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インフレってホントに来る?!

先週金曜日に、東京都区部の消費者物価指数(CPI、1月中旬速報値)が発表されました。生鮮食品を除く総合指数の伸び率が、前年同月比+1.6%とかなり低下しています(エネルギー・生鮮を除くと+3.1%)。確かに、政府の補助金によって電気代・ガス代が割引となっている効果により光熱・水道(CPI構成比5.6%)が▲18.4%下落している効果(一過性要因)はありますが、その他の要因もやや物価高の終了を感じさせる内容でした。

足元の変化が出やすい前月比で見ますと、教養娯楽▲0.19%、被服及び履物▲0.07%、家具・家事用品▲0.01%などが下落に転じています。被服や家事用品などが弱いのは、原材料費の海外市況が下落している影響かとも考えますが、教養娯楽のような人件費上昇が反映されやすい項目が下落に転じているのが気になります。当然単月の動きで判断は出来ませんが、景気悪化による消費の弱さが価格に影響し始めている予兆を感じます。

2022年以来のインフレの中身をCPIの10分類で見ると、家具・家事用品、食料、被服及び履物の値上がりは、ほとんどが①ドル建ての資源価格の上昇、②円安で説明が付きます。人件費上昇でインフレになった項目は、教養娯楽だけだと見ています。

総務省「消費者物価指数」より作成

今年の夏ごろには消費者物価は1%前後まで低下を予想していますが、案外早い段階で春のゼロ金利解除が難しい状況が明らかになるかもしれません。また、物価上昇のトレンドを妨げている一つが、政府による電気・ガスへの補助金ですので、物価上昇と生活保護の両方を追う政府の政策にも問題があると考えています。

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