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「伝える」から「創る」へ。スピーチライター的ハッカソンの視点

スピーチライター?? ハッカソン??

こんにちは。Van💣です。
前回の記事をご覧いただいた方はご存じかもしれませんが、普段は地方で"電気系"(厳密には電子系)のエンジニアとして従事しています。

でも実は、プライベートでスピーチライターをしています。

そんな私が先日、以下のハッカソンに出場しました。

ちなみにハッカソンとは、

主にソフトウェア開発におけるエンジニアやデザイナー、プログラマーなどが集まり、一定期間集中的にアプリケーションやシステムなどを開発するイベントのことです。ハッカソンでは、参加者がチームを結成して意見やアイデアを出し合い、あらかじめ決められたテーマにそって開発を進め、その成果を競い合います。

NECソリューションイノベータ「ハッカソンとは?意味やアイデアソンとの違い、イベント事例を解説」より

エンジニアやデザイナー、プログラマーなどが集まり??

スピーチライターと何が関係あるのか??と思われるかもしれませんが、今回非常に学びの多かったハッカソンでしたので、スピーチライター目線での所感をお伝えしていこうと思っています。


テーマ発表

テーマは「休日の癒しを提供してくれるプロダクト」でした。

そのテーマが発表された瞬間に部屋を見渡し、坐布(ざふ)が目に入りました。

坐布です。この上にお尻を乗せて坐禅(ざぜん)を組みます。

私は普段、内省として坐禅を組みます。
頭をフル回転させている平日の癒しとして、頭を空っぽにできる坐禅はピッタリです。

これをアイデアに落とし込めれば面白いプロダクトができるのではないかと考え、開発をスタートさせました。

自分の作品:坐禅姿勢チェッカー

坐禅を普段から組む方は多くないと思います。
わざわざお寺に行くのが面倒だし、警策(けいさく)と呼ばれる棒で叩かれるのが怖いイメージがあったりするかもしれません。

実際は宗派やお寺によってやるやらないバラバラですし、思い切り叩かれることはありません。

それを解決する手段として、
家でゆる~く姿勢を確認できるツールがあれば、坐禅の間口が広がるのではないかと考えました。

そこで姿勢が悪ければアラートを出して警告をしてくれるセルフチェックツールを作製しました。

デモ動画

魅せ方の工夫点として、ただ私が坐禅をしてアラートが鳴っているだけの動画ではインパクトが弱いので、姿勢が良いときには赤ちゃんがダンスしているかわいいGIF画像を表示させることにしました。


スピーチライター的戦略

ここが大きなミソです。
弁論大会に照らし合わせて、以下3つの点を意識しました。

•審査員のペルソナの理解
⇒弁論大会の準備としてまず確認するのが審査員の属性(性別、年代、趣味嗜好など)です。

ハッカソンにおいても審査していただける方々の属性をリサーチしておくのは重要であると考えました。
ただ、今回は参加者同士が投票をし合う形であったため事前にリサーチするのが難しかったです。

•時事ネタ
⇒弁論大会では数か月前から考えぬいた内容よりも、時事ネタを取り入れた内容の方がウケたりします。

最近の時事ネタでいうと「Apple Vison Pro」が発売直後であったため、Apple Vison Proを模したゴーグルをつけてデモを魅せることができればウケるのではないかと考えていました。

ただ、今回の「癒し」につながる時事ネタを思い付くことができませんでした。
こういったときにRAG(Retrieval-Augmented Generation)を使うべきであったと考えます。

•視覚、聴覚訴える
⇒弁論は言葉だけの勝負です。しかし、いかにオーディエンスにイメージを想起させるかで勝負が決まるといっても過言ではありません。

ただ、ハッカソンの場合はいろいろなツールで視覚や聴覚に訴えることができます。

今回、私はWebカメラを使って視覚的に訴えるプロダクトをつくることを決めました。


反省

・坐禅姿勢チェッカー=癒し?
⇒振り返ると、坐禅が癒しである説明はできたものの、坐禅の姿勢を整えることが癒しには直結していないと思いました。
見切り発車で開発を進めてしまったと感じています。

