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心を満たしてくれる行きつけのお店
”行きつけのお店”と聞くと、『おとなぁ~~』と感じるのはわたしだけ?
ひとり飲みをしていて隣の知らないお客さんやお店のマスター・ママと話すのは好きだが、顔を覚えられると急にそのお店に行きづらくなる。もったいない性格やな…とほとほと自分を残念に思う。
ただ、そんなわたしにも地元にたった一軒だけ行きつけの居酒屋さんがある。とは言っても頻度的には半年に一回、一年に一回…といったところ。
こじんまりとした店内は、カウンター5席と掘りごたつの4人掛け座席が3つ、2人掛けのテーブル席が1つ。
営業日も週末のみで、明るくお酒の大好きなママが出迎えてくれる。
「わぁ~~~!紘ちゃんひさしぶり!!!」と何年経っても変わらぬ笑顔でわたしの来店を喜んでくれる。
そもそもこの居酒屋さんは、わたしが6年前に工場で派遣社員をしていたころに夜暇やしバイトでもするかぁ~~とバイトしていた場所。
先日久しぶりにママから連絡があり、「お店が6周年やからもし帰省してたら一緒に乾杯しよ~」とお誘いを受けていた。ちょうど里帰り出産のため帰省することもありひとつ返事でお店に顔を出すことにしたのだ。
妊娠中のためもちろんお酒は飲まなかったが、6周年を祝って乾杯をし、ママのおいしい料理をたらふく食べた。
隣には飲食店経営のおじさま、そして反対隣には代行運転で働いているおじさまと女性の2組。
両者ともにはじめは距離があったがお酒が進むうちに、ちょろちょろと話しかけてくれる。最終的にはみんなで仕事のことや家庭のこと、結婚観についてなど、多岐にわたって会話に花が咲いた。
あぁ~、これこれ。
と久しぶりになんだか心が満たされた。
夫や実家の家族、友達との会話も楽しいが、初対面だからこそできる話があったりする。重たい話をしたとしてもお店を出れば赤の他人、すぐに忘れているだろうと思うとこちらの負担もなくなる。それはきっとお互い様。
こういう関わりをすることで社会とつながりながらも、日ごろのストレスを発散できるのである。
行きつけのお店だけでなくとも、さまざまなコミュニティを持つことで人は心満たされ、新たな考えを発見し、人として成長していけるのではないだろうか。
バイトを辞めた後もこうして連絡をくれたり、来店を喜んでくれたりするママにはいつも感謝しかない。
そしてわが子のように「もっと食べな!」とたらふく食べさせてくれ、帰り際には名残惜しそうに「また来てよ~」とわたしの姿が見えなくなるまで手を振ってくれる。
頻度は少なくてもここはれっきとしたわたしの行きつけのお店。
そして、顔や名前を覚えてもらえる喜びを教えてもらったお店でもある。
これからは怖気づかずに、少しづつこういうお店を見つけていきたい。
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