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高校登山競技の項目について

こんにちは

今回は自分が高校時代に経験した登山大会や競技としての登山について話していきたいと思います。


登山が競技と聞いて変な印象を抱かれた方も少なくないのではないでしょうか。

山を登るのを趣味としている人たちにとっては、ほかのスポーツのもつ勝ち負けなどの競技性があるということはピンとこないかもしれません。


ところが、高校の登山競技では競技と名の付くだけあって、実際に高校同士で戦って勝敗が決まります。


何を競うのと疑問に思われるでしょう。


結論から言うと山を一番わかっていて技術や知識が豊富な高校が優勝するのです。

多少の体力は必要ですが、運動能力やセンスは一切関係ありません。


つまり、つねに危険と隣り合わせの山行において適切な行動がとれるかを審査され、それが採点されるわけです。


私が経験した1泊2日県総体と新人大会、2泊3日の東海総体ではいずれにおいても多少の違いがありますが、審査される項目は主に以下のようなものです。


縦走

歩行技術

生活技術

踏査

共同装備

個人装備

天気図

読図

気象

植生

救急

食料

植生

計画書

行動記録

マナー

設営

炊事

それぞれを簡単に説明していきます。

 <縦走>

この項目では主に体力が測られます。決められた重さのザックを背負って、山を上り下りします。山に登るのに必要な最低限の体力があるかが見られます。


私が経験した県総体などではペースが速ければ速いほど点数がよくなるのですが、ほかの大会では一定時間内であれば満点をもらえたので、そこまで差の付く項目ではありませんでした。

また、4人パーティーで決められた重量をみたしていればいいので、体力のある部員とない部員がいた場合、ザックの重量をどう配分するかなど、作戦が繰り広げられる項目でもあります。


<歩行技術、生活技術>


この項目では主に縦走中の歩行の仕方などが適切であるかを審査されます。

尾根の途中で、トランシーバーを持った役員が潜んでいて一定間隔で審査されるようになっています。役員の前で落石など危険な行為を行った場合は減点されます。


また、服装が長袖だったり、首からタオルを巻いていると減点されますし、手袋や帽子を着用していないとこれまた減点されるなどなかなか厳しい審査があります。


<踏査>


踏査は主に地形図の読み取り能力が試されるものです。尾根が張り出しているところや、谷の合流地点、平坦になる場所など地形的に特徴のある場所にポイントや目印がおいてあり、そのポイントが25000分の1の地形図で一体どこの場所なのかを正確に打ち込んでいくものです。


踏査中は常に自分が地図上でどこにいるのか把握する必要があり、足場の悪い山道歩きながら、地図を頻繁に見なければなりません。


踏査競技は普段から地図を読み慣れていない人にとっては難易度が高いものであるため、大会の数ヶ月前から頻繁に競技場(山)に下見にいって顧問の先生と場所を確認するなどの対策をしていました。



<共同装備、個人装備>


これは山での事情聴取の様なもので、装備点検を役員の先生がします。5つくらいの装備を出すように言われ、持ってきていなかったら減点されます。


共同装備に高校名の記載がなかったり、個人装備の防水が不十分だとこれもまた減点対象となります。


<天気図、読図、気象、救急、食料>


これらはパーティーの4人が分担して行う知識テストです。ちなみの私は救急、食料を担当していました。


救急は、山でメンバーが体調不良になったときに適切な対応がとれるかどうかや、熱中症や低体温症、高山病などやまで起こりそうな病気のリスクについて適切な知識があるかを試されるペーパーテストです。


食料は山に行くのに最低限必要な食料に対する知識を問われる救急よりも難易度の低いペーパーテストです。


天気図はラジオ放送の観測情報を元に、予想される等圧線を地図上に書き、高気圧、低気圧や前線などの配置から天気予報を最後に書くというものです。


天気図は部員の中でも描ける人と描けない人に分かれるものであり、少しセンスが必要なものでもあります。描ける様になると、ほかの部員から頼りにされるでしょう。


読図は高校の地理の地図読みに近いものですが、事前に登る山の周辺の地名などを覚えておく必要があります。


気象は気象に関する基礎的な知識が問われるペーパーテストです。


読図と気象は自分は担当でなかったのであまり詳しいことは書くことができません。


<植生>


植生は実際に近くの山からとってきた葉っぱを見せられ、それが何という名前なのかを当てるテストです。私は植生の勉強もやっていましたが、下見で生えている草木に注目していれば、容易に当てることができます。



<計画書、行動記録、マナー>


計画書は事前に山に登に行くに当たって作成するものです。部員に共有されるものという前提で書かれます。概念図や、行程断面図、住所、装備表、日程などの項目がしっかり十分に記載されているかが審査の対象とされます。過去に満点だった優秀な計画書を使い回していても、不備が出てくるので自分たちで不備がないか点検することも必要だと感じたことがありました。


行動記録は登山大会中の出来事や、体調不良者がいないかなどのチェックをするもので、いい加減に書いていると減点されてしまいます。


マナーはゴミを山でポイ捨てするなど悪質な行為や、非常識な行為に対して減点されるようです。


<設営>


設営とはテントを時間内に美しく張る項目です。4人のチームプレーが重要な項目で、制限時間が意外と短いので、焦りが生じやすい項目でもあります。


ペグが地面にしっかり刺さっていなかったり、テント内に無造作にザックを投げ入れたままだと減点されると噂されていました。あと、テントを張る区画が高校別で決められており、その範囲内でプレーしなくてはなりません。


<炊事>


登山競技中最も気を緩めることができるのが炊事です。炊事では何を作るのかをまず聞かれ、山で作るのに適切なメニューか審査されます。また、炊事中に、火を使う場合は絶対に軍手を使用しなければならないという掟のようなものがあって、それだけはちゃんと守らなければなりませんでした。


途中で審査は切り上げられ、食事は4人仲良く食べることができます。何を食べたか忘れましたが、山で食べる食事はどれもおいしかったです。


以上、登山競技の項目をざっっとではありますが、紹介してきました。


これらの項目の合計点が、審査終了後の閉会式で発表され、順位が決まります。


変な感じですが、2日もしくは3日かかりの登山競技の大会はこうやって行われます。


少し山を純粋に楽しむのとはひと味ふた味違いますが、高校生なりに戦略や対策を立てて大会に臨むので勝っても負けても得られるものはかなりあると思います。


大会を通じて、4人パーティーで一緒だった人同士は仲良くなりますし、他校の人との交流もあり面白かったです。


これらの情報が何らかの参考になれば幸いです。


終わり

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