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「幻」のライブハウスジャッジメント in KOBE


今回は、緊急事態宣言と兵庫県からの休業要請で「幻」となってしまった4/14(火)の無観客ライブ配信サーキットフェス「ライブハウスジャッジメント in KOBE」に向けての動きをまとめておきたいと思います。

「ライブハウス『でないもの』」

新型コロナでライブハウスが打撃を受け始めて、もう6ヶ月も経ってしまいました。なんとなく、、、ではあるんですが、僕は9月くらいまで大変なことになるんじゃないか、、、と言う予想の元、動こうと決めました。スタッフやアーティストを抱える会社の社長として、「慎重に身構えておく必要があるかも」と思ってました。

今もまだまだ収束には程遠いとは思いますが、そんな考えの中、まず初めに考えたことがあります。

「ライブハウス『でないもの』拡張計画案」でした。それがこれ。

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3/6の会議に持っていっているので、結構早い段階でこの構想を考えていたようです。岡田さんや本丸さんと沖縄料理「空」で話したことも覚えてる。

それにしても「ライブハウスでないもの」って(笑)!

VARIT.チームでもこの図を見せながら話したんですが、藤岡店長、ブッキングの北田らは、露骨に嫌な顔してました(笑)。そりゃそうか。ライブハウスで働くためにココにいるのに、「はい!じゃあ、"ライブハウスでないもの" を今日から考えまーす!」なんて言われてもねぇ。そりゃ嫌な顔もするか。

けれど、僕は当時、至って真面目に考えてた。「150人のプレミアムライブ+10,000人の配信視聴者」だなんて、今考えると「甘いなぁ〜」とは思うんですが(苦笑)。

「状況どう?いっぺん集まらへん?」

話をわかってもらえないVARIT.チームで話しても拉致が開かないし、けれど自他共に認める「猪突猛進」な性格の僕は「このまま横に置いといて、、は出来ひん、どうしたらええんや、、、」と思ってたんですが、ふと「神戸の他のライブハウスってどうしてるんやろ?」と気になって、僕が電話番号を知ってるチキンジョージのマサルさん、ART HOUSEの昇平、太陽と虎の風次に電話をしてみたんです。「状況どう?いっぺん集まらへん?」と。

後の「ジャッジメントKOBE」のこの面々ですが、「なんで4ライブハウスなんですか?」と聞かれることもありました。答えは簡単。この3人しか電話番号、知らなかったからです。ほんと、それだけ。

「!!!」

4人でチキンジョージに集まりました。首相会見で「ライブハウスには行かないでください」というような言葉を聞くようになってから、どうもライブハウスが悪者だ、というような空気が世の中に流れ始めていたので、みんなのライブハウス、どうしてる?と情報交換。

ただ4人ともこの頃は楽観的でもありました。

「世間にライブハウスを間違った捉え方されてるよなぁ?」「ライブハウスっていう言葉は有名になったけど、世の中のほとんどの人、ライブハウス、知らんでしょ」「ただの建物とちゃうで」「アーティストや裏方さんも仕事、なくなってるやろうなぁ」

こんな感じでワイワイ話していた気がします。

そこで、「ちょっと提案があるんやけど聞いてくれる?ライバル同士のオレらやけど、ライブハウスが悪者みたいにされてること、逆手にとって、4つのライブハウスで配信ライブでサーキット、みたいなこと、出来ひんかなぁ?オレらそれぞれにゆかりのある神戸出身のアーティストに来てもらったら、アーティストや裏方さんの仕事作りにもなるやん。」と提案しました。

これが3/10(火)。10,000人くらい、観てくれると想像してたなぁ(笑)。

一気にみんな、熱くなって、イベントタイトルどうしようか、、、と話していたら風次が突然「ジャッジメント、、、ライブハウスジャッジメントでどうですかね?」と一言。一同「!!!」そして、これが神戸から他の地域にも伝わっていくといいよね、という昇平のアイデアで「ライブハウスジャッジメント "in KOBE"」に。最後にマサルさんが「ええやん、やろやろ」の一言で完了。

このスピード感、堪らなかったなぁ。VARIT.チームでのミーティングでは、露骨に嫌な顔されてたんで、尚更、、、という感じでした(笑)。

ここからは一気でしたね。企画書は南出が、告知画像は昇平が、サブタイトル含めた言葉選びは風次が担当、マサルさんは最後に「ええやん」を担当(笑)。

「メディア露出」

そして開催決定!のお知らせは3/16(月)。

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FacebookのVARIT.ページに投稿したところ、シェアが259件、48,226人にリーチしました。これはますます「10,000人視聴」に期待してしまうでしょ!?笑

翌日にはTwitter公式アカウントを作成し、それぞれのライブハウスでリツイート。

ちょっと肩身が狭いですが、、、「いいね」の数は?

