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読書#17「文章力が、最強の武器である」著:藤吉豊

どんな本?

文章力とは、「伝えたいことを、正確に、わかりやすく文章にする能力」のことです。

文章力が、最強の武器である

 煽ってくるタイトルはあまり好きではない。ただ、昨今の本のタイトルは、たいていこういう”煽りタイトル”だ。出版するのも慈善事業ではないので、売れるための策略なのだろうが、どうにも軽薄に思えて、中身まで軽薄なのではないかと思えてしまう。

 けれども、この本はなかなか勉強になる内容であった。中身は、タイトルから推察される通り、文章作法について書かれている。目新しいことが書いてあるかと聞かれると、ちょっと返答に窮するが、いろんなところに書かれている文章お作法がわかりやすくまとめられている。

 文章作法というと、もしかすると”てにをは”などの文法を思い浮かべるかもしれないが、そうではなく、人に伝えるためにどんな文章を書くべきかという設問に対して、著者の解答を提示している。

 また、具体例が多いのも良い。こういう文章を書くべきだよ、といくつかポイントを提示した後、ちゃんと悪い例と良い例を並べてくれている。私のような凡人には例があると途端にわかりやすくなるから、非常にフレンドリーなつくりだ。

 noteで読まれる文章を書きたいと考える人にはかなり刺さる本ではないだろうか。私はけっこう勉強になった。

気づき

”プログラマは文章も上手”というのは幻想(個人の見解です)

プログラマーはの文章力が高いのは、「ものごとを論理的に考える習慣」が身についているからです。

文章力が、最強の武器である

 良い本だと言ったそばから批判で申し訳ないのだけど、”プログラマの文章力が高い”に関してはちょっと文句をつけたい。これは著者だけでなく、いろんな人が同じようなロジックを展開しているのだけど、決してそうではないと反論する。

 はっきり言うが、プログラマの文章は別にうまくない。

 この本で使われるロジックも同じであるが、プログラミングは論理的思考に基づいている、だから、それを駆使するプログラマは論理的思考ができる、だから、プログラマの書く文章は論理的でうまい、というものである。

 確かにプログラミング言語は論理的な構造で書かれなければならない。ただ、ここで注意しなければならないのは、プログラミング言語では論理的構造しか許されないということだ。

 別にプログラマが論理的思考を備えているから、論理的なプログラミングができるわけではなく、論理的な構造しか許されないから、自然と論理的にできあがるのである。つまり、プログラミングでは、論理的思考なんてできなくても、プログラミング言語のガイドラインに沿えばかってに論理的な構造になるのだ。

 これをプログラミングをやったことない人が見ると、おーすごい、こんな論理的な構造をつくれるなんて! と思ってしまうかもしれないが、こんなものは言ってしまえば、補助輪付きの論理的思考であって、何もすごくない。

文章のプロが意識していること

①文章の機能を理解している
②「読者がいる」ことを前提にしている

文章力が、最強の武器である

 文章の機能とは何か。それは正確に伝えることだと著者は語る。

 なるほどな、と思う。一方で、これがうまくできるようになるのはなかなか難しい。100人いたら、100人の人に同じことが伝わる。この文章力が身に着けられれば、文筆家として次のステージにいけそうだ。

 読者がいることを前提にする、というのも耳が痛い。少なくともこのテキストは、誰向けに書いているのかと聞かれれば、90%:私向け、10%:たまたまここを覗いた誰か、といったふうに、ターゲットが絞れていないどころか、他人向けに書いてもいない。おそらく、著者の思考からいえば論外であろう。

 文を書いて読んでもらう、ことをするのであれば、少なくてもいいので、読者を想定する必要がある。これに関して反論がないので、私もやってみようと思う。でも、まぁ、このシリーズはこのままでいいかな。

売れる本とは?

「売れる本」=「読みやすく、わかりやすく、親しみやすい文章」

文章力が、最強の武器である

 中学二年生にでもわかる文章で、と言われると、私などは、かちんとする。人をバカにするな、中学二年生の頃なんて本なんてそもそも読める知性を持っていなかったぞ! と思ってしまうのだ。

 中学生時代の私はただただ大バカ者だったのでこのフレーズがまったく刺さらないのだけど、もちろんこれは比喩表現で、ここで言っているのは、できるだけわかりやすくという意味だ。

 引用はしてないが、売れる本として、価値があるという観点もある。つまり、ある程度多くの人達にとって価値のあることがわかりやすく書かれている本が売れるのである。

 当たり前じゃない?

 そう思うかもしれないけれど、結局のところ、この当たり前ができていないから、売れない本というものが出てくる。

 誰に向けて、どんな価値があって、その価値が伝わるようにわかりやすく書かれているか。この問いにちゃんと答えらるような文章を書く。これが大事ということだろう。

一文一義というすぐ忘れる心得

一文一意(一文一義)とは、「一文の中に、ひとつのメッセージ(意味)だけをいれる」、「一文の中に、複数のメッセージを入れない」ことです。

文章力が、最強の武器である

 わかる。わかるよ。でもできないんだよねー。

 正直、不思議だ。わかりやすい文章を書こうと心掛けている。けれども、いざ、書いてみると、どうしてもわかりにくい文章になってしまっている。

 鞄の中にいれておいた充電ケーブルがいつの間にか絡まってしまっているように自然にわかりにくくなる。

 ただ、ここから学習するに、わかりやすさは自然に発生しないということだと思う。自然に発生するのは常にわかりにくさであり、私達はそのわかりにくさを意識的に解きほぐさなくてはならない。

 そのために、どんなところに注意すべきかわからないという人は、この本に書かれているので、ぜひ読んでみてほしい。

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