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【HEC Paris 留学編 7】英語とフランス語の赤裸々なお話

フランス語と英語がどの程度必要なのか?
私の赤裸々な実例を、とことん正直にお話しします!

フランス語

いりません。(もちろんあるに越したことはないですが。)
3か月間、(多少の不便は感じますが)困ることは全くありません。
銀行の担当者とのやり取りも、フランスの銀行やオンラインサービス企業からフランス語で様々なメール通知が来るのも、問題なく対応できています。

文字は、デジタル/紙媒体に関わらず、全て翻訳をかけられるので、一切困ることなく対応できます。大家さんや銀行担当者からはすべてフランス語で連絡が来ますが、チャットもメールも即翻訳して英語で返しています。相手が英語が苦手であれば、Chat GPTで英語⇒フランス語で翻訳すればほぼ間違いないです(銀行の担当さんが、フランス語完璧!!って感動してくれました)。

会話に関しては、お店の買い物で使う単語はごく僅かなので、ボンジュール、マダム、ムシュ、サヴァ?サヴァ!ジュヴドレ・・・スィルヴプレ?、セトゥ、メルシ、オーヴォワー、パルドン、デゾレ、アレズィ!くらいで気持ちよく生活できます。あとは、数字は覚えた方が良いです。英語の数字がとっさに出てこない方の方が多く、いろいろな場面で口頭でフランス語の数字をやり取りすることがあります(バスの番号を教えてもらう、お店でグラムで注文する、フリーマーケットで値段を聞く、などなど)。当初数字が分からずに何度か苦労しました。フランスの数字は20進法が混ざっているらしく、頭で考えてもピンとこないので、街に出てしゃべって耳と口に叩き込んだ方が早かったです。

英語

いります。授業はすべて英語なので当たり前ですが。
HEC Parisに入学する時点でIELTS7以上なので、授業についていくのはあまり問題ないと思うのですが、私の場合は留学経験がなかったので、日常の会話の部分で苦労しています。

私の英語レベルと学習履歴、理解度合いはこんな感じです。

  • 英語レベル
    渡航直前のIELTSバンドスコア 7 
    (リスニング8、リーディング8、ライティング6、スピーキング6.5)

  • 学習履歴
    海外留学経験は2週間のみ(マンチェスターの語学学校に私費留学)
    会話経験は主に海外旅行時と京都大学GSMの英語授業での発言時とグループワークのみ。リスニングの強化のため、Ipadの読み上げ機能で大学院の英語のテキストを耳で聞きながら黙読する、BBCのニュース英語を聞く、など。
    リーディングに関しては、SNS、DMで日常的に英語を読むほか、英語サイトでも情報収集。大学院の授業で1年間大量の英語テキスト・ケーススタディ・論文を読み込む。
    英語を書く機会は、大学院での英語レポート、大学院のクラスメートとのSNSのやり取りなど。

  • 授業の理解度
    8割程度。経営学専攻で、大学院にも通っている為、予備知識もあり、授業のスライドに助けられておおよそ理解に困ることはない。質問や意見がある際の発言も問題なし。とっさに大学院レベルの単語で発言はできないので多少回りくどい表現になってしまうものの、意思疎通には全く問題ない。ただし、予備知識がない、統計学のスプレッドシートに関する口頭説明では、単語が理解できず、なんのことかわからなった。また、たまに、「sublimate(昇華する)」などの知らない単語が解説のキーワードになっていると、トピックを見失うことがあった。また、授業中にエピソードトークに発展して、スライドと関係のない話題で砕けた英語になってくると、だんだん話がつかめなくなる。

  • 日常会話の理解度
    2割程度。自分に向かって直接話しかけられない限り、周りの会話は頭に入ってこない。アメリカ人のクラスメートに至っては、直接話しかけられても全く理解できない。グループワークのディスカッションも、口頭だけのやり取りになると理解できなくなる。一方、グループチャットの文字のやり取りは全く問題なく、チャットで議論しているときは、自然にディスカッションに参加することができる。

書き言葉の英語ばかり勉強して、口語体の英語を全く学んでいないので、いわゆるお堅い会話しかできない。実際、パリで引き合わせていただいたとある国際機関のイタリア人とは全く問題なく社会情勢に関する会話ができるのに、クラスメートに話しかけられた英語は、何を言っているのかさっぱりわからない、という状態。

やり過ごし方

日常会話ができない状況でどうしているかというと、どうしょうもないです。自分が日常のコミュニケーションとしての英語をほぼ知らない、ということに今まで気づいておらず、あまりの会話のできなさに自分でも驚きました。(+_+)
正確に言うと、情報伝達としての英語は使えるので、伝えるべき内容は何でも伝えられるのですが、人と人とのコミュニケーションとしての英語を全く知らないので、相手の話す親しみを込めた表現が分からず、会話のノリについて行ったり、輪に入ったりというのが全くできない。さらに、生活英語を知らないので、「detergent(液体洗剤)」などの、誰でも知っている単語がさっぱりわからない。
当初は、授業で普通に発言して、チャットでケーススタディの議論に混ざってくる私が、教室でのみんなの会話を理解できてない、ということが周りには理解できない、という不思議な状況だったのですが、聞き返したり、「英語のコミュニティに入るの始めてで、聞き取れなくてごめんねー。」と、ことあるごとに言っていると、1か月もすると、「この人どうやら英語の会話があまりわからないらしい」ということが認知され、ざっくりいうと、20代後半の若者でいっぱいの教室の中に、一人80歳のおばあちゃんが混ざってるような状態になっています。挨拶もするし、簡単な会話もかわすし、私が話しかけたら聞いて対応してくれる。若者たちが盛り上がっているときは、おばあちゃん(=私)は何の話かよくわからないけれど、楽しそうで何よりと、ニコニコしている。若者たちが私に話しかける必要があるときは、気持ちゆっくり目でスラング少なめのわかりやすい英語で話しかけてくれる、というような。

それでも2か月もたつと、ノンネイティブ同士の会話なら、周りの会話もなんとなく聞き取れるようになってきて、周りの会話に混ざる機会も増えました。会話の理解度がこの程度でも、みんなオープンマインドで気にしないので、毎日お弁当組とカフェテリアで一緒にご飯食べたり、タイの友人と旅行に言ったり、スペインの友人のところに遊びに行ったり、中国の友人とよく一緒に帰ったりと、楽しい学生生活を過ごせています。

そんなわけで、フランス語が全くできず、英会話に自信がなくても全く問題ないですが、もし余裕があるなら、留学経験のない方は日常会話に慣れておくとより、HECライフを楽しめると思います。

ご参考になれば幸いです。

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