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プロシーンのSunset攻略②-2:サンセットのミッドは攻撃側圧倒的有利、それでも防衛側が戦える理由とは?

「マップの構造」から検討するサンセット、2番目の記事となる。midとBの両方を紹介する予定だったが、こちらも長くなったためmidのみとなってしまった。

過去記事①:Sunsetは守りマップである
過去記事②:サンセットは開幕のAメイン争奪戦が最重要

基本的に攻め側がmidを確保できる

サンセットにおいて、mid(中央コートヤード)は基本的に攻め側が主導権を握る。その理由は以下の通り。

  • 攻め・守りどちらでも3人以上がエリア確保に必要で、守り側のリスクが大きい

  • 攻め側のほうがスキルを入れやすい

midのエリアを取ろうとするとき、攻め側は中央topに、守り側は中央bottomにスモークを炊くこととなる。そのうえでお互いに中央top(中央bottom)、midタイル(Bマーケット)からの射線を警戒しつつ、スキルを入れる必要がある。基本的に、武器を構えておく2名とスキルを入れる1名という構図になるのだ。

また攻め側がmidタイルから壁の隙間なども使ってスキルを入れられるのに対し、Bマーケットからできる行動はかなり限られる。壁の高さを比較しても、攻め側のほうは自由度が高い。

守り側にとって、midに3人を投入するのはリスクが高い。BならまだしもAラッシュを仕掛けられた場合、スキルを浪費しただけという最悪の展開になってしまう。

そのため試合を見ていると、攻め側は中央topにスモークを炊き、bottomからのプラウラーorホウントのみでmid全体を確保することが多くなっている。

例外:守り側にチェンバーがいるケース

チェンバーの利点は、防衛時に単独でmidに圧を加えられることにある。危険を感じればランデヴー(E)で戻れば良い。

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主にEDGが使用していたものになる。2番目については(適当にオーメンを置いたが)味方がタイル側をチェックし、チェンバーがbottom側を見る体制となる。このポジション(箱裏でも可)に入るケースはたまに見るが、TPが無い場合はスキルを入れられてキルを取れないことが多い。

チェンバーは使用選手の性能に依存するため評価が難しいものの、オペレーターが当たるならアリだとは思う。ZmjjKK選手はRA戦で守り12本全取得、ACS490超えという恐ろしいスコアを叩き出していた。ただサイファーのほうが無難な選択肢だろう。

守り側がmidを明け渡しても良い理由

多くのマップにおいて、midを取られた場合守り側は非常に厳しい。しかしサンセットに関しては明け渡しても十分戦うことができる。理由は以下の通り。

守り側は「AとBどちらに来るか分からない」という状況にならない

アセントやブリーズなどの2サイトマップにおいて、攻め側がmidを確保する効果は大きい。守り側はmid経由でサイトに入る可能性を考慮する必要があり、AB両方のメインに加え背後にもリスクを負うことになる。

しかしサンセットにおいては、midを抑えてもAの危険性がそこまで変化しない。(いわゆる"Aショート"が存在しない) これが大きな違いである。

つまり、midを取られたならば「裏抜け」と「マーケットからのB流れ」という2つを警戒すればいいのだ。先述した通り、攻撃側がmidを進行する際は3人以上いることが多い。A,Bのメインから人数をかけられるというリスクも高くない。

前回記事で、私は1.5人でAを守る方針がこのマップにおいて大切だと述べた。その作戦を採れば、AからB,中央topへ2名を移動させている間に、相手のmid進行が判明する。

攻め側が早めB挟みを目指した際のあるある状況

攻撃側のスモーク秒数はかなりシビア

③の前提となる話だが、攻撃側は1コントローラー構成の場合スモーク不足に苦しむことが多い。

上画像のようにB挟みを目指した場合、開幕に中央topからの射線を防ぐスモークを炊くことになる。このモクが持続する15秒の間にマーケットを取り切らなければ、背後(top)からの射線が非常に危険になってしまうのだ。

15秒の間にmid進行を済ませ、ワイヤーを破壊し、スキルを入れ、マーケット箱裏にいる敵を倒すところまで進めることができるか?この成否に、サンセットにおいて攻めでラウンドを取得できるかどうかがかかっている。うまくいかず再度スモークを炊く場合、サイトスモークを1つ炊くのが精一杯となってしまい、相手も寄ってきている。失敗と言っていい。

同様のことは中央top抜けにも言える。こちらはマーケットにスモークを炊くことになるが、15秒以内に片をつけなければ背後を取られてしまう。

攻撃側はマーケット突破、中央mid抜けが両方とも難しい

midを取れたとしてもスモークの時間制限があり、AとBのどちらに行っても突破の難易度は高い。敵が潜んでいる可能性のあるポイントが多すぎるのだ。

mid→market抜けの場合
mid→中央top→A抜けの場合
mid→中央top→B抜けの場合

敵がいる可能性のあるポジション全てにスキルを入れるのは現実的ではない。そもそも中央top抜けの場合、進行方向(AorB)の反対側にスモークを入れたとしても抜かれてしまう危険がある。

4人以上midに送り込んだ場合、逆にメインをpushされて包囲される可能性も否定できない。今回サンセットを12試合ほど見たが、中央topを突破して裏からサイトを目指す展開はほとんど見なかった。ドライでの撃ち合いを余儀なくされるため、"作戦"とは言い難いだろう。