・部屋の中で完結する癒しにこだわってしまった
⇒テーマが発表された際に部屋の中を見渡してテーマを決めてしまいましたが、旅行や温泉をテーマとした参加者の方もいたのでもっと幅広い視点でテーマを決めるべきであったと感じています。

・もくもくと開発を進めていたので成果発表で声が出なかった
⇒スピーチライターとしてあるまじき行為ですが、事前の声出しは一切せずぶっつけ本番で成果発表を行ってしまいました。

案の定、喉開かない、舌が回らないといった状況になってしまい、プロダクトの魅力を伝えきれなかったと感じています。

・SNS用に倍速のデモ動画を作製したが、成果発表でそのまま利用してしまった
⇒30秒の超える動画は離脱率が高いということで、30秒以内に収めるために1.5倍速の動画をSNSに投稿しました。

その動画をそのまま成果発表で使用しましたが、画面共有した際のラグもあり、姿勢が良いときの状態と姿勢が悪いときの状態の差がよくわからないデモになってしまいました。


優勝作品🥇

パックちゃんが生まれたよ by りゆさん

「パックちゃん」という創作のゆるキャラがパックの終了時間をお知らせしてくれるというものです。

「パック」自体が休日の癒しであることに加え、「パックちゃん」のビジュアルのゆるい感じが癒しであるという点でテーマにダブルブルを突き刺したような高度な作品です。

一見、アート思考のプロダクトだと思われますが「パックの終了時間が分からなくなる」という問題の解決を図った、デザイン思考も含んだプロダクトでもあります。

シンプルな操作感のため、CodePenで共有して使ってもらいやすいという点でも癒しの共感ポイントが高かったのではないかと感じます。

ダントツで1位であったことが明白ですね。

自分的アイデア賞🏆

休日の癒しに、いつもと違う動画をみませんか! by ただしさん

好みのジャンルを選択することでランダムなYoutube動画を提案してくれるWebアプリです。

休日の癒しとして、動画視聴する方は多いと思いますがYoutubeの場合、よく観る動画に合わせておすすめの動画を表示するアルゴリズムになっているかと思います。
それでは新しい知見を広げたりするのは難しいですし、特定の思考に捉われがちになってしまいますよね。

このプロダクトを使えば新たな領域を開拓することができるという非常に実用的なWebアプリです。

このプロダクトのアイデアが面白いと思ったのが、「既存の癒しを増幅させる」という視点ではなく、「新たな癒しを発見する」という視点でこのプロダクトが作られたという点です。

自分には考えつかない制作者の思考が詰まったプロダクトであると感じました。

自分的テック賞🏆

Nowちーろってぃ by ちーろってぃさん

ちーろってぃさん本人の機嫌を来訪者や友人、家族に伝えるためのWebアプリです。

アプリの機能としては、非常に分かりやすいものであるものの実装力、使っている技術に驚かされました。

プレゼン中何回「すげぇ」と言ったか分からないくらい、テック面で感心させられた作品です。

特に感心した点は以下2点です。

  1. 事前にアプリのUIイメージをCanvaで作成して、それをClaude 3.5 Sonnetに画像入力して、イメージ通りのアプリを初手で作りあげた点。
    画像入力の利点をおおいに活かしている点に感心しました。

  2. Webアプリを管理者側(ちーろってぃさん)と利用者側(それ以外)で2本立てている点。
    裏側に少し手間を加えることで表側をよりシンプルに使用感を向上させることができる点が新しい発見でした。

今回出場したハッカソン

体験会と題したハッカソンであったため、勝負は度外視という参加者もいらっしゃったかと思います。

そんななかでも真剣勝負を挑み、悔しい思いを経験することができました。
勝負には負けましたが、得られた経験は自分が1番大きかったと自負しています。

この思いを今後のモノづくりの起爆剤にしていきたいですね💣

おまけ

今回のハッカソン中に記録していた小さなアウトプットと、終了直後に収録した音声メモです。


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