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久々のプロ野球生観戦@ハマスタ

一昨日のことである。久々に野球場で試合を観戦した。

発端は、数日前に遡る。18日の業務後に飲みに行こう、と友人と話をしていた時である。今回は横浜界隈で合流する予定であった。友人はベイスターズファンであり、ちょうど18日は横浜スタジアムで公式戦が開催される日であった。

そこで、関内駅の近くの店で飲みながら観戦しようか、という調子で「18日は主催試合があるみたいよ」とLINEを送ったところ、「現地観戦しに行こう!」となり、飲みの予定は急遽試合観戦に変わったのだ。

初めてのハマスタでの観戦である。今まではほとんど西武ドーム(現:メットライフスタジアム)ばかりで観戦していた。友人も改修後は初来場。なので、互いにスタジアムの違いも楽しみたい思いを強く持ったまま、当日を迎えた。

いつもより早起きし、やるべきことを早めに終え、友人と合流した。近くの店で早めのご飯を食べ、現地へ向かった。

チケットはホーム側の外野立ち見席。外野席での観戦と言えば、2005年に西武ドームでライオンズ―マリーンズ戦を観戦したことがある。あの時の猛烈な盛り上がり、そして、ホークスファンの私としては、楽しみつつも、何とも場違いな感覚に、終始なじめなかったことが非常に懐かしく感じられる。

話を戻そう。入場後、友人を先導して歩いた私は、バックスクリーン近くの外野スタンド上段(横浜スタジアムの立ち見席は外野スタンドの上段からの観戦となる)の比較的空いている場所を見つけ、その場所へ移動した。

試合はちょうど始まったところ。タイガースの1番近本がレフト前ヒットを打った頃であった。変化球をうまく逆方向に運んだヒット。その後の打線もセンターから逆方向を狙っている様子が見て取れた。

久々の野球観戦。友人も同様であり、まずは球場の雰囲気を味わった。タイガースファンの熱気、それとは対照的なライト側。ウイング席の雰囲気や、スタンドの形状…。初めて訪れる球場だ。まずはそこを満喫したい。

とはいえ、セリーグの試合はあまり見ていない。ベイスターズのスタメンに見慣れない名前があった。梶原?山本?誰だろう?友人は2人とも期待の選手だという。そして、カギになりそうな選手であるとも。

そんな調子で観戦していると、目の前の人たちがおもむろに動き出した。楽器が見える。

・・・応援団のいる場所だったのか。

「空いている」、それだけをキーワードに陣取った場所は応援団のいる場所だったのだ。ただでさえ、こちらはホークスファンで場違いな場所にいる感覚が拭えないのに、ましてや応援団のすぐ近くとは。場違い感がさらに強まる。

友人を招待する流れで、この場所に陣取ったならまだしも、単なる偶然。こういうこともある。そして、こうなった以上、間近でなされる応援を楽しもうではないか。

タイガースの初回の攻撃が終わると、応援団の方がスタンド下段まで降りていった。応援開始である。

応援団の方が指揮者のように外野席の観客をうまく誘導し、一体感を作り上げていく。鳴り物や旗がそれをさらに洗練させていく。この光景はなかなか間近では見られない。ホームからセンターへ流れる風の軽やかさ、爽やかさとは正反対の熱気。これこそ、生で野球観戦するときの醍醐味である。

初回、タイガースの先発村上は順調に立ち上がっているように見えた。球数は多少要したものの、佐野・関根と無難に打ち取っていた。

3番は首位打者・宮崎。徹底的なインコース攻め。それでも、宮崎はその攻めを苦にも思っていないかのように、レフト前へクリーンヒットを放った。インハイの厳しいコースであったものの、それを苦にせず、きれいにさばいた。

そのコースに投げ切った村上も素晴らしいが、それをさらに上回る宮崎の打撃技術。双方に脱帽の対決であった。

その後、試合は盛り上がりを見せていった。この日はまさに「宮崎デー」であった。先の厳しいコースをヒットにしたことに始まり、同点ホームランに、好守備連発、ここ一番で常に何かをしてくれる、頼もしい活躍を見せていた。

試合中盤、スタンド席を離れ、軽く飲食をした後、6回終了を待ってスタンドに戻った。今度はライトポール際あたりに陣取った。応援団からの距離は遠くなるが、こちらは、ポール際に打球が飛んできたときが見どころとなる。

7回表のタイガースの攻撃、初回以来久々に得点が入りそうな状況となったが、打順が悪い。1アウト1,2塁を作ったのに、8,9番だったのだ。得点は欲しいが、村上も続投させたい。難しい局面だ。

代打・原口。いきなりの勝負手。タイガースファンの応援も最高潮になる。ここで勝負を決めに来た。失敗すればその反動は厳しい。

代打策は功を奏する。レフト前へ抜けそうな当たり。しかし、ショート京田のダイビングキャッチにより、タイガースはチャンス拡大にとどまった。

次の打者は投手・村上。続投?代打?当然、代打である。勝負手を放ったのだ。さらなる勝負手を放つしかない。代打・ミエセス。双方のファンのボルテージは最高潮、勝負を分ける分水嶺になるのは必至だ。

