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連続小説「アディクション」(ノート48)

ギャンブル依存症から立ち上がる

この物語は、私の誇張された実体験を基に妄想的に作られたフィクションですので、登場する人物、団体等は全て架空のものでございます。

〈「ギャンブル依存症」〉

あ、まだ最終回ではありませんw

しかし、正力クリニックはこの日が最終回となります。まぁ、外来で定期的な通院は引き続きとなるのですが。

朝9時から夜7時までのクリニック生活が今日で終止符。ただし、翌日からは調理師専門学校の夜間部の生活と、あと、「修業」を兼ねた飲食店のバイト探しを始めることになります。

生活費は当面の間は退職金の切り崩しでなんとか繋いで行くとしますが、まぁ、そのうち金は無くなるのかな。実際、配偶者の母親にかなりの額を無心して凌ぐことをもう少し先にしでかすのですが。

ただ、そうなってもギャンブルだけはやっておらず、で、どうしてお金が無くなるかというと「貯金する」というステップになかなか行けないというか、ここでこう使いたいことに使うというか、そういや18で上京して40年近く経つ今の今まで「貯金」ということをしたことがなく、夜間大学の学費やら、親の保証人でヤラレた返済やら、住宅ローンやら、そしてギャンブルの借金やらで、たぶん家計簿的に黒字になっているのは、この時点の退職金切り崩し状態のころが、生涯において唯一なのかもしれません。

酒もギャンブルもやらんのに、何に使うんだよ?

まぁ、アレですわ。

ギャンブル依存症じゃなく、そっちの依存症疑惑もあるのですが、とは言えどもギャンブル程はのめり込まないというか、そもそも「元気」がそんなにありません。

ネットカフェに籠もることが、一番お金使っているかもしれません。家には、配偶者こそいるのですが、まぁでも1人の方が絶対に良いわけでもなく、家には帰って配偶者とコミュニケーションを取るのも居心地はいいのですが、

あぁ、もしかして「ネット依存症」はあるかも知れません。ここで実は「金銭」以上に大切な「時間」という資源を費やしているかもです。

ただ、これが私の「生きがい」なのかも知れません。動画やブログで発信し続けることが。でも、配偶者がいないと生きていけないのも本当です。

どんな仕事してても、生活保護でも、このような発信ができて、帰ってくれば呆れ顔で私の相手をしてくれる配偶者さえいれば、わたしは「自己満足」できるかなと思っています。

