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【創作小説】梅雨目前。

愚かであるということ。
惨めである事。
狡猾であること。
女性である事。

このおれというものの全てが言葉で表すことが出来るのか。
言葉など、精神的、目前に値するものでしょうが、
それでさえ縋ると云うもの。

笑ってくだされ、
結果には哀しみを笑顔と濡れ衣にさせているだけなのです。

この汗はおれのものではございませんが、
ですが、この心に一つ、
魂があるということを、
貴女には無視して生きて欲しいのです。
そればかりが、このおれの願いと呼ぶもの。

煙草の煙は、貴女の青空の様な笑顔を隠してしまう。

この鮮やかな生活さえ、貴女の身が在り愉しめるひと時と、
おれは自覚しております。

胎内でさえ、廻る血液は、
誰一人のものではないでしょうが。

不安の種を毎晩飲み込むのです。
貴女が夢で苦しまぬよう。

これでいい、素晴らしいではないか。

こんな明日でさえ、
愛おしいのならば、おれはまだ、
心を置いてはゆけません。

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