手に汗握る勝負はフルカウントまで持ち越された。1球ごとにファンの歓声とため息と固唾を飲む様子が繰り返される。どう転んでも、結論が出たときの歓声はこれまでのものを上回るのは間違いない状況であった。

なかなか勝負がつかない。誰しもが「次こそは」「次こそは」と食らいつくように観戦している。球場が一体となって対戦に注目した。

11球目。東渾身の1球。ミエセスも必死に打球に食らいついた。打球はレフト線へ。抜ければ逆転であるが、ここにいるのは、この試合で攻守に活躍している宮崎。

その宮崎がまたしても見事に止め、併殺打に仕留めた。タイガースにとっては、最悪の結果。ベイスターズファンからは「あずま!あずま!」と「みやざき!みやざき!」が相まり、ボルテージがさらに上がり、そのまま7回裏へと向かった。

タイガースの2番手は加治屋。元ホークスの選手だ。2018年は彼がいなければ、どうなっていたことやら。ホークスでの活躍期間は短かったが、タイガースへの移籍後、復活を遂げた選手である。

ライト側にいるのに、元ホークスの選手を応援したくもなる。何ともまどろっこしい。

1アウトを無難にとると、バッター梶原。友人がカギだと話していた選手である。ここまでは村上相手にノーヒットに抑えられていた。

打球がフラフラと上がる。落ちそう。ポテンヒット。

次は山本。彼もカギに挙げられていた選手だ。1-2から投じられたボールを見事に捉えた。左中間のギャップを破った。梶原の足が速い。ノイジーがボールを取ったころには3塁ベースを回っていた。まるでギータがレギュラーを取ったころのような雰囲気を感じさせる豪快な走塁。

友人がカギと言っていた選手たちがもぎ取った1点。ベイスターズファンの盛り上がりもさらに上がる。中には、手すりに体重をかけながら飛び跳ねている人までいる。すごい試合だ。

8回は双方チャンスを逃し、最終回へ。投手・森原。楽天の時もそうだが、この人はそれまでの実績以上に期待度が高い。任される役割もタフな局面が多いイメージである。それだけ素晴らしい球威・決め球を持っているということなのだろう。今シーズンはそれが結果とも結びついたのだろう。非常に素晴らしい成績をキープしている。

タイガース打線は正直苦しい。5番から始まる回であり、勝負手は打った後である。とにかくノイジー・サトテルでチャンスを作りたい。

6番サトテルのヒットで1アウト1塁。代走・熊谷。最低でも2アウト2塁にしたい局面。

2-1から熊谷が盗塁。セーフの判定。三浦監督がリクエスト。ここでは当然の判断である。ここでリクエスト失敗しても、大きなリスクを伴うことはない。審判団がベンチ裏に下がっていく。

バックスクリーンのモニターにクロスプレーが流れる。単純なセーフ・アウトの判定ではなさそう。熊谷の足は京田の足に阻まれている。走塁妨害の有無が争点になりそうなシーンに見える。とはいえ、京田はベースに入るのがかなり遅れており、あれ以外の態勢をとれたかどうか怪しい。

しかし、審判団が何を確認しているかは、正直わからない。まどろっこしい時間が続く。

NFLだとこういう時、「パスキャッチしたかどうかを確認する」というように、事前に説明がある。NPBも以前はそういうことをしていたが、今はやっていない。そもそも、ここの説明が観客に向けてなされないのは問題なのだが、それはいったん横に置いておこう。

審判団が出てきた。走塁妨害なし、走者アウトでの再開。ブーイングと歓声がこの試合で最も高まった瞬間である。

判定に対し、岡田監督の抗議が始まった。ここも双方ブーイングと歓声の合戦。この状況では、ルール上は退場となるとしても、判定に対して説明を求めたり、抗議するのは当然と言って良い。この判定は試合を左右する。1時間抗議したって良い場面でもある。

数分後、納得している様子もないままに岡田監督はベンチに戻り、試合再開。打者・木浪は四球で出塁したものの、後続が続かず、ベイスターズ勝利に終わった。

その後のレフトスタンド側は、ニュースサイト等に載っている通りである。

ある意味、恒例行事を観られた、という感動もある。しかし、あまりよろしいものではないのも確かだ。だが、そもそも双方の外野席での悪口合戦の様相も呈していた。どちらの側も、明日は我が身なのだ。必要な手続きは、チーム側がとってくれる。クールに待ちましょ、と言いたくなった。

ヒーローインタビューの様子。青い星々のきらめきが印象的であった。

久々の野球場での観戦は、現地ならではの醍醐味を感じさせるに十分なものであった。次は、ホークス戦を観たいものだ。それも主催試合を。

試合後の横濱漢祭のライブパフォーマンスの様子。
野外球場ならではのド派手な演出が観られた。

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