見出し画像

貧乏人は恋愛ができない

 貧乏人には恋愛する資格がない。そんなことをつくづく思う今日このごろ。

 ぼくは貧乏人である。収入はごくわずか。毎日の生活で精一杯。そんなぼくだって一人の人間であり、男だ。時には恋愛をしたいと思うこともある。

 だけど、ぼくには出会いがない。
 
 一般的な出会いの場は次の5つだと思う。

①職場や学校など日常的に通う場所
②親族・友人の紹介
③趣味のサークル等
④マッチングアプリ
⑤街コン・相席屋

 まず①だけど、ぼくは個人事業主で職場というものがないので、日常的に会う人がいない。職場や学校は一番の出会いの場だろうけど、ぼくにはそれがないのだ。

 次に②。これは、最も古典的な出会いの形の一つだろう。お見合いや合コンがそれだ。だけど、ぼくに女性を紹介してくれる親族や友人などいない。そもそもお見合いは結婚を前提とした付き合いになるから、恋愛をしたいぼくには縁のない話だ。

 ③も正直言って厳しい。ぼくの趣味は男ばかりで女性が少ない。ぼくはこれまでの人生、ほとんど男としか関わってこなかった。一応世の中の男女比は半々なはずなんだけど……。

 ④と⑤は土台、無理だ。現代では最も可能性が高いと思われるその2つだけど、大きな障壁がある。それは、カネだ。カネがないとその2つには手を出せない。

 ぼくはとにかくカネがない。マッチングアプリはぼくもいくつか手を出してみたことはある。中には無料で使えるアプリもあるけど、無料だとかなり制限がかかってはっきり言って使い物にならない。有料アプリも利用したことがあるけど、ぼくの写真が悪いのか、コミュニケーションスキルが悪いのか、全く出会えなかった。カネが無駄になるばかりなので1カ月でアプリは消した。

 街コンや相席屋などもってのほかだ。貧乏人は立ち入ることすら許されない。

 このように、通常考えられ得る出会いの場の全てからぼくは締め出されてしまっている。選り好みしているかどうかという以前に、そもそもぼくには女性と出会う機会そのものがない。

 個人事業主でカネがなく、モテない男としか付き合いがない。ぼくのような立場の男たちは、この世の中に少なくない数いるはずだけど、彼らもぼくと同じく出会いがないはずだ。

 仮に女性のいる環境に身を置いていたとしても、カネがなければどうにもならない。ろくにデートに誘えもしない。とにかく世の中、カネのかかることばかりだ。

 要するに、貧乏人は恋愛ができないのだ。ぼくもカネさえあればまだ出会いの機会は得られるはずだ。

 金持ちになればいいという反論はいらない。ぼくは、貧乏人が貧乏人のままでも恋を楽しむことができる世の中であってほしいと思う。

 貧乏な暮らしもラクではないけどそれなりに楽しいものだ。川原を散歩したり、図書館で本を読んだり、自転車でサイクリングしたりと、質素ながらも充実はしている。もし彼女ができたら、一緒にしてみたいと思う。

 だけど、こういう質素な遊びを楽しめる女性は世の中には少ないように思う(『大東京ビンボー生活マニュアル』の主人公「コースケ」にはカワイイ彼女がいるというのに!)。みんなある程度カネを出した遊びでないと満足してくれないのだ。

こういう貧乏な男にも彼女ができるという甘い考えを持っていた時期がありました。

 ぼくのような人間に、出会いは訪れないのだろうか……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?