読書#14「プロフェッショナル100人の流儀」監修:藤尾秀昭
どんな本?
月刊誌「致知」における名言集100選である。名前は知っているけれど、読んだことはない。なんか名前かっこいいよね、という印象でしかない「致知」であるがその歴史は長く、44年間も続いているらしい。
この本は、37年目で編纂されたもので、それまでに掲載されたインタビュー記事中で、いくつかのテーマにおいて語られた格言を選んで100個並べたというものだ。
並ぶ名前は、著名人ばかり。名前を知らなくても肩書でそのすごさがわかる。肩書でわからなくとも、格言を読めばすさまじい覚悟のもとで生きている人なのだなと思わされる。
さっと読めるので、旅行などのお供にいいかもしれない。ただ、この手の格言集は毎年アップデートされて、同じようなものが再編纂されるので、最新版を買った方がいいと思う。この本には申し訳ないが。
気づき
教わるな、学べ
すきばやし次郎はお寿司屋さんである。銀座にあるらしい。値段を見たら、びくっとするほどお高いお店で、私など庶民が知るはずもない。
そんな格式高いお寿司屋さんならではの厳しい格言だ。この手の格言は、職人の師匠っぽい人がよく言っている気がする。みんな言っているということは、そうなのだろう。
私の理解では、教えてもらった人は問題の解決法を学べないのだと思う。教えてもらった場合、その問題は解けても別の問題にぶち当たった時、立ち止まる。仮に既存の知識を少し応用すれば解けたとしても、その工夫の仕方がわからない。それを忘れると表現しているのではなかろうか。
一方で、知識の盗み方を知っているものは、問題にぶちあたったら誰かから解決法を盗めばいいことを知っている。だから、上達の速度が速い。
ここで、疑問なのは何でもかんでも盗んで自分の頭を使わなかった者は、誰も解いたことのない問題を解けるのだろうか。おそらく、他の者よりもはやくそこに辿り着けるだろうけど、もう盗むことはできない。
自分の頭で考えるのはそこからだと考えるのか、それとも、それまでに少しは自分で解いて練習しておくべきなのか。まぁ、バランスのような気もするけれど。
素直が大事
麻雀のプロ。人との駆け引きを生業とする素直からは程遠いような人が言うのだから趣がある。
やっぱり素直が大事だよね。
人の言っていることを素直に聞いて、そうだな、と思える人間になりたいと常々思っている。しかし、実際には、自分と違う意見には腹を立てるし、むかつくからと耳を塞ぐし、それは間違っていると反論してしまう。
まずは、素直に受け入れて、本当にそうなのかと考える。そんな簡単で素朴な工程を踏めるようになりたい。
成功するためには努力あるのみ
お医者さんである。めっちゃスパルタ。10回だめだったら20回やれ、という昭和感のある考え方。
古くさいと読み飛ばすこともできるが、この手の話は今でもよく聞く。成功する人は、結局のところ、成功できない人よりも努力している。成功できない人は、効率うんぬんの話をする以前の最低限の努力もできていないと。
もちろん科学的で効率的な方法で努力すべきだ。けれども、それにしても、一定量の努力はいる。成功したければ、他者を圧倒する程度には、大量の努力が。
結局のところ、こういう素朴なルールは変わらない。
適度な緊張感も大事よ
さすが画家。かなり危ない発言をしている。
ストレスがない生活をしたいと私などは常々思うけれど、ノーストレスな生活では成長はない。そんなことを言う人は、堀さんだけでなく、多くの人が言っている。
自分の身を置いておく、というフレーズがいい。
私の理解だと、許容できるストレスと許容できないストレスの違いは、自分で負ったストレスか、そうでないかだ。誰かに押し付けられたストレスというのは我慢ならない。けれども、自分で選んだストレス。たとえば一念発起して新天地へ行ったり、ギャンブルで大金を賭けたり、その先の価値のために、自分でとったリスク、そこに伴うストレスには耐えられるし、成長を与えてくれる。ギャンブルは知らんけど。
自分の身をおいておく、のだ。
置かれてはならない。
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