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コロナの時代、「スポーツの価値」の輪郭を描く:『スポーツの価値再考』#000

2020年夏、『スラムダンク勝利学』の著者・辻秀一とラクロス協会理事・安西渉が、各界のゲストとともにスポーツと社会の関係を掘り下げていく全10回の対談。スポーツは本当に不要不急か――この問いから、「スポーツの価値再考」プロジェクトは始まりました。

プロフィール

辻秀一(つじ しゅういち)
スポーツドクター/スポーツコンセプター
北大医学部卒、慶應病院内科研修、慶大スポーツ医学研究センターを経て独立。志は「ご機嫌ジャパン」と「スポーツは文化と言えるNippon」づくり。テーマは「QOLのため」。専門は応用スポーツ心理学に基づくフロー理論とスポーツ文化論。クライアントはビジネス、スポーツ、教育、音楽界など老若男女の個人や組織。一般社団法人Di-Sports研究所代表理事。著書に「スラムダンク勝利学」「プレイライフ・プレイスポーツ」など、発行は累計70万冊。
・HP:スポーツドクター 辻 秀一 公式サイト
・YouTube:スポーツドクター辻秀一
・Instagram:@shuichi_tsuji
・Twitter:@sportsdrtsuji
安西渉(あんざい わたる)
一般社団法人日本ラクロス協会理事/CSO(最高戦略責任者)
資本主義に埋もれないスポーツの価値と役割を追求し、様々なマーケティングプランを実行。大学から始めたラクロスを社会人含めて15年間プレーし、現在は大学ラクロス部のGM/コーチを10年間務める。
1979年生まれ。東京大学文学部にて哲学を専攻。在学中の2002年よりIT&モバイル系の学生ベンチャーに加わり、2014年からITサービスの開発会社の副社長を務める。
・note:@wataru_anzai
・Instagram:@wats009 

コロナの時代、「スポーツの価値」の輪郭を描く

辻:僕たちが初めて出会ったのは、安西が学生の時だよね。

安西:そうですね。僕が大学1年生の時に、『スラムダンク勝利学』を基にしたスポーツメンタルの講座を開いてもらった時です。

辻:懐かしいね。今は何をしているの?

安西:日本ラクロス協会のCSO(最高戦略責任者)をしています。学生の時からITの世界に飛び込み、2009年からはIT系企業の経営をしていたのですが、40歳を機に生き方をがらっと変えてみようと思い、ラクロスの未来をつくる仕事を始めました。

辻:大胆だけどすごく面白そうな人生だね、安西らしいというか。
今回「スポーツの価値再考」プロジェクトの話を安西からもらったときすごく嬉しかったんだけど、何かきっかけがあったの?

安西:一番のきっかけは、このコロナの状況下で「スポーツは不要不急のもの」とされていることへの違和感です。スポーツを人生の一部と考えている僕らは、本当にそうなのか見つめ直す必要があると思ったんです。
僕はそもそも「スポーツは、価値が無いことに価値がある」と考えているんですね。サッカーのボールをゴールに入れるとか、ラクロスのシュートを速くするとか、そういった行為に経済的合理性はないです。でも、「無駄」なことに全力で取り組むことが素晴らしいなと感じていて。人間も、生まれた時点では「生きる意味」なんて与えられていないけど、生きていく中で自分が生きる意味が定まってくるという点で同じかなと思います。

辻:僕は20年前からスポーツの価値について考えているけど、コロナは改めてスポーツの価値を考え直す良いきっかけになるかもしれないね。

安西:今回のプロジェクトは決して「スポーツの価値はこれだ」と結論付けることが目的ではないんですよね。ビジネス、健康、教育など、様々な文脈の中でスポーツと社会の接点について語ることで、スポーツの価値の輪郭のようなものが見えたら良いなと思っています。

辻:各界のスポーツに携わる10人の方々との対談を通して、スポーツの価値を多面的に捉えていきたいね。

安西:このプロジェクトを通じて、具体的には社会における「スポーツ」の捉え方を伝え、考えるきっかけを生みたいです。
スポーツって、第一義はやはり勝利を追求することのはずで、決して人間的に成長するためにやるものではありません。それどころか、人間的に成長することを目標にしたらスポーツは一気につまらなくなります。
このプロジェクトによって、学生の部活動だけでなく、プロスポーツの世界においても、「スポーツの価値」を認識した上で勝利をひたむきに追い求める人が増えたら嬉しく思います

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