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犬と(その6)

ワクチンが亡くなってから、すっかり気落ちしていたところで、団子の様子がおかしいことに気づきました。大好きなご飯も食べず、「クゥーン、クゥーン、、、」と鳴いていました。そして、ワクチンが寝ていたクッションにおんぷが座ろうとしたところ、唸り声を上げておんぷに噛みつこうとしたのです。びっくりしたおんぷはしっぽを巻いてわたしの足元に逃げてきました。今までこんなことなかったのに、どうしちゃったんだろう?と思いましたが、やはりワクチンの死が影響しているのかな、と思いました。

その日も団子はご飯もほとんど食べず、お腹の調子も良くなく、食べていないものだから、胃液を数回吐いてしまいました。翌朝、獣医さんで経過を説明して診察を受けました。おそらくストレスからくる胃腸炎でしょうとのこと。注射をしてもらって帰りました。そうだよね、大好きなワクチンがいなくなっちゃったんだもんね。寂しいよね。

それからは時間がある時はなるべく普段よりも多めに犬たちに声をかけたり、撫でたり、寄り添ったりしました。ワクチンが私たちにしてくれたように、と色んなことを思い出しながら。

犬と暮らすって楽しいことの方が多いけど、この辛いたまらなく悲しい出来事は絶対に避けて通れないんだよなぁ。でも、やっぱりワクチンと一緒にいられてよかった!今でもそう思います。

ワクチンが座っていたクッションに誰もいなくなり、それを守るようにそばにいる団子に、「ここにおいで!寝っ転がっていいんだよ!」と声をかけてみました。全く動こうとしない26kgの団子を持ち上げて、どしっとクッションの上にのせると、数分間固まってはいましたが、いつの間にかスースーと寝息を立てて眠っていました。その晩はご飯も完食し、お腹を壊すこともなくなり団子は復活したのでした。

今現在もクッションは団子の定位置になっています。

おわり

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