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【HEC Paris 留学編 6】カリキュラム②Marketing Specialization

交換留学で参加した、Strategic Marketingプログラムについてご紹介します。

クラスの雰囲気

クラスは全体で25名弱。女性が過半数、約7割程度でした。5大陸から生徒が参加しており、国籍はバラバラ。アメリカからの交換留学生の参加が多かったので、アメリカからの生徒が一番多かったです。本科生と交換留学生の間の壁のようなものは全くなく、むしろ留学生の方が積極的に発言していました。
全体として、にぎやかで明るく、先生との距離も近い和気あいあいとした雰囲気です。

先生はインタラクティブで、肩の力が抜けた自然体な感じで、煮詰まりすぎることなく、部屋全体として居心地がよい空間でした。

Strategic Marketingのカリキュラム構成

Strategic Marketing、通称、Marketing Specializationは、7つのコースで構成されています。各コースの簡単な内容も併せてご紹介します。

Advanced Marketing Strategy in a Deconsuming World

marketing specializationのメインコースで、1.5h×18コマ設定されています。これ以外のコースは、全て1.5h×12コマです。

担当してくれたAnne-Laureの授業は、エネルギッシュで、エビデンスベースドでかつクリエイティブ。初日の授業では、「マーケティングはある意味ガット・フィーリングだ。本プログラムを通じて、あなた方は様々な視点からマーケティングの本質に迫り、マーケティングとは何かを体得することになる」という説明があり、実際にその通りでした。彼女の言葉には何度もハッとさせられましたが、「マーケティングはある意味アートだが、方向性のあるクリエイティビティ(Guided Creativity)だ。」という言葉は今も強く記憶に残っています。マーケティング初学者にとっても、仕事で悶々と格闘したことがある実務家にとっても、得るものの多い良いコースでした。

これまで、コトラーやマーケティング関連の実務書を複数読んだものの、現在のマーケティング知識を統合的に整理する機会に恵まれなかったのですが、この授業のおかけで自分のマーケティング知識と経験の見取り図を得ることができました。
Anne-Laure Sellier教授には感謝と憧れの気持ちでいっぱいです。

Behavioral Science

ダニエル・カーネマンのプロスペクト理論等、人間の意思決定に影響を与える様々なバイアスを学びます。京都大学のGSMでも心理学出身の関口教授の組織行動論を受講していたので、知識としてはほぼ復習状態でした。日本にいてもフランスにいても同じ水準の授業が受けられる現代の学習環境ってすごいな、と妙に感動してしまいました。

Branding

主にマス広告の好事例を見たり、ラグジュアリー・メゾンのディレクターの講演を聞いたり、フランスのラグジュアリー・フードブランドに対してブランディングに関する提案をプレゼンテーションしたり、と、体験・ワーク重視の授業です。誰もが知る、フランスのラグジュアリー・メゾンので創業家とも密接に仕事をしているような方から、内部の雰囲気を直接聞く、というのはフランスならではの体験で、とても印象に残りました。

Consumer intelligence

ロレアルでResearch Chairを務めたYangjie Gu教授による、マーケティングリサーチの授業です。この授業が最も実務的な内容でした。エスノグラフィやグループインタビュー、アンケート作成、回答データ収集、回帰分析、ABテストといったマーケティングリサーチの構成要素が、どのような順番で、何のために行われているのか、といった知識の整理と、実際のアンケート作成から分析・プレゼンテーション迄すべて教えてくださいます。12コマですべてを体験するのは相当にキツく、さらに週4-5日×6時間/日というMBAらしからぬスケジューリングで、佳境にはクラス全員放心状態でしたが、とても勉強になりました。
「Are you with me?」と、常にクラスににこやかに語り掛け、なんとかゴールまで全員を導こうと熱心に指導してくださったYanjie Gu教授に感謝です!

Strategic Pricing Management

価格設定の基本的な考え方と、実践の際の具体的な分析方法まで体系的に学べます。コンジョイント分析や回帰分析は、実際にデータが配布されて分析を体験することもでき、実践的です。後半では、価格差別の方法や、「●●.99€」のような様々な価格設定のテクニックに効果があるのかに関する研究データなど、すぐに役立つ知識も得られて、充実した授業でした。

担当してくれたのは、やさしいおじいちゃま先生のMarc Vanhuele教授。ある日、私がスーパーで買ってきてみんなに配っていたクレモンティン(ミカンとオレンジの交雑種)を見て、クレモンティンの由来とマンダリンとの違いについて語ってくれたのは良い思い出です。そして、「これは、マンダリンではなくクレモンティンというんだよ。」というおじいちゃん先生の話が終わったそばから、「でも私にとってはこれはマンダリンなのよ。」「私にはタンジェリーン♪」、と、人の言うことを全く聞いていないクラスメートの女子達の自由さもまた、良い思い出です。

Digital Marketing & Online Business Development

ペルソナを想定して、SNSのアカウント作成とクリエイティブ作成、発信、広告設計、DM作成まですべて各自で行います。
具体的な商品やサービスを想定せずに進むので、インフルエンサーになる練習、みたいな内容になっていましたが、ペルソナ設計をかなり掘り下げて行った点と、クリエイティブ作成に使える無料ツールを具体的に複数紹介され点、さらに、それらのアプリを使って実際に画像や動画編集を体験できたことは、今後の財産になりました。

Data Analytics and AI

AIとは何か?教師あり学習と教師なし学習の違い、といった一般的なトピックの解説に加えて、Chat GPTをマーケティングに活用する場面の提案と具体的なPromptの入力文の提案まであります。AIの解説だけでいうと、GSMでも情報工学の教授と実務家による超ハイレベルな授業があり、そちらの内容の方が情報量としてはかなり濃かったです。GSMの授業ではベイズ定理やアルファベットだらけの数式、グラフが次々解説されて、数学の予備知識のない受講生は完全に理解するのは到底無理な内容でしたが、要するにこれらのプログラムがどう動いているか、という勘所はしっかりと抑えることができました。HECの授業の方は、内部のプログラムの話には立ち入らず、もう少しさらっとわかりやすい表現で全体を解説していました。

このコースでは、個人の自主学習としてData Campというプログラムの受講が義務付けられていました。こちらの内容は(数式は登場しないもの)かなり詳しくビデオで学んでクイズ形式の問題に答えて理解を深めるプログラムになっていて、理解が深まりました。


以上、HEC parisへの留学・交換留学を検討する方々のご参考になれば幸いです。


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