没落後の国際会議「ウィーン会議」が開かれる

・この地区の歴史的建造物は大きく3つに分けられる
①12世紀〜15世紀に建てられた旧市街中心部にある中世の修道院や聖堂
→ゴシック様式の聖シュテファン大聖堂や、ドイツ語圏最古の大学ウィーン大学など
②17世紀〜18世紀に建てられたバロック様式の建造物
ベルヴェデーレ宮殿が代表例
→現在は、オーストリア・ギャラリーになっている
③19世紀半ばにフランツ・ヨーゼフ1世の都市改造計画で作られた近代建築
→旧市街の城壁跡にリンクシュトラーセと呼ばれる環状道路が敷設される
→これに沿って、美術史美術館や国立歌劇場などが建設された
※現在街の景観が都市開発により悪化しており、危機遺産登録

ニュー・ラナーク(英国) 登録年2001年 文化遺産


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人道主義に貫かれた産業コミュニティー
実業家デヴィッド・デイルは、スコットランド南部のニュー・ラナークに当時最先端の技術であるリチャード・アーククライトの水力紡績機を導入し、綿紡績工場や、住居を建てた
デイルの娘婿のロバート・オーウェンは、「質の高い生活を営み、優れた教育を受けた労働者がいなければ、事業の効率化は上がらない」という信念を持ち、労働者のための施策を実施する
生活協同組合のようなシステム
→購買所で、工場で一括購入した衣類や食料を安価で労働者に売り渡す
労働時間を12時間に短縮
→当時イギリスでは14時間〜16時間の労働が一般的だった
10歳以下の子供の雇用を禁止
→子供たちは暖房完備の学校で読み書きを学んだ
→1816年にはイギリス初の幼稚園を整えた


ブラジリア(ブラジル連邦共和国) 登録年1997年 文化遺産


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新生ブラジルの首都
・1956年に「リオ・デ・ジャネイロ」からジュセリーノ・クビチェク大統領が「新都ブラジリア計画」で新首都として建設された人工的都市である
わずか4年で完成
→世界遺産には27年後の1987年に登録されており、登録までの期間が短い遺産としても知られている
・設計の中心は、ブラジル人建築家オスカー・ニーマイヤーと、都市設計者のルシオ・コスタ
→ニーマイヤーは近代建築の巨匠ル・コルビュジエに学んでいた
・ブラジリアの中心は上空から見ると飛行機の形をしており、「パイロットプラン」とも呼ばれる
→機首の部分には連邦議会や最高裁判所、大統領府などの政府機関が並ぶ「三権広場」がある
→その他、銀行は銀行が集まるエリア、ホテルはホテルの集まるエリアなど機能的に分けられている
・信号がほとんどなく、バスや自動車のみが交通手段となっている

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