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「老人はなぜお金がないか」に出会った。

お金がないと言う言葉を、真に受けてはならない。

本当に貧困にあえぐ人たちもいるが、一般老人はなぜお金がないか。
貯金するからだ。年金をやりくりし、生活を切りつめ、「老後のために」と貯金するからだ。まったく、今が老後だろうが。『すぐ 死ぬんだから』内館牧子著・講談社刊より。で、この「今が老後だろうが」にワロタ)

私、実は昨日から箱根にお籠もりしています。
ええ、プチ湯治にきていますが、本当は元来そんなにお風呂は好きではありませんでした。そんな私が「なぜ温泉に来るのか?」というと、それはやはりガンになったことが大きく影響しています。

つまり温泉(湯船)につかって、少しでも体温を上げることで「免疫力をアップしたい」と言うのが、その主な理由です(あと家に一人でいても「食事に困る」と言うのもあります)。

ちなみに、前述したように私は過去ガンに罹患してますが、その時の平均体温はおそらく「35.3から35.8の間だった」と思います。ええ、いわゆる低体温だったわけです。

そのせいでしょうか、当時の部下からよく私の状態をさして「すでに死んでますね」と、本当だけど心無いセリフを浴びせかけられたりもしていました(あいつめ)。

でも今となっては、その言葉の意味もわからなくもありません。たしかにその当時の私は、日々の忙しさにかまけて全く健康に気を配らない。

それは例えば「野菜はほとんど食べない」、「フォアグラとか大好きで、そのせいで一度ならずとも二度までも救急車で大学病院に担ぎ込まれました」主に結石ができて酷くてといった塩梅です。

いわば「緩やかな自殺行為の日々」を送っていたと言えます、もちろん無意識にですが……。そんな私がある日突然ガンになって、慌てて色々調べた結果とある放射線治療を受けることに。

で、たまたまその治療施設に併設されている宿泊施設には、とてもいい温泉があったことから、次第に「温泉ファンになった」と言うのが事の顛末です。

そんなわけで、久しぶりにひとり箱根に「なんちゃって湯治」に来ているのですが、そこでたくさんの雑誌(ごめんなさい、本ではなく「雑誌」です)を持ち込んで「勉強しているなう」なわけです(寝そべりながらですが)。

とは言っても少しだけ持ち込んだ本もあり、それがたまたま内館先生の本だったのですが、そこにはさらに次のような気になる文章もありました。

年を取れば、誰だって退化する。
鈍くなる。
緩くなる。
くどくなる。
愚痴になる。
淋しがる。
同情を引きたがる。
ケチになる。
どうせ「すぐ死ぬんだから」となる。
そのくせ、「好奇心が強くて生涯現役だ」と言いたがる。
身なりにかまわなくなる。
なのに「若い」と言われたがる。
孫自慢に、病気自慢に、元気自慢。
これが世の爺サン、婆サンの現実だ…。

さて「あなた」自身は、いくつこれらの症状に当てはまりましたか?

「いや自分、まだ爺さん、婆さんではないので……」と心の中で呟いた「あなた」、この際もっと正直に勘定してみてください。

さて、根っからの正直者の「わたし」の採点結果はと言うと「ほぼ満点」でした。「でもどうせすぐ死ぬんだから」気にしないことにします。(つづく)

◎ベストセラー『「クビ!」論。』で 1000人以上をクビにした経験を綴った著者。 その後、自らも幾度もの「クビ!」と転職を経験し、ついに定年に…… そして66歳、たどりついた境地とは!? 理想とはほど遠い年金支給額。人は定年を迎えた日から無価値になるのか!? 冷酷な現実を前に達した結論が、 「いっそ定年なんかしなければいいのだ。この先ずっと価値を提供し、 対価をもらい続ければいい、それも高く。でもどうしたら?」。 30代、40代のサラリーパーソンが 今後否応なく直面する「ジョブ型」雇用において、 考えておきたい「ジョブ型定年」と前後のライフプラン。 それまでに直面するであろう転職や給与、そして「クビ!」まで、 人事のプロである著者が余すところなく解説。 「ジョブ型」キャリアを「○金(まるきん)」で終わらせるための一冊です。ぜひお近くの書店でお手に取ってご覧ください。



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