突然の最速

マイクをオンにして客席に向かって
「いきなりですがライブやります！！いくぜー」

何の前触れもなく突然三人の男達が
楽器をもちステージにあがり
ギターから最速の曲から始まった

ステージの鮮やかな照明をありったけ光らせてもらう

Barでお酒を楽しみに来てたお客さんからしてみては何のイベントなのかすら分からない

まだバンド名も決まってない
まだオリジナルで曲名もない
俺達はまだ誰でもない

そして最速音にベースとドラムの音が入る
客席がぎょっとして全員同じ方向を見る

そう
ドラムのAKB君だ

恐らく私も初めて彼のリズムを聞いた時同じ顔してただろう
しかも更に正確に心に突き刺さるんだ

どうだ
うちのドラムは凄いだろ