長くなってしまったが、上記①-③の理由より防衛側はmidの主導権を相手に渡してよいと考える。

攻撃側がBマーケットを確保する方法

難易度が高かったとしても、攻撃側はマーケットを確保してB挟みを成功させなければならない。そのために重要なのがブリーチである。

フラッシュ入れられるのは驚いた

ブリーチというエージェントは、なんとBメインから全てのスキルをマーケットに投入することができる。スキル数不足に陥りやすいこのマップにおいて、これほど頼もしい味方はいない。Aの②ポジション(前回記事参照)を確保できるのとマーケットにスキルを入れられる点、この2つがブリーチ採用の最大の強みと言ってもいい。

あくまで一例だが、以下のような展開ができれば理想的である。

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マーケットのワイヤーを破壊し、プラウラーを入れ、箱裏にブリーチスタンを入れてサイファーをキル。マーケットからタピオカに通じるルートにはサイファーのサイバーケージ(Q)を置いて相手の射線を寸断。同時にBメインにフラッシュを入れて確保し、B挟みが完成。

攻めでもサイファーの貢献度は高い。サイバーケージの代わりにオーメンのスモークを使うと、サイト入る際のタピオカスモークが炊けなくなる。攻めでも守りでもスモーク管理が厳しい(もちろん1コン限定だが)このマップにおいて、果たせる役割は非常に大きい。

防衛側がBマーケットを守る方法

では、防衛側がマーケットを守るにはどうすればいいのか。先述した通り、スモークが切れる15秒を稼ぐという視点に立てば、方法はいくつかある。

ブリーチはやっぱり強い

フォールトラインの射程は長い。早いB挟みという報告を受けてAからBへ向かう最中でも、スタンで援護することができる。

ワンウェイケージ。定点は2つ先の記事で公開予定
オーメンのみ使用できるワンウェイ。これも大きな魅力。

ワンウェイはやはりここでも強い。そもそもサイファーではなくレイズをマーケットに置けば、グレネードを返すこともできる。構成によっていくらでもやりようはあるだろう。

なおそもそもの話になるが、守り側がマーケットから中央タイルにARで射線を置くのは避けたほうが良さそうだ。タイルには段差があるうえ、コートヤードからスキルを入れられるリスクもある。ARならばチラ見、オペレーターがあるならばタイルと勝負するのがベターな選択肢に思う。

守り側は中央Topをどう管理すべきか

先ほど、「攻撃側が中央topを突破して裏からプラントを狙うシーンはほぼなかった」と述べた。それでは、防衛側はここを一切見なくていいのだろうか?

答えはもちろんNOである。攻撃側がスキルを投入してラーク役を残す場合に加え、フェイクで侵入を匂わせるケースもある。

よくあるラークポジション

そのため、サイファー構成では中央top警戒のワイヤー・カメラを設置することもある。マーケットもしくはメインに張れないため、少し勿体ないとは思うが仕方がない。

便宜上カメラとワイヤーの両方を使っているが、片方でいい
SENはかなりディフェンシブなカメラも使っていた

基本的にはワイヤーが破壊されたらA,Bから1人ずつ寄ってきて、midを見ることが多い。その際前回記事で述べたようにAを一人で抑えることができれば、A1人、mid2人、B2人となりバランスが取れている。

キルジョイ構成のG2はここに置いたが…なんだか虚しい

キルジョイはアラームボット(Q)、タレット(E)と2か所しかチェックできない。マーケットの遅延に向いているのではと書いていて思ったのだが、Bメイン、中央topと合計3か所見なければならないこのマップには向いていない。

では何もスキルを置かず、体でチェックする場合はどうするべきか。これが防衛側にとって一つの課題である。あまりにもディフェンシブすぎるポジションで、ほとんどのエージェントは味方のためにスキルを入れられない。

中央topを抑えつつ、場合によってはAリンクから味方をカバーし、マップ全体に関与できるエージェント。サンセットとの相性も含めると、ブリーチ・ヴァイパー・アストラになるだろう。先ほど中央topからマーケットにスタンを入れられると述べたが、ここでもブリーチの適性の高さが伺える。

補論:防衛側がマーケットのシャッターを閉めると何が起きるか

開幕にマーケットのシャッターを閉める試みはランクでもそれなりに行われ、プロシーンでも散見される。このとき何が起こるのか?最後に考えてみたい。

今回の記事では「攻め側がmidの主導権を握れるが、相手の射線が2か所通ることもあり3人以上midに向ける必要がある」という趣旨のことを述べた。このうち、マーケットからの射線が無くなることになる。

すると、攻撃側は中央topにスモークを炊き、少人数でmidを進行することが可能になる。場合によってはラーカーのみだろう。守り側はシャッターを閉めるとマーケットの守りを緩くでき、おそらく中央topにワイヤーを回す。

攻撃側もマーケットにスキルを向ける必要がなく、人数をかけてA,Bを裏から攻める作戦の実現可能性は上がる。場合によっては中央topにスモークを炊かないドライ進行もあるだろう。ワイヤーだけ切ってラーカーを残すという選択肢も容易になる。当然だが、"中央topへの負荷が高まる"ことになる。

一方で、シャッター音に気づかれない場合はメリットが大きい。マーケットを一切見る必要がなく、ローテートも容易になる。もう1本ワイヤーが増えたと解釈しても良い。

ただ攻撃側の視点では、シャッターが閉まったうえでマーケットにスキル・人が残っている可能性は低いと見えないか。むしろ早々にシャッターを壊すことで、マーケットの確保は容易になると考えられる。

よって私の考えでは、"気づかれると弱いギャンブルプレイ"という結論である。守り側には「中央topからの人数をかけたフラッシュカウンター」という選択肢も生まれるが、そこに至るシーンを競技でまだ見たことがないため、何とも言いようがない。

続き→サンセットのBサイトは"縦"のスキルを意識せよ


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