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皆が楽しめる映画なのか?「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の感想

3時間半あるけど、面白くてあっという間だから!
とおすすめされるでしょう。
過言です。多分。


結論

3時間半は長すぎる。
フクロウとモリーは良い。
原作は面白い。

良かった点

フクロウが死の前兆として現れるんだけど、CGだと思ったら本物らしい。

演技がうますぎてびっくりした。

あとはモリーが良かった。夫が毒を盛っていることを知っていながら許そうとしたシーンはグッときた。

悪かった点

鑑賞後に評判をネットで調べたらえらい高評価で驚いた。
だからこれ以降僕が書くことは見当外れなんだろう。

1.物語の求心力がない。

映画に対しての期待値が高かったため、原作を読んでから観ることにした。

まず構成が全く違う。

映画は犯人側の視点、原作は犯人を追う側の視点で描かれる。

別に原作に忠実に作ってくれとは思わないけど、原作では犯人は誰なんだろう?が求心力になっていく。

実際これがかなり面白い。証拠は山ほど出てくるけど、調べていくと嘘だったり、証言者がすでに死んでいたりで犯人に行きつくまで興味が持続するんだ。

映画はどうか。

犯人側の視点だから当然謎解きはない。犯人側が淡々と悪事をこなしていく。捕まるかもしれないといったスリル展開もない。裁判のパートもあっさり終わっていく。

登場人物たちに興味が持てないまま時間だけが過ぎていくんだ。

2.アーネスト(ディカプリオ)が好きになれない。

ろくな人間じゃないのは仕方ない。

そもそも働く気がないし、ヘイル(デ・ニーロ)の言いなりで、モリーの家族殺害の一端を担っている。

それは別に良い。そういう人間だし。
でもたまに被害者面するのはなんでなの?

家族への愛とヘイルの呪縛との間をさまよっている的な評価のされ方をしているけど、原作を読む限りこいつに愛はないはずだ。

スミス夫妻を爆殺するときに、自分の息子も一緒に死んで構わないと思っているような人間だ。(その晩、息子はスミス夫妻の家に泊まる予定だったが体調不良によって中止になっただけ)

だから、娘が死んで落ち込んでいる様子も白々しく感じる。

3.事件の肝心な部分を扱っていない。

これまでの点はいいとしても、ここは見過ごせない。
一連の連続怪死事件の最も肝心な部分は何だろう。

ヘイルとその一味を逮捕すること?

違う。

肝心なのはヘイルがモリーの家族を殺害するよりも前にインディアンの不審死があったこと。そしてヘイルの逮捕後もその不審死が続いたことだ。

つまりインディアン殺しは街ぐるみで行われていて、ヘイルは氷山の一角に過ぎないってことだ。

実際オセージ族は自然死ではありえない割合で死んでいる。

この辺りは映画ではほとんど触れられていない。

不満はまだあるけど、長くなるのでもうやめよう。
もちろん細かい良い部分は結構ある。けど悪い部分が目立ち過ぎだ。

例えばハエが象徴的に出てくるけど、「はいはい、ベルゼブブとヘイルを重ねてるのね」程度の感情しか湧いてこない。

まとめ

いろいろ書いたけど、原作を読んでから行くのをおすすめしたい。

登場人物が多いし、説明されないシーンも結構あるので前情報を頭に入れておかないと混乱すると思う。

繰り返しになるけど、世間では高評価の作品だ。
観て損することは無いと思う。

僕はこの映画について誰かと語りたい。
けど他人のコメント欄を汚すわけにもいかない。

もし気が向いたら僕が挙げた点への反論などコメントしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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