「卒業当日」〉

「だから、それじゃあ役ができていないんだよ!」

「あ、あがってない、、」

ここ、「正力クリニック」のアディクショングループの6階フロアのいつもの光景ではありますが、人はいつまで経っても学習しない、場合もありますw

「まぁ俺も学習しないんだよな。」

「淡河さんは、競馬でよく『学習』しているじゃないですかw」

「屑星さん、それはな『研究』というやつで学習ではない。」

「何かあったんですか?」

「屑星さん、今日で卒業だろ?」

「はぁ、まあそうですがw」

「俺は卒業できないわけよ」

「卒業する気なんてあるんですかw」

「そりゃああるよ。ギャンブルをやらずきちんと仕事して、堅実な生活を送りたいです。」

「だいぶウソに聞こえますがw」

「まぁ、競馬をたまにやりながら、仕事もソコソコやって、堅実な、、」

「堅実にはなりませんよねw」

「そうだなw。でも、ここは卒業したいよ。借金をしないでギャンブルできるようになれる自信がついたら卒業する。」

「バレない盗みでもやるんてすか?」

「こら、人聞きが悪いぞw」

淡河さんのような方でも「現状維持」ということは避けたいようです。

さて、本日「卒業」ということで、外園院長に挨拶する機会をいただきました。

外来の診察室で一瞬なんですが。

「失礼します。」

「あ、屑星さん。今日でフロアは終わりなんですってね。」

「はい。色々とありがとうございました。」

「どうですか。ギャンブルに対しての渇望とかは?」

「全く起きません。ただ、これで大丈夫だとは思ってません。」

「はは、教科書どおりの答えですね。」

「あ、いや。」

「それでいいんです。現時点はそれが屑星さんの現在地で、そして問題行動も起こしてない。」

「恐れ入ります。」

「それで、一番大事なのは、スリップしそうになったり、またはスリップしたらすぐにここに来ることです。では、頑張ってくたさい。」

依存症から「卒業」することは無いんだなと、つくづく思いました。

さあ、この日はこれで終わりではなく、最後の?「理事長診察」が行われますw

「金言」〉

たぶん、この方の仰ることは「絶対」であるということを前提に、他者からするとどうみても独善的で差別的で屈辱的な発言に見受けられようか、本人は聞く耳を一切持たず、全ての「正義」は、この生前銅像を建立されたこの方に向けられているという認知で、これからの「診察」という名の「訓示」に臨まなければなりません。

才所さんの案内のもと、例の銅像のある「理事長応援室」のソファーに腰掛けて待機していると、

「おお、すまんすまん。少し待たせたかね?」

「いえいえ、今到着したところです。」

「えーと、おい!才所、カルテ!」

ソファー横のパイプ椅子で控えていた才所さんが、そそくさとカルテを渡すと、

「あー、君は、屑星君だったな。おう!そうだ。ラーメンで頑張ってくれたな」

「恐れ入ります」

「うちも飲食事業でも始めるんなら、是非働いて欲しいものだが、ここは一応病院だからな。ハハハ。」

「そう仰って頂けただけて、ありがたいことだと思っております。」

「うむ。で、君はここにどのくらいいるんだっけ、、おい!才所!」

才所さんが、理事長に耳打ちします。

「そうか、1年9カ月か。で、ここに来てスリップはしなかったか?」

「はい。お蔭様で。」

「ここのメンバーは、そのくらいいると必ず一度はスリップする。あの大北でさえもスリップしたというのに、なかなか君は優秀だな?」

(いやいや、スリップさせたらクリニックとしてはダメでしょうw)

「自分はそれでも、もう大丈夫とは思っていません。」

「おー!そうだ!それが大事だよ。」

「そうなんですね。」

「依存症というのは、なかなか治りにくい一筋縄では行かない病なんだよ。」

「なるほど。」

「だ、か、ら、ここには一生繋がっていてもらうのが、僕の希望なんだ。フロアは卒業してもな。」

「はい、そのつもりでいます。」

「うむ。依存症は治らない。一生通いなさい!」

「わかりました。」

「では、ひとまず卒業おめでとう。」

ありがたい「金言」を頂いて、理事長の「診察」は終了しました。

まぁ、基本的には情の厚い人なんだろうなと思います。魚さんのような「正力案件」のような人たちにトコトン厳しく接するのも、理事長的にはこういう人たちを「守ってる」んだなと思います。

どう考えても魚さんとか、コーさんを現状のまま社会に出してもロクなことがないことは目に見えています。それでも何とか言いたいことを言わせて、抹殺されないように生活を続けられるには、理事長なりの手法も一理あると言えます。

まぁそれを無視して、魚さんは社会に出ちゃいましたが、ってまだ仕事始めるとか考えずに退職金切り崩して遊んでいるだけですけど。

実は私もそんな人のことは全然言えなくて、専門学校だの修業のバイトだの言ってますけど、退職金切り崩して遊んでいるは基本的には同じです。

数年後にお金が尽きて配偶者の母親から無心したりすることになるのですが、まぁ私の「金銭感覚」というのが、いわゆる一般の常識と言われるものとズレてはいると自覚しております。

そして、夕方のプログラムを終え、

「才所さん、お世話になりました」

「こちらこそ。ていうかまた、ちょいちょい会いましょう。魚さんも仕方ないから混ぜてやりましょう」

そして、2018年4月6日、欅坂46デビュー2周年の日に、私はここ「正力クリニック」を卒業いたしました。

で、この後、倉骨さんと島野さん「ご夫妻」と、お茶会することになってます、

今回はここまでとします。

GOOD LUCK 陽はまた昇る
くずぼしいってつ



































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