見出し画像

【社外秘】Criacaoキャリア事業部研修(転職の面接対策編)


各位

簡単にではありますが、中途紹介における面接対策のポイントを簡単にまとめてみました。大前提としてここに記載してあることが全てではありません。恥ずかしながら自分の構造理解力・表現力以上のものを文面に落とし込むことはできません。感覚値でやっていることも多いのだなと文面化して改めて実感しています。わかりにくい部分もあると思うので、その際はLINEにてご指摘ください。



面接対策はレイヤーによって対策が異なるので、今回はミドルレイヤーに絞り込んでみようと思います。イメージとしては年収450~650万円ぐらいだと思ってください。
※SNSなどで流れている面接対策情報を鵜呑みにするのは危険です。個人的な感覚値としてはSNSに流れているほとんどの情報がローレイヤーにのみ有効な手段ばかりになっています(それはそれで正しいのかも、、、)

レイヤー


そもそも面接対策とは何か

そもそも面接対策とは何かについて概念的な部分から説明させて下さい。当たり前の事ではあるが就活も転職も、需要と供給をマッチさせることが必要不可欠である。

面接対策とは

よく使われるWILL、CAN、MUSTという視点を上記の図に入れるなら、WILL・MUSTが可能性であり、CANが実績である。これをもう少しわかりやすく表現すると下記のグラフになる。

プレゼンテーション11

青い線が企業が募集職種に対して求める基準だと考えてほしい。(線は年齢によって期待値が異なる)面接とはこの基準に対して求職者がバーを越えているのか、超えてないのかを判断する行為である。

今回の図だと、求職者のCANは企業が求める水準にないため不採用となる。これは面接対策の問題ではなく、求人の選定ミスだ。

面接対策とは青い基準バーを越えている人材であるにも関わらず、表現力が不足していて落ちてしまうケースを防ぐために必要な行為である。これは企業様にとっても機械損出となってしまうので、しっかりと対策するべきである。また絶対評価の基準値を超えていても、相対評価で落ちてしまうケースがある。今回の採用が2名だとして、仮にバーを越えた人材が10名応募してきた場合はその中での競争になるわけだ。


前職のCANがそのまま評価されるわけではない
求職者の理屈としては過去の実績を評価してほしいという気持ちはあるだろうが、実際のところ評価は難しい。転職には前職の給与を考慮するという謎の仕組みがあるが、これに頼りすぎたエージェントは企業に負担を押し付けているだけなので気を付けてほしい。2つの視点で考えてみよう。


①能力の再現性問題
再現性が高い人材とは同業・同職種であることが基本。
※業界で動いているお金の量・シェア率・従業員配分率によって異なるケースはあるので、再現性だけが全てでない。

同業同職種


企業は常に即戦力を求めているが、基本的に即戦力とは業界リテラシー・保有するチャネル・職種理解(知識・経験)・職種適性(実績)の4つで考えればよいだろう。

同業

どうしょく


②時間軸の再現性問題
仮に求職者が実績があったとしても、即効性のある再現をすることはできないと思ったほうが良い。求職者が在籍する期間でが構築した社内の信用、社外の信用があったからこそ今の結果である。その結果にたどり着くまでに「かかった期間」を確認するべきだ。その上で求職者がどれだけ自分の仕事を言語化できているかによって、かかった期間の短縮度が変わっていく。仮に言語化できても、「若い時に勢いがあってできたこと」である場合は、本当にそれがもう一度再現可能な状態なのかも含めて確認するべきである。

プレゼンテーション1


もちろんスタンス論を軽視しているわけではない。どれだけ能力(テクニカルスキル)が高くても、スタンスがズレていれば長期的に見てミスマッチとなる可能性は十分ある。

画像19



少し角度を変えて面接対策の解像度を高めてみよう。面接対策前の状態と、対策後の状態を図にしてみた。こちらのほうがイメージしやすいのではないだろうか。

スペック

SPECの対策
これは非常にシンプルな考え方で、自分が保有している100の能力をどの程度まで面接で表現できるようになるかである。そもそも面接は30分~1時間程度なので100を表現することはできない。限られた時間の中で、実績・経験・能力を表現できるかを整理する作業である。


