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ランボー・ラストブラッドは刻命館だった。

公開日に観に行ってきまして。

あ、途中ネタバレが入りますので、気になる方はご注意をば。

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 さすがはランボー。相変わらず乱暴です…すいませんつまんなくて。


あらすじとしては、公式サイトや予告編の内容内だと、友人とその娘と、家族同然に暮らすランボー。しかし娘がメキシコの人身売買カルテルにとらわれ、ようやく手に入れた家族と幸福を壊され、取り戻すために怒り狂う……。PTSDに変わらず悩まされ、まさしく「一人ぼっちの戦争」を繰り返すかのように牧場地下に地下壕を掘り、武器を作っているランボーなどは、1を思い出します。という感じでしょうか?

何でしょう……面白かったですよ。敵も嫌というほど悪党に描かれていましたし、面白かったんですが……

「ランボーに喧嘩を売るには相手が小物過ぎる」

基本的には警察等訓練された方々や、もっと言えばヘリを弓で撃墜し、戦車に馬で走りこんだり、軍隊と大体一人で戦ってきた。なんでもかんでもボッコボコにしてきた。

それがジョン・ランボーです。

ファンはとっくに知っているのです。

「こいつは多分、核兵器でも死なない」

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国でハリソン・フォードは冷蔵庫に入り核爆発から身を守りました。ゴジラは吸って巨大化します。トゥルーライズのアーノルド・シュワルツェネッガーは目隠しすれば一切被爆しません。

とすればシルヴェスター・スタローンのランボーは……

「ヴェアアアアアオオオオオオオ!」と叫びながら飛んでくる核ミサイルの信管的な弱点的な何かを華麗に弓で打ち抜き、残骸の落下地点ギリギリを馬ですり抜け、何事もなかったかのように次の敵に矢を射るのです。

それが主にランボー(2~3)のジョン・ランボーです。4のランボーも多分いける。

そして今作は美しいまでのブービートラッパー。

作中、築いた地下迷宮に敵を誘い込む場面があるのですが、これでもかとトラップを仕掛け、それにかかったやつに追い打ちまでかましコロス。トラップを仕掛けながら自分でも積極的に攻撃に打って出る様、これは完璧なまでの刻命館ではないでしょうか。

自分を倒しに来た勇者や、賞金稼ぎをこれでもかと雷神王の手で高速連打し握りつぶしまくったあの日々が記憶をよぎります。

そう、ランボーとは刻命館の彼だったのです。嘘です。

個人的に一番好きなのは子供の頃は2~3、今は1が好きです。ですので、今作ラストブラッドは1を想起させる内容ではあるんですが、4の続編ですし、1のランボーの悲しさや辛さとはベクトルが違うので、場面場面で雰囲気はあるんですが、やっぱり違う部分は大きいかなと。

そもそもランボーは1とそれ以降少々風合いは違うとはいえ、どっちも含めてランボーなので、どんなストーリーでもいいんですが、彼がいう所の悪をメッタメタにすれば。

1は「ベトナム戦争で辛い経験をした帰還兵が、本土に戻ってきたら警備員の仕事にすら就けない、戦場では仲間が沢山いたのに、本土では誰も力になってくれる人はおらず、罵声を浴びせられる」という最後のランボーが小さく丸まって泣き叫ぶシーンは作品の全てを表している。後のシリーズと比べて別ベクトルの重さ。

2以降はなんとなく爽快で、こっちが正解じゃない?という流れでなんとなくヒーロー物に。ファミコンのゲームになってもなんかバカスカ敵を倒しまくり、やっぱりヘリを単独で落とす。これはこれでアクションヒーロー物として楽しく、子供の頃の僕には大ウケ。

今作はPTSDに変わらず悩まされる中、ようやく手に入れた幸せを守ろうとしていたのに、やはり戦いに身を投じなくてはならない、という、ちょっと怒りの脱出的な流れじゃないでしょうか。それを強引に1と結びつける演出でどうにかしているというか。だとすれば娘の役割を変えて、2と対局にしたほうが僕個人としてはすっきり出来たのかも、などと少々。

そういうのを色々詰め込もうとして、今作が生まれたのではないでしょうか。そういう大変さがにじみ出ているようには思います。

あ。メキシコが勘違いしそうな位怖いんですが、あれはどうなんでしょう(笑)演技もうますぎて本気で怖いです。

あとエンドロールがチョットずるいというか、卑怯、あれを持ってくるなら、より内容を1に寄せてもよかったのではないかしら。

ランボーシリーズを観てきた人なら、やはり最後のラストブラッドも観ておいていいのではないかーと。

結局のところ、ランボーシリーズは大体どれも好きなので、後半のランボーの、4からの残虐アクションは見ものですし、彼の怒りを最大限表現しているのですが。なによりやはり往年のメガスター、シルヴェスター・スタローン。「50年間興行収入1位に輝き続けた男」の魅力は、彼が作品に出ているというだけで、ある意味成立するのです。

やはりファンは観ておくべき、それがラストブラッド。




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