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家族で食べるごはんの喜び
先月末から、出産に向けて里帰り中の身にあるわたし。
結婚後片道3時間半ほどの距離にある県に引っ越してから大型連休のたびに帰省していたとはいえ、こんなに長期間実家にいることが久しくなかった。
実家を出てひとり暮らしをしていたころから数えると約7~8年ぶり。
なんだか落ち着くような落ち着かないような…そんな毎日を送っている。
妊婦故そんなにたいしたことはできないが、できる限り毎日掃除や夕食作りはしている。
勝手が違うとこうも動きにくいのか。
と実感しながらも、かつては実家(父と母)のやり方がすべてだったのに変わったのはわたしか…となんだかしんみりしてしまう。
父も母もまだまだ元気に仕事をしているが、母に関しては昔から仕事人間で帰りも遅い。
そのため父が夕食を作ることが多かった。
わたしには3歳年上の兄がいるが、わたしたち兄妹が家を出てからというもの、父は自分で夕食を作りひとりで食べ早々に寝る、ということが多かったみたいだ。
(こうして書くと母はなにもしていないように感じるが、母は母で休みの日はしゃかりきに家のこともしている)
だからわたしが夕食を作ってビールを渡すと、
「仕事から帰ってきたらごはんがあって、ビールを出してもらって、娘と食べる。なんて幸せなんやろなぁ。」とつぶやいた。
あぁ、父も寂しかったのか、とわたしは胸がきゅーっとなった。
たいしたごはんではないが、それでもこうして一緒にごはんを食べる。
日々の習慣というまでもなく、ごはんを一緒に食べるということはわたしたち家族にとって当たり前のことだったかもしれない。
しかし、父と母にとっては子どもと過ごす大事な時間だったんだと気付かされた。
決して親を蔑ろにしてきたわけではないが、親が子をおもう気持ちと、子が親をおもう気持ちは同じようで同じではないのかもしれない。
家族だからこそ距離感が難しいこともある。
それでもこうして同じごはんを食べることが、家族を繋げているのではないだろうか。
わたしも子どもと一緒にごはんを食べる日がもうすぐやってくる。
きっとわからないことだらけでしんどくなったり、疲れてすべてを投げ出したくなったりもするだろう。
そして、毎日一緒に食べることが当たり前の習慣になってきたころこそ、
父のつぶやいた「しあわせやなぁ。」という言葉を思い出して、一緒にごはんを食べる喜びを噛みしめたい。
そんなことを思っていると、お腹の赤子がよく動いている。
赤子もたのしみに感じてくれているのか、おなかがすいたのか。どちらにせよ今日も元気そうでおかあちゃんはなによりうれしいよ!
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