ENGERYの対策
情熱は松岡修造さんのような真っ赤な炎もあれば、イチローさんのような青い炎もある。熱量があることはとても大事だが、目の前の仕事が「やりたい」に対して情熱があるのか、「やりきる」に対して情熱があるのかはとても重要な視点だと思う。情熱とは思いの強さではなく、行動で測るものであり、行動によって増幅されるものなので。

仕事に対して十分なSPECがあり、EFFICIENCY(効率的)、EFFECTIVENESS(効果的)が見えている場合はENERGYがなくても良い。あとは倫理観があるかどうかと、企業文化との相性問題である。


EFFICIENCYの対策
図の中ではEFFICIENCYとのみ記載したが、正しくはEFFICIENCY(効率的)かつEFFECTIVENESS(効果的)の両方が大事だ。イメージしづらいと思うが、要は仕事をどこまで理解していて、努力(時間)をどのように配分すれば結果に繋がるかが見えているかどうかである。これは論理的・哲学的・経験値の3つの視点があると考える。



同業同職種の転職活動はEFFIENCY、EFFECTIVENESSな努力の方向性が実績の出ている人ほど明確であり、再現性が高いのでそのまま評価されやすい。一方でそうでないケースの転職活動においては、エージェントの企業理解度がそのまま面接対策力へと直結する。



面接対策は企業を理解することからはじまる

面接対策で重要なことは企業を理解することからスタートすることである。この「企業を理解する」という行為をどこまで細分化して落とし込めるかが重要になってくる。

エージェントの中には面接で聞かれた質問・ジャッジポイントだけをデータベースの中に記録して対策する人もいるが、それは表面的な対策だけにしかならない。私が人事なら、そんな無駄な対策をするぐらいなら何も手を付けない状態で紹介してほしいと思うだろう。

相手の経営を理解する努力をし、貢献するための対策をしてほしい。

全体図



なぜ企業を理解することが大事なのか

これは私が20代の若手に特化して支援しているから思うことかもしれないが、面接対策は入社後の活躍確率を高めることが目的語だと考える。だからこそ目の前の求職者がどんな強み・経験を保有していて、それが次の仕事のどんな場面で活かされるのか? 1年目でつまづく可能性があるのはどんな点か? それをどのように克服するか? を一緒に考えることで入社後のスタートダッシュを成功させる。相手が晩成型のタイプだったとしても関係ない。晩成タイプなりにスタートダッシュを成功させてあげることが大事だと考えている。

スタートダッシュに失敗しても成功する人はいる。それでも最初のスモールステップをクリアさせてスタートダッシュを成功させる事には大きなメリットがある。人間が大きな可能性を信じるためには、目の前の小さな成功の積み重ねが必要不可欠である。成功は積みすぎると毒になるが、メンタルを維持するために一定積み重ねておいたほうがいい。

このスタートダッシュを成功させるには、面接対策をする私たちの企業理解度が重要となってくる。


企業理解はすぐに高まらない

大前提としてこれを読んで明日から企業を十分なレベルで理解できるようになることはない。これを書いている私も完ぺきからは程遠く毎日が勉強である。結局どれだけ企業を理解するための勉強をしてきたか(経営の基礎知識・ケーススタディー)、様々な業界・立場・職種の人と出会ったか、あなた自身が仕事と向き合ったかが重要である。

企業理解を深めるためには積み重ねが大事だ。


生産性の向上 and 思想の実現

生産性の向上を「スタンス論」だけで片づけてしまう人が業界には多いが、ミドルレイヤーからは通用しなくなってくる。言い方は悪いが、気合と根性に年収500万円は支払えない。気合と根性は生産性向上のための手段の1つでしかないことを私たちは理解する必要がある。

