自転車ロードレースシーズン(2022)の始まり

自転車ロードレースが本格的にシーズンインした。早速有力選手が結果を出し始めている。だが、今年もコロナの影響は避けられそうにない。2020,2021年のTour de France覇者Tadej Pogačar(タデイ・ポガチャル)や2019年のGiro d'Italia覇者のRicard Carapaz(リカルド・カラパス)ら陽性者も出ている。だが、もうこればかりは仕方ない。少なくとも2020年のParis-Niceのような出来事にはならないはずだ。この時は運悪くコロナの影響が中国にとどまらず世界に波及する中での混乱の最中でのレースであった。最終第8ステージがキャンセルされただけでなく、複数のチームが選手を全員リタイアさせる(帰宅させる)なんてこともあり、非常に混乱が見られた。そして、レースも約5か月間ストップし、バーチャルレースなんてものも行われた。あれはあれで面白かったが、やはり生のレースに勝るものはない。

中継ではなく、生で観戦した時の迫力はすごかった。観戦したのはジャパンカップ・クリテリウムやさいたまクリテリウムなので、選手にとってはオフシーズンに片足が入っているような時期に行われたレースである上に、クリテリウムなので、一般のロードレースと異なる部分も多い。だが、ガードレールだけを挟んだだけの至近距離を50km/h前後の速度で通過する選手たちの迫力は他のスポーツ観戦では味わえない迫力だ。観戦できる機会があればまた観戦したい。

本題に戻ろう。今シーズンはどのような結果になるだろうか。私はチームとしてはIneos Grenadiersを応援しつつも、観られる試合は1つ1つの展開を楽しんで観戦しようと思う。今年も個性豊かな選手たちが揃っている。Julian Alaphilippe(ジュリアン・アラフィリップ)やMathieu van der Poel(マチュー・ファン・デル・プール)の強烈なスパート能力、Jasper Philipsen(ヤスパー・フィリプセン)やFabio Jakobsen(ファビオ・ヤコブセン)、Caleb Ewan(カレブ・ユアン)らのゴール直前でのスプリント、PogačarやPrimož Roglič(プリモシュ・ログリッチ)らTour de Franceで総合優勝を狙う選手たちの山岳での登坂力、様々な特徴を持った選手たちが個々の能力を活かした別々の目標に挑む。

基本は誰もが優勝を狙う。だが、自分の得意なコースでなければアシストに徹することもある。また、ステージレースでは、最初は総合優勝を目標にしていた選手がアシストに回ったり、場合によっては各ステージの優勝を狙うように作戦変更したりする。コース特性だけでなく、天候に左右されることもある。様々に変化する状況の中で、どのチーム、どの選手も局面に応じ柔軟に考えを変え、行動する。予め作戦を決めておいたとしても、その作戦通りにレースを導くのは困難だ。その中で即座かつ柔軟に判断しなければならない。一寸先は闇の状況下で、どのようにして自分あるいはチームメイトを優勝に導くか、このレースの醍醐味はまさにそこにあるだろう。

まだ始まったばかり。そして、シーズンは長い。じっくり楽しもうではないか。

P.S.
選手たちの名前をカタカナ表記するのは難しい。メディア関係者の方々の努力には頭が下がる。Caleb EwanもCalebは「カレブ」「ケイレブ」、Ewanは「ユアン」「イワン」のようにメディアによって表現が分かれることがある。この表記ゆれこそが、このブログで人名をアルファベット表記にした所以でもある。アルファベット表記にすれば表記ゆれの程度は小さくなる(厳密にはRogličの「č」のように英語表記に存在しない記号が含まれていて、それを省略する場合があるのだが、そこまで気にし始めたらきりがない)のだ。この下手な文章を読んでくださった方にさらに読みづらさを重ねるようだが、このような理由でアルファベット表記にしている。お許し願いたい。


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