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【HEC Paris 留学編2】フランスに免税扱いで身の回り品を送る


*disclaimer*
以下は執筆時点の個人の記録であり、手続きについて何ら保証するものではありません。個別ケースの判断にあたっては、フランス税関又は専門家に正確な情報を確認してくだい。


今回、半年を超える長期滞在、かつ冬(=コート、ブーツで荷物がかさばる!)、ということで、段ボール二箱分の荷物を別送することにしました。留学の別送品は免税対象ですが、フランスでは、荷物配送時のVAT,関税の徴収が厳しくなっているという情報があったのと、配送業者の扱いが雑、という悪評も目にしたので、極力、課税・トラブルのリスクを避けて慎重に発送手続きを行い、結果、無事免税での別送に成功しました!

これまた、情報がなくて苦労したので、こちらに私のケースをシェアさせていただきます。これからフランスに留学される皆さんの参考になれば幸いです。


1.フランスの制度上の取り扱い

フランス税関のHPで確認すると、コチラの通り、留学生の身の回り品は関税の対象外、との記載があります。

さらに、念のためフランス税関(Douane)の問い合わせフォームにも確認したところ、コチラのより詳しいフランス語ページが参照先として提示されました。留学先大学より発行されている Admission letterのコピーの添付が必要のようです。
また、メール本文には、「運送業者が関税手続きをすべて処理するため、適切な免税措置を受けるためには、事前に運送業者に連絡し必要な書類をやり取りするよう強くお勧めします」といった趣旨の返答がありました。

民間宅配業者の留学別送サービスは中止又は可能でも高額(荷物二個で10万円以上)であったため、今回は郵便局を通じて発送することにしました。必要な書類については、後に書く通り、添付書類として伝票と一緒に添付しました。

2.発送方法の選択

郵便局から段ボールで大きな荷物を発送する場合、EMSと国際小包の二択であり、さらに、国際小包の輸送方法として、航空便、SAL便、船便の三つの選択肢があります。

私は一般的なEMSを避けて、航空便の国際小包にしました。

出典:日本郵便株式会社HP,https://www.post.japanpost.jp/int/service/index.html

EMS( Express Mail Service )は、その名の通り最優先扱いで早く届きます。国際小包のうち、SAL(Surface Air Lifted)便は、国内を船便・国際輸送を航空便として扱い、船便と航空便の間のスピード・料金となっています。

船便・・・価格は安いけれども、到着まで数か月かかり冬に間に合わないかも。また、温度変化が激しく、服や靴が劣化するのではないかと不安。

SAL便・・・取扱い停止中

EMS・・・フランス国内でクロノポストというラポスト子会社の取り扱いとなり、非常に評判が悪い。ネット上には、段ボールが蹴り飛ばされたように壊されていて、中のプレゼントも破損している写真があるほど。不在票もないまま日本に返送というケースもあるらしく、クロノポスト扱いは避けたい。

航空便・・・料金的にはEMSとほぼ変わらず。段ボールの大きさの基準がEMSよりも厳しく、120サイズ程度が限界で少し使い勝手が悪い。一方、フランスでの配送はラポスト扱いとなり、クロノポストほどの悪評は聞かない。

以上をもとに、今回は国際小包の航空便で送ることにしました。ホームページで大きさの基準を確認し、基準を満たす最大サイズの段ボール(120サイズ)を準備しました。

3.別送する荷物の選定

まず、そもそも送ることのできないものをチェック。
国際郵便として送れないもの - 日本郵便 (japanpost.jp)

出典:日本郵便株式会社HP, https://www.post.japanpost.jp/int/use/restriction/index.html


さらに、ネット情報から、食品や化粧品の液体は手続きに時間がかかるリスクとなると判断し除外。かさばるコート類やデニム、セーター、マフラー類、ロングブーツ等、冬物衣料のみとしました。

また、家具などの高額品は別途提出が必要なフォームがあり(前述のフランス語の方のDouaneサイト参照)、150€以上が関税対象になる、というような情報もあったので、トラブルを避けるため、高額と判断されるような毛皮製品やレザーバッグは入れませんでした。

最後に、荷物をトレースするために、Air Tagをひとつづつ入れておきました。追跡システムはあるのですが、配達していないのに「配達済み」の表示になってしまうなど、必ずしも正確な状況を反映しないとのネット情報があったため、正確な位置を知るために入れておきました。

4.ラベル作成

荷物の選定が終わったら、日本郵便の専用サイトから、ラベルを作成します。
ラベルの作成 | 日本郵便株式会社 (japanpost.jp)

基本的には、サイトの指示に従って入力を進めます。以下、気を付けたポイントのみ記載します。

The type of content・・・ "Others"を選択。こうすることで、自動的に発送伝票の金額欄の上に"No commercial value for customs purpose only. "との記載が追加されていました。

Detailed description of contents・・・すべて個人使用済品だったので、used coats, used boots、のように、全て頭に"used"を強調してみました。

