玉川家郎

玉川家郎

最近の記事

ずっと遠くの国のために寄付するぐらいなら 密かに泣いている友達をラーメンに連れていきたい

    • アジアの純真を流しながら 都心から夏の日を照り返す江ノ島までロングドライブと行こう 窓を開け放し、潮風で頬を濡らして嫌なことを忘れる どこまでも広がる海に入って、身体に染み付いた汚れを落とす 果てしない旅に出かける 帰りの日程は決めていない

      • しっかり生きて

        地面を打つ雨の音。繰り返す遅延のアナウンス。不満を噛みしめるサラリーマンの足音。 目の前には蛍光灯に照らされたホームと、その奥にネオンに照らされた街が背を伸ばして立っている。空から落ちた涙が光を反射して、地面は星空のようにきらめいている。 いまの空は地面とは程遠く真っ暗で、月光がさす隙間もない。あの闇の向こうには燦然たる星々が輝いているっていうのに。 その時、ぼくはこの喧騒の中で宇宙を思おうとしていた。 正確には思うとする瞬間にそのことに驚いて すぐに思うことは止めたのだが

        • 人生はお金ではない。 そう言うのは決まってある程度、金銭的余裕のある日々を送ってきた者たちだ。 正しくは、お金は必要だが重要ではないという事だ。

        ずっと遠くの国のために寄付するぐらいなら 密かに泣いている友達をラーメンに連れていきたい

        • アジアの純真を流しながら 都心から夏の日を照り返す江ノ島までロングドライブと行こう 窓を開け放し、潮風で頬を濡らして嫌なことを忘れる どこまでも広がる海に入って、身体に染み付いた汚れを落とす 果てしない旅に出かける 帰りの日程は決めていない

        • しっかり生きて

        • 人生はお金ではない。 そう言うのは決まってある程度、金銭的余裕のある日々を送ってきた者たちだ。 正しくは、お金は必要だが重要ではないという事だ。

          忘却

          日曜日の昼下がり、午後の眠りを抱いた街で小学生の息子とともに青信号をまっている。向かい側には動物園の敷地とみられる林があり、灰色のコンクリートで埋め尽くされた街を彩っている。普段は息子と二人で出掛けることなどないのだが、最近なぜか妻の疲れが酷く、それを見かねて息子を連れだし、妻に休みの時間をつくったのだ。息子は静かに私の横で赤いヒトと見つめている。 動物園に入り、出店や触れあいコーナーなどを颯爽と駆け抜け、コンクリートの舗装に沿ってどんどん進んでいった。すると羊やらペンギン

          告白

          クソみたいな家庭環境だった。

          ¥10,000

          ボーイミーツシティ

          梅田でいったカジノ 猫耳のガールディーラー チップが誰よりも高く積み上がっている陰気なプレイヤー 仲良く話すその2人を横目に 奥には、30歳になろうかならまいか悩んでいる男が横並びに座っている ぼさぼさの伸びた髪が似合うボーイ 頭の帽子が小さくみえるほど顔の大きいボーイ そしてそれに対面するように座るボーイ つまり私 隣には友達が、正面にはディーラーのかわいい横顔が 気持ち悪がられてはまずいので、ずっとは見ていられない 夕方にやってきた2人のヤンキーボーイ 初めてのポー

          ボーイミーツシティ

          シュプレヒコール

          全部、飲み込んでしまえ。 憂鬱も寂しさも、未来も愛情も 全部飲み込んこんで、もっていってしまえ。 おとには何も残さないで おまえにはその力があるのに なぜ見て見ぬふりばかりするのだ。 人が痛まれるのを横目に、いつも通り白い泡を立てるばかり まるでいつか心から笑える日がくるとおまえは知っているみたいだ そして望んでいないときにその力を振りかざすのを僕たちは知っている なんてやるせない。 まるで道に横たわる小さな身体を目の当たりにしたときみたいだ。 前の車と同じように、その

