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瞬きしてはみんなを見てる

早いもので今年ももう半分が過ぎた。
もう半分と捉えるか、あと半分と捉えるか。


さて、7月のカレンダーのイラストを描いた。今は専業主婦であるが、以前は保育士をしていた。それもあって、季節の行事や節目に敏感な気がする。

子どもたちにとって七夕は、織姫と彦星が出会える一年にたった一度の日なのだろうか。七夕飾りや願い事を書いた短冊を笹に飾り、♪さ~さ~のは~さ~らさら~~♪と歌う日であることは間違いない。そしておやつに出てくる七夕ゼリー。お星さまが入っていて、大人も子どもも「かわい~~!」と喜んだ。
子どもたちの無垢な笑顔と素直さに触れることができる季節の行事は、私にとって大好きな一日だった。仕事をしていた時の子どもたちの顔がふと浮かぶ。

私はあの子たちになにかできただろうか。
毎回、年度終わりに疑問に思う。退職した今でもこうして考える。
一人ひとりの顔を思い浮かべながら、もっとこうしていれば、こんな方法もあったはず、と正解のない問がぐるぐると頭の中を渦巻いている。ぜひ大きな笹と一緒に流してもらいたい。

短冊に書かれた願い事を見ていると、
「はしるのはやくなれますように」
「いっぱいおかしたべたい」
「げーむがほしい」など、ざまざまで見ていて面白い。ひらがなが書ける子は覚えたてのひらがなで一生懸命書いている。
ひらがなどころか、七夕の概念もまだ???な赤ちゃんたちは保護者の方が代筆している。
「なかよしのおともだちができますように」
「はやくおしゃべりしたい」など、こちらも保護者の思いが伝わって微笑ましいものである。

七夕に限らず季節の行事というものは、コミュニケーションの一環として昔から変わらず残っているのだとしたら、人を思う気持ち、相手を知る努力、様々な思いが込められた引き継いでいきたい伝統だと思う。
今年は家庭内だけでの七夕になるが、夫と二人、七夕までに願い事を書いた短冊を飾ろうと話している。大きな笹は置けないけれど、ベランダにヒラヒラと短冊をつるそうと思う。

織姫と彦星には申し訳ないが年に一度の逢瀬より、子どもたちの一人でも多くがいつかみんなで歌った七夕の歌を思い出してほしいと願う。
正解はないが、きっとそれが保育士にとっての喜びなのだろう。

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