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【読書感想文】10歳の質問箱

自分が子供だった頃、不思議に思っていたことや、悩みは大人になるにつれて勉強、部活、恋愛、人間関係、仕事と・・・次々訪れる悩みに忙殺されて忘れていってしまった。多くの人間にとって、そんなものではないだろうか。

そんな大人になってからでも子供の気持ちを思い出して、読んでもらいたい本がある。

10歳の質問箱 なやみちゃんと55人の大人たち
日本ペンクラブ「子どもの本」委員会 編

こちらの本は10歳くらいの年齢の子供が抱く質問に対して、作家など文章を書くことのスペシャリストが回答するという本。

「大人は楽しいですか? 大人になって良かったですか?」
「エッチなことを考えていると、頭が悪くなるの?」

このような自分自身に対するの質問や、

「学校に行きたくありません。なぜ行かなきゃいけならないのですか?」
「いじめられたとき、どうすればいい?」

このような周りの人との人間関係や学校で生まれる出来事に対する質問。
そして・・・

「愛国心って、どんなものですか?」
「戦争は、なぜなくならないのですか?」

世界で今、もしくは過去に起きた出来事に対する質問などについて回答されている。


この本の良いところが、1つの質問に対して複数人が回答しているという点。質問に対する”正しい”回答をするのではなく、いろんな人の考える考え方が分かるので「こんな考え方もあるのか」と思える。何よりも大切なのは、人の意見を参考にしつつ「自分はこう思う」と自分の意見を持てる様になる事だと思う。人と違う事や考えで悪い意味で目立ってしまいがちな学校という社会の中では、多様な考え方を互いに理解し合う事が大切だとこの本を読んで私は思った。

また、元々は子供向けに書かれている本なので、ニュースなどで使われる難しい言葉などについては文章の中で子供にもわかりやすい表現で解説されている。


さて、上記に書かれた質問に対して、あなたはどの様に答えますか?
ありきたりな質問でありながらも、自分の言葉で自分の意見にするのは難しいと思う。改めて自分がその質問に対しての意見をまとめるなかで、社会や世界で起きている問題について考えるきっかけにしてもらいたい。

この本の続編はこちら。

続・10歳の質問箱 なやみちゃん、絶体絶命!
日本ペンクラブ子どもの本委員会 編



あと、子供の疑問に答えるという少し似ているおすすめの本もあるので一緒に紹介。

こども六法
山崎聡一郎 著

身近な犯罪に関する事や権利などについて大人にも子供にもわかりやすく解説している本だ。「○条にこの様に書かれている」と、細かく根拠が記されている。



子供の疑問に対して、真剣に向き合って答えがある事を示す事が知的好奇心を育てることや、読書への関心に繋がるのかなと私は思っています。大人でも面白いと思える内容なので、是非!

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