          シュプレヒコール

          たしかなこと

          盛大にボケた僕の葬式で皆が笑う 目に水たまりをつくって 賑やかな地表から僕は図鑑に載っていない鳥になって空へ旅立った あの雲まで あの、宇宙に手が届きそうな程遠くにある雲まで そして神様に頼むんだ 僕をいつまでも雨を降らすことができる灰色の雲にしてください 代償として視力を奪われ 小さな雨雲になった僕は 空まで響く声を頼りにみんなを探す 泣いている声が聴こえたら 雨を降らすよ 泣き止むまで降り止まないから 落ちついたら日々の美しさが見えるように 世界を洗っておくよ だか

          たしかなこと

          交点

          おや、松村くんじゃないか。久方ぶりだな。 平井さんですか。 お久しぶりです。お元気でしたか。 さてそれは僕も知らないことだ。 例え知っていても、僕にはそれがわかることはないがな。 相変わらずお元気ですね。 今日もお散歩ですか。 ふむ、散歩だ。日本人は世界の退屈をよく表しているよ。 今日も駅のホームで黙っている学生たちをみたよ。 実にいけない。学生はもっとうるさくなくっちゃいけない。 世の全てを知った風で嘆いてこそ学生たるものだ。 君もそうだったろう。松村くん。 はは

          この世は自分の力ではどうしようもないものに支配されている。 いつかは親、学校であり、いまは社会そして生命である。

          この世は自分の力ではどうしようもないものに支配されている。 いつかは親、学校であり、いまは社会そして生命である。

          安定、それは毒

          休日は海や山に行きたくなる 東京の街に棲んでみてそう思うことが増えた でも癒されるために行く場所として自然ばかりが思いつくのはなぜだろうか 今よりは自然に身近だった地元では、今程思うことはなかった 東京という街への憧れは今よりずっとあった 東京のせいなのか? 東京はタイヤの回る音、足音、人の目ばかりで、人の気配が常にある 適度であれば安心するが 日々過度に与えられるとうんざりしてくる それならば僕が本当に癒されたい、求めているものは、 いまここにないもので いたちごっこ

          安定、それは毒

          いってらっしゃいとただいまは 朝ご飯の味噌汁ぐらい 無くても平気だけど、あったらとても嬉しいものだ 心に安らぎが染みて憂鬱を飛ばしてくれる あぁ、なんて素敵は言葉と状況であろう いつか僕も与えてみたい

          いってらっしゃいとただいまは 朝ご飯の味噌汁ぐらい 無くても平気だけど、あったらとても嬉しいものだ 心に安らぎが染みて憂鬱を飛ばしてくれる あぁ、なんて素敵は言葉と状況であろう いつか僕も与えてみたい

          なんて気持ちの良い青空だろう 街は午後の眠を抱いて立っている 今日ならずっと言えなかった事が言えそうだ あの深い青の果てには何があるのだろうか いつかわかるかな いやわかりたくない気もするよ

          なんて気持ちの良い青空だろう 街は午後の眠を抱いて立っている 今日ならずっと言えなかった事が言えそうだ あの深い青の果てには何があるのだろうか いつかわかるかな いやわかりたくない気もするよ

          電車は行ってしまったけど 君はまだホームに立っていて 川の中の大きな石のように 君の世界は世間の流れに乗らない それが勇ましく美しくみえて飛び込んでみたくなるけど きっとそこは孤独で息が苦しいのだろう 君は太陽の下で笑うけど その目はどこか寂しそう また電車がきて君が見えなくなる

          電車は行ってしまったけど 君はまだホームに立っていて 川の中の大きな石のように 君の世界は世間の流れに乗らない それが勇ましく美しくみえて飛び込んでみたくなるけど きっとそこは孤独で息が苦しいのだろう 君は太陽の下で笑うけど その目はどこか寂しそう また電車がきて君が見えなくなる

          闇夜に街へでたんだ 昼間にやり残した事を急いでやろうとして また時間を無駄につかった 目的の居酒屋は見つからないし みつけたところで同年代の奴らが席を埋めている だからもう家へ帰るんだ 日々は雲のように 遠くからは穏やかにみえても とてもはやい速度で過ぎている

          闇夜に街へでたんだ 昼間にやり残した事を急いでやろうとして また時間を無駄につかった 目的の居酒屋は見つからないし みつけたところで同年代の奴らが席を埋めている だからもう家へ帰るんだ 日々は雲のように 遠くからは穏やかにみえても とてもはやい速度で過ぎている