常連のあるべき姿とは?

先週土曜の夜、初めて入るカウンターバーで
とても不快な思いをした。
ボクが恐る恐る店のドアを開けるとカウンターにシニア男性の先客が一人いる。
入口付近のカウンターに座って店内を眺めているとカウンターの中にいる女店員に「お飲み物はいかがされますか?」と訊かれる。
「何があるんですか?」と尋ねると、メニューを出しながら
「メニューにないモノもおっしゃっていただけたら、お作りしますよ」とおっしゃる。
とはいっても初めての店。オーソドックスに角ハイボールを頼む。
その後はほったらかしだ。
もちろん一人で飲むのも悪くはないが、とにかく常連と思しき先客がずっと女店員に話し掛けている。狭い店内、否が応でもその会話がモロに聴こえてくる。
女店員はどうも学生で就活をしているらしく、シニアは人生の先達としてもっともらしいアドバイスを続けている。
お店のコンセプトに興味をもって訪れたバーだったのに、HPに記載されているコンセプトとの違和感を強く感じた。
ボクも常連になっているバーがいくつかある。
その店で客がボク一人のときは女店員さんを独占することはある。でも、新規客が入って来られたらピタッと会話を中断するようにしている。
お店にとって新しいお客様がどれだけ大切かが分かっているからだ。ボクからお客様に話しかけたり、女店員さんとの会話がスムースに盛り上がるようにとりもってあげたり。
先客はまるでそんな気持ちがないようだし、女店員の方も新しい客をこの店のファンにしようという気もない。アルバイトだから土曜の夜に客が常連の一人だけでもなんの問題もないし、かえって仕事が少なくて助かる程度の感覚なのか。
そうはいっても経営者かオーナーはいるだろう。その人物からのスタッフ教育はどうなっているのだろうと心配になる。もしかしたら他にもたくさんバーを持っていて、この小さなバーは付け足しの道楽でやっているのかもしれないと考えてみたりして。
よっぽど1杯で退店しようかと思ったくらいだが、
そうすると敗北感に苛まれそうで、もう1杯同じものをオーダーした。
こちらから思い切って、女店員と先客にいろいろ話しかけてみる。二人から型通りの返答はあるものの、会話が弾まず元の木阿弥で、また先客が女店員を独占する。
先客は角ハイを3杯飲み干してようやく退店した。
そのあとしばらくしてボクは2杯目を空にした。
あんまり腹立たしかったので、会計を終えて女店員に苦言申し上げる。
あとでお店のHPを確認すると
「面倒くさい客は出禁にします」と書いてあるではないか。
「ああ、このボクこそが面倒くさい客だ」
そう思った次第だ。
しかし、このまま同バーを再訪しないと敗北感に苛まれそうだ。HPによると曜日によってスタッフが異なることが分かった。
次回は土曜日を避けて、面白そうなスタッフの曜日に出かけることにしよう。

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