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3月1日(帰)

※ちょこっと注意※


たたいまんぼー。
おかえりんごー。

―なんていうやつは我が家にはいないので。

ノリのいい奴はいない。
我が家は何とも、つまらないタイプの人間のあつまりみたいなもんだ。
まぁ、内弁慶的な奴はいるが。
というか、全員、内弁慶もいいところだが。
私もそうだから、妹もそうだ。
なにせ、妹は私を見て育った節があるもので。
似すぎてて。
たまに、同族嫌悪さえ覚えるレベル。

ま、そんなことは置いておいて。

お仕事より帰宅。
お仕事という程、立派なもんでもない。
ただのパートのわたくし。
「……」
とは言え、精神はすり減るし。
体力は削られる。
おかげで毎日、疲労困憊だ。
「……」
帰宅して、そうそう。
さっさと洗面台に向かう。
鞄は炬燵の横に置いて。
上着を座椅子の背もたれに引っ掛け、カーディガンもついでに脱ぐ。
今日は暑いかと思って、半そでを着ていったのだが。
案外寒くて、失敗したなと思った。
「……」
できれば冷水ではいやなので、温水が出るまで少し待機。
その間に、水筒なんかを流しに出しておく。
あと、制服のエプロンも洗濯籠に放り込む。
あと、簡単な着替えも済ませる。
パーカーと高校ジャージ。
外出する予定はないので、その程度。
「……」
ん。暖かくなったようだ。
濡れないように袖を、まくる。
毎回、うまくまくれずに、ずり落ちてくるが。
「……」
バシャバシャと跳ねる水を無視しながら、手を濡らす。
ジワリと広がる温かさが、手にいたい。
「……」
横に置かれたポンプを押し、手のひらに泡を出す。
そのまま、両手をこするように。
汚れを落としていく。
「……?」
泡を広げたことで、指先や手の甲あたりに。
じくり。
と、痛みが走った。
「……」
きっと、作業中に、無意識にカッターで切っていたのだろう。
軽く掠っている程度のつもりでも、血は滲んでしまう事があるし。
ま、よくやる事なのだが。
「……」
しかし、今日は多いな。
そんなにだったかな。
じくじくと。
痛む手のひらを無視しながら、汚れを落としていく。
「……」
こういうのって、自傷行為に入ったりしないんだろうかと。
ふと、思った。
「……」
何を突然、と自分でも思いはするが。
まぁ、過去にそういうのがあったから、ふと蘇る。
こういうのって、まぁ、要は自分を自分で傷つけているわけで。
意識的ではないとはいえ。
自分を。
無意識に切っているわけで。
「……」
たまにできる痣とかも同じ感じがする。
あれだって、無意識にぶつけてできてしまっているし。
割と毎日のように足に、新しい痣ができている私である。
「……」
意識的に行っているものより、質が悪い気がする。
無意識の自傷。
「……」
なんだそれ。
そんなわけないだろうに。
やめたやめ。
「……」
こんなん言ってたら、ホントに無意識にやりかねん。

さっさと昼飯を食べて、気分の切り替えでもしておこう。

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