GENJO〜げんじょう〜3


【はじめに】
この物語は遥か未来、しかしそう遠くない時代に起こりうるであろう架空の話であるが、本当に起こらないとは限らない・・・。
【あらすじ】
時は西暦2027年。
そして舞台は日本・第三新横浜臨海森公園前総合病院。
そこに勤める「石崎 裕(いしざき・ゆう)」はこの物語の主人公で、まだまだ新米の医師である。
彼の元にある日、ミランダ・永美(エイミ)という女性が診察に来る。彼女は現在妊娠3ヶ月。そしてSTI(性感染症)の可能性があるとして紹介状を持って診察に来たのだった。
実は数年前に彼女の両親は交通事故により死亡していた。しかも、その時にこの病院に運び込まれ手術により一時は助かったものの、その後入院期間中に肺炎に罹ったとの記録があった。
しかし、肺炎になったのには手術を担当したDr.クドウらが起こした医療ミスが絡んでいる事を遂に突き止めたDr.ユウ。
すると、永美が危篤状態になったとの連絡が入りすぐさま病院へと戻るのだったー・・・。

GENJO〜げんじょう〜3
2027年4月3日午後8時04分、ミランダ・永美が突如息を引き取った。
Dr.ユウはあまりにも突然の事で動揺してしまうのだった。
(・・・何故だ!?昨日までの彼女の身体の様子で何処か見落としていた部分でもあったのか…?)情報を掴んだと思ったら何かに振り解かされ、自分が知ろうとした物は誰かに取り上げられる…見えない何かに怯えるDr.ユウはその日放心状態が続いた。

翌日、永美の死因を調べる為に司法解剖に立ち会うのだった。その時に解剖を行ったのはDr.利賀(トガ)と言う医師だった。彼を全く信用出来ない訳ではなかったが、彼も院長側の悪どい事をしている奴の味方かも知れなかった存在なので半ば疑心暗鬼での立ち会いだった。

Dr.利賀がメスを入れてから数分が経った頃の事だった。この病院に意識不明の患者が運び込まれて来た。それも何十名と言う数で、これは一種の"感染症"が局地的に起きている為ではないかとして、同市医療保健センター並びに近くの病院などでも同様な患者が外来で運び込まれていないかを院長らは調べ出し始めるのだった。

(おかしい・・・。ここ数日で持病や特殊な疾患を持っていない人がこんな短期間に、しかも大勢の人がほぼ同時に特定の症状を訴え出す・・・これは紛れもなく感染症。シーズン的にインフルエンザか?しかし、インフルエンザならば、"あるべきもの"が無い。再興感染症で同じ症状が該当するものを片っ端から調べ上げた。しかしそれらに似た症状のある病気では無いのではとの報告が見受けらるのだった。…ともすれば経験した事の無い新種ではないか?やがて、当院院長が先頭に立ち、その日の時点で新型の感染症がこの地域から見つかったとの報告が全国に向けて発表されるのだった。)

様々な憶測が医療従事者だけでなく、そこに住むすべての人たちを不安にさせた。
また災厄が人間を襲う。もうこりごりだと人々は何かに突き動かされたかのように病院やドラッグストアに駆け込み、不安な症状があると申告するがそのおかげで街中は大パニック。

警視庁は直ちに街の暴動、パニックを抑える為に機動隊を投入し、「暴力を振るう者」「薬品を力で奪い尽くし、違法な商売で金を儲けようとする輩」「弱い人を騙したりする行為」を働く者には容赦無く制裁を加える事が許されるた。

その働きのおかげで同日、午後4時頃になるとそれまで騒がしかった街の暴動も静まり返り、諦めた人々は家の中で身を守る行為に出るのだったが、その一方で自警団の言う事に従わず、集団で暴力行為を働き、その為に機動隊や自警団らに豚箱へ送られる一幕でその日は終わるのだった。

慌ただしい日を終えたものの、まだ事件は解決しておらずそれどころか序章が終えこれからが本番と言う事を我々人類は知る事となるのであるー・・・。

GENJO〜げんじょう〜3 おわり/4へとつづく。