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会食恐怖症だった話

会食恐怖症を知っているだろうか
人と食事をするのに異様な不安を感じ、食事が喉を通らなかったり吐き気や目眩がするといった症状が一般的である恐怖症の一種である。
実際私もこの病があることを知ったのはつい最近の出来事なのだが。


気づいたら食事が怖かった


私は中学校2年生のとき、間違いなくこの会食恐怖症であった。なぜこの病を発症してしまったのか。
原因は明確に分かるあの日の出来事である。

私の通っていた中学校では給食の時間、4人班で机を向かい合わせ食事をとる方式であった。(今思えばこれが原因で会食恐怖症を発症ないしは悪化させてしまうのではないかと思う)

比較的クラス仲も良く、小学校からの親友と同じクラスになれた私はこの時まだ食事が怖いという感情は持っていなかった。
席替えを経て、その親友と私、当時思いを寄せていた男の子、あまり話したことがなく口数が少ない男の子の4人班になった。
私は痩せ型と呼ばれる部類だったのだが、痩せの大食いと言われるほどよく食べる女の子だった。
給食の時間は机を向かい合わせているわけだから談笑しながら食事をするのだが、緊張しいな私は目の前に彼がいることで少食になってしまったのだ。
そこでいつもの私を知っている親友のあの子が教室中に聞こえる声で
なんでそんな食べないの、少食ぶってるの?笑
と言ったのだ。
それに対し彼が笑ったのだが、私には嘲笑しているようにしか見えなかった。さらに寡黙なあの子でさえも本当に食べないねなどと私の目を見て言った。

私はそこから料理を口に運ぶその瞬間も、咀嚼している瞬間もすべてを監視されているような気持ちになり食事をするのが怖くなった。
しまいには家族の前でも食事をするのが憂鬱になっていた。そこで姉が追加で私を恐怖に貶めたのだ。
なんか食べ方汚くね?笑
今ではたまたま言った言葉であると分かるが、当時の私にとってその一言が食事を恐怖の対象に変えたのだ。そこから私は給食の時間ほとんどの料理を口にすることが出来なくなり、考えすぎて動悸が激しく目眩のようになったこともあった。それは中学を卒業するまで続いた。親友や姉を恨んではいない。


会食恐怖症と向き合う

高校に入学し、お昼はお弁当になった。
クラスは中学校の同級生を含め誰も会ったことがない初めましての人しか居なかった。
それが少しの救いだった。私の場合知らない人の前では比較的安心して食事をすることが出来たのだ。
それでも食事の内容は食べやすいものにしてもらったりなど対策はとっていた。(母親は私が会食恐怖症なのではないかと思っていたみたい)

新たな問題が…


新たな問題食事の回数をこなすうち少しずつ症状が緩和したのだが、そこで一つ問題が起きた。
授業中お腹がすいてたまらない!
私はすぐにお腹がなってしまう体質で、授業中どうにかしてならないようにその事だけを考え全く集中していなかった。というか出来なかった。
やっと改善してきたのにまた悩みが生まれた。
お腹がならないようにするためには食事をとるしかない。私は二限が終わった時点でおにぎりを食べていた。それでも四限まで持たなかったが。
友人やクラスメイトからもよく食べるねなどと言われた。(不思議とよく食べるねは嬉しい言葉だった)
でも思春期真っ只中の私は教室で男子でさえもしていない早弁が恥ずかしかったから、隠れてトイレでパンを頬張ったこともあった。会食恐怖症とお腹なる問題は高校卒業まで続いた。


意外と気にしていないと気づいてから


正直に言えば未だにこの問題とは付き合っている。
私が改善に向かっているのは母親の存在が大きい。母は私と同じく不安症である。今までは明るく気丈に振舞っていたのだが、母親に精神的な問題じゃないかな?と言われ初めて自分の弱さを認めることが出来た。信じたくなかった、認めたくなかったのだが認めることが私を楽にさせた。
そこから私はこの症状を調べたのだが、

会食恐怖症
この病を知り、これは精神の病気で私以外に悩んでいる人がいるんだと救われたような気がした。
同時に腹鳴恐怖症も知った。これらは学生に多いことも、気の持ちようではら治らないことも。

でも私はこれらを認めてしまうことで向き合う覚悟ができた。友人や恋人にも話すことができたのだ。元々食事をするのが大好きな私は、美味しそうにご飯食べるねと言ってもらう機会も増えた。それが非常に嬉しかった。今でも当時の知り合いと食事をする時などは不安感が付きまとう。しかし食事を怖いと思う気持ちはほぼ無くなっている。

同じ症状で悩んでいる人へ


学生のうちはみんなと共に食事をすることから逃れられず、恐怖が常につきまとう。でも意外とみんな自分のことでいっぱいいっぱいで人がどうとか見ていないのである。食事を取らないと人は生きていけない。どんな食べ方でも少食でも大食いでもいいじゃないか。お腹がなるのが怖くても、お腹鳴ったところでそれ以上でもそれ以下でもないのである。もう全てを認めてしまおう。別に恥ずかしいことでもないのだから。いつか必ずあなたが他人ととる食事を楽しいと思える日がくるのだから。それまでは向き合っていこう。私も同じ仲間です。



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