ART HOUSE=964人
VARIT.=779人
CHICKEN GEORGE=899人
太陽と虎=2,952人

圧倒的に「太陽と虎」の勝利!「VARIT.」惨敗!涙

ま、こういうSNSでの絡みもありながら、「イベントをやる」ということが楽しみになってしまっていたなぁ、と後々反省することになります。

そして3/17に初のネットニュース。ラジオ関西トピックス。ラジトピですね。

NHK WEBにも。

まいどなニュース。

「着々と」

アーティストブッキングは4つのライブハウスで。それぞれのライブハウスとしっかりとゆかりのあるアーティストを、全体像を4人で見ながらブッキング。アルカラ、セックスマシーン!!、KNOCK OUT MONKEY、WEAVERが決まったあたりから、手応えを感じていました。

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映像チームのシネマ・アイに昇平アイデアの告知CMも作ってもらったなぁ。事前収録したチキンジョージでの映像を使ったCM。「カッコええやん!」ってみんなで絶賛してました。

そして4/12(日)、無観客ライブ配信サーキットフェス「ライブハウスジャッジメント in KOBE」の2日前に、ようやくタイムテーブルを発表。

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「苦渋の決断。無念の実施、断念」

ところが。。。

本番前日の4/13(月)、兵庫県からライブハウスに対して「休業要請」が出されることがわかりました。チキンジョージだけは収録でしたが、VARIT./太陽と虎/ART HOUSEはアーティストがライブハウスに集まっての生配信を想定していたため、、、苦渋の決断。無念の実施、断念。

その頃、緊急事態宣言も出されていて、東京のアーティストには事前にスタジオ収録映像を用意もしてもらっていたので、チキンジョージ収録映像と合わせて、急遽「ライブハウスステージ」と「ステイホームステージ」と称して無料配信を実施しました。エンタテイメントを発信する立場として、少しでもおうちで楽しんでいただけたら、、、という想いからでした。

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「反省の気持ち」

そして、本来なら実施日だった4/14(火)の夕方のサンテレビのニュース動画はこちら。

切ないなぁ。今考えても切ない。

そして反省もしています。ともかく勢いで決めた、4つのライバルライブハウス同士が協力して実施しようとしていた「ライブハウスジャッジメント in KOBE」。シネマ・アイという強力な撮影・配信チームが傍にいてくれたからこそ、実施へ向けて突っ走れたライブハウスジャッジメント。いつしか「イベントをやりたい!」という気持ちが大きくなり過ぎていたかも知れません。緊急事態宣言が出ていることも受け止めながら、安心や安全よりも「やりたい気持ち」を優先していたかも知れません。

我々チームの「防衛大臣」と呼んでいるART HOUSEの昇平が、それに気づかせてくれました。「もっとしっかり周りを見なければならなかったですね」って。もしかしたら昇平がいなければ、休業要請が出る、と知った4/12(日)、それでも強行突破しよう、と決めていたかも知れないです。

「リベンジへ」

こうやって、それぞれのライブハウスのトップが集まって、物事を決めていく、ということのスピード感。全員がお店を「守る」という立ち位置があるからこそ決定権があり、だからこそのキャラクターも持ち合わせていて、それが故、お互いを支え合ってる。

この後、どんどんライブハウス経営が危うくなっていく中で、なんとか立て直していかなければ、、、と4人の結束は固まっていきます。ライブハウスジャッジメント in KOBEの延期実施に向かいます。

今日はここまで。またこのことは、いつかのタイミングで書き記してみようと思います。

ライバル同士が手を組む。なかなかこんなこと、起こらないはずだったんですが、なんとしてでもこの状況を打ち破っていくためには、明るくなんでもやっていこう、失敗しても構わない、どんどんやり方は変えていこう!という所存です。これからも。

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