思想の実現はシンプルに理念の理解度・共感度になり、同じ方向を向いて仕事ができるかどうかである。価値観のすり合わせになってくるのだが、人材会社はこの価値観のすり合わせが大好きだ。なぜなら価値観のすり合わせは「前提知識」を必要としないからだ。言い方は悪いが誰でも出来る。

全体図

生産性向上という視点で企業と向き合うためには、複数の視点から企業の経営を見ていく必要がある。色んな視点はあるが、最終的に自分がたどり着いたのはこの4つである。今回は飲食店をケースにして考えてみよう。


①収益構造

クライアント様の収益構造をある程度明確にしておくことは重要な視点になってきます。売上がどのように構成されて、何にコストがかかっているのかを最低限把握した上で人材の提案ができること。

画像9

求職者様の強みと、企業の生産性向上につながる仮説をつくる
・持ち前のフレンドリーさで、アルバイトの離職率を削減できれば求人広告費が削減できるかもしれない。
・管理能力が高いので、レジデータから売れ行き予測を立てて破棄率削減を実現できるかも。アルバイト・パートのシフト最適化が実現できるかも。
・てきぱきとしているので、回転率を高めて売上向上に繋がるかも。
・フレンドリーなので、ちょっとした提案で客単価向上できるかも。また顧客の来店頻度を高められるかもしれない。


②3C、4P視点

顧客のニーズとそれに対する自社・競合他社のアプローチ手法などを最低限理解する。その上でどのようにアプローチすると競合を圧倒できるのかのアイデアを考える。

画像10

プレゼンテーション1


③市場規模・シェア率・業界伸び率

現状の企業の立ち位置を明確にすること、業界の市場規模予測を理解しておくことは重要な視点になってくる。例えば市場規模が小さいのに、参入障壁が低くて企業数が多ければ消耗戦になるため働き方がきつくなるのは当然の原理である。(もちろんきつくてもやりがいを取る人もいるので、それは価値観の問題)。また外部環境を研究するためにPEST分析の視点も大いに役立つはずだ。

プレゼンテーション1


④バリューチェーン

これは価値が生み出されるまでの工程・工程数を理解するためのフレームです。企業単位・職種単位でバリューチェンを作成できると求職者様が何をするべきかが明確になるのでおススメです!

画像10

引用元:エコスラブログ
https://ecoslyme.com/framework-valuechain/



勉強方法について

最初は何が正しいのか自分自身もわかっていなかったので、求職者様と色んな視点で企業と向き合う事をしてきました。面接対策の情報量が莫大になりすぎてしまい私自身も、求職者様もパンクしてしまうような失敗も沢山ありました。まずは全部ではなく、1つづつテーマを決めて毎日挑戦してみてはどうでしょうか?



3つの手法

面接対策の手段は「引き出す」「まとめる」「引っ張る」という3つの要素に分解できます。この手法をクライアントに合わせて調整していくのが重要だと私自身は認識しています。

引き出す
求職者様の強み・経験を言語化するお手伝いをする

まとめる
引き出した情報の要点をまとめる。

引っ張る
理想と現実のギャップに存在する課題を明確にすること。または正しい課題へと導くこと。課題を克服するためのエネルギーを提供すること。

面接対策の概念



面接対策で効果的な施策

求職者の方に紙とペンを渡して、実際に企業のバリューチェーンの図を描いてもらいましょう。その上で自分はこのバリューチェンの中のどこに関わるのかを話してもらいましょう。

サンプル1


企業のバリューチェーンが明確になったら、次は自分が関わる職種のバリューチェーンを作ってもらいましょう。

プレゼンテーション1

その後に同じ業務の中で「違いを生み出す人」と「そうでない人」の違いは何かを一緒に考えてみる。違いを生み出すうえで現職で経験した事の中で活かせそうなことは何か? まだ経験していないけど学ぶべき点、改善するべき点はどこにあるのか?を明確にする。


まずはしっかりと足元を整えてあげた上で、戦略などの大きな視点へと目を向けてあげることが好ましいです。

頂いたサポートで良質な糖分補給をさせて頂きます。ありがとう!!