内容物の価格(Value)・・・メルカリなどを参考に、おおよその中古品価格を記載しました。例えば、ユニクロのタートルネックセーターなら5€、といった感じです。また、価格はその時点のレートでユーロ表記にしておきました。45€以下の贈答品は課税を受けないのに、5000円のものを送って課税された、というような書き込みが複数あったので、ユーロ以外だと混乱していらぬリスクになるのかな?と思ったためです。

Customs notice book/ remarks・・・備考欄にも、ダメ押しでしつこく留学の身の回り品で販売目的ではないことをアピールしてみました。
"These are unaccompanied personal belongings for exchange study, which is All USED, surely taken back to JAPAN after the study."
と、記載しておきました。

5.添付書類

Douaneのウェブサイトの指示通り、留学先大学より発行されている Admission letterのコピーを添付しました。
さらに、必須ではないのですが、自主的に宣誓書を作成して添付しました。本小包の内容物が留学を目的とする渡航の身の回り品であり、税関の免税措置の対象となること、販売目的ではなく、すべて中古品で帰国時に持ち帰ること、食品を含まないこと、等を英語で記載し、署名しました。

こちらに私が使用した文面も共有しますので、作成する方はご参考になさってください。内容については、虚偽の申告にならないよう、必ずご自身のケースに合わせてご修正ください。

作成に当たっては、ChatGPTに免税措置の手続きについて相談し、宣誓書のフォーマットを提案してもらって、その内容をベースに項目を追加・修正して作成しました。英文宣誓書の基本的な形式を提示してくれるので大変便利でした。

6.郵便局での発送手続

日本郵便のラベル作成システムから印刷したラベル・内容物のリスト、添付書類一式を持参して郵便局の窓口に行きます。
印刷したラベルと添付書類一式をお渡しすると、局員の方がシステムから登録内容を確認し、重さを測り、料金を請求されます。
私の場合、10キロと11キロの段ボールで、合計5万円ほどでした。
ラベルと添付書類は、郵便局の方で透明な袋に入れて段ボールに張り付けてくれます。
この間に、内容物に禁輸品がないこと等を証明する書類にサインを求められました。

航空便の所要日数は、通常1週間~2週間、とのこと。

無事、課税されずに現地で受け取り出来るよう、祈るような気持ちでした・・・(>_<)

7.発送後の経過

<AirTagの追跡履歴>
8月14日 郵便局持ち込み(滋賀県の大津中央郵便局)
     同日夜 関西国際空港へ輸送
8月15日 変化なし(台風直撃)
8月16日 伊丹空港へ輸送
8月17日 羽田空港へ輸送→海上へ
8月18日 消失:私の手元にあった最終時点の位置情報
     (8/14月)の情報が最終履歴として表示
     →夕方シャルル・ド・ゴール空港に到着
8月19日 パリ・オルリー空港へ輸送(目的地の最寄)
8月23日 滞在地近くに移動⇒不在によりオルリー空港にて保管
8月25日 再配達にて受領

8月22日に、私のメール宛てに配送予告が届いていたのですが、フランス語なのと、大家さんの在/不在もわからず、一旦放置してしまいました。
23日に再びメールで「配送したけれども不在でした、在宅日をご指定ください」という趣旨のメールが届き、25日を指定すると、受領用のQRコードが記載されたメールが届きます。

当日は、大家さん不在のため門に
「La Postの配達員さんへ 
私は在宅です。以下の番号におかけいただければすぐに降りてきます。 07-******** Merci!」というメッセージをフランス語でかき、置いておきました。配達時に門の前から電話をかけてくれて、無事受領できました!

<郵便局の追跡履歴>
AirTagの位置情報ではパリについていても、しばらく追跡情報の更新はなかったです。AirTagを入れておいて、Lostしていないことを確認出来て安心でした。

郵便局の追跡履歴

8.結果


よくぞご無事で🥺

😍😍😍無事、非課税でした!!!😍😍😍
日本であれこれ調べて、苦労して十分準備したかいがありました!!!😭


9.ほかの方の免税持ち込み成功率

5人の日本人留学生に聞いてみた結果、すべての荷物が免税で到着したのは、なんとたった一人!

Aさん・・・複数送付したうち、EMSが一個ロスト、郵便小包は免税にて無事到着
Bさん・・・関税徴収(送付方法不明・Admission Letter添付せずとのこと)
Cさん・・・送付した荷物が少なくとも一個ロスト(送付方法不明)
Dさん・・・無事すべて到着
Eさん・・・関税徴収(EMS・Admission Letterの添付せず)

そもそも免税手続きをしていないと思われる方が多く、また、免税のためのAdmission letterと宣誓書を添付していても、ロストとなってしまったAさんのケースもありました。少なくともEMSを避けた方が賢明そうです。

なお、私が荷物別送についてお話しした中で唯一すべての荷物が無事免税で届いたDさんのケースでは、社費留学のため、会社が手配した日本の運送会社にすべて手続きを任せていた、とのお話でした。

私の経験が、留学される皆さんのヒントとなれば幸いです。

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