時間外勤務:月120時間

私は働くことが好きだ。教員という仕事も好きだし、誇りを持っている。

それは適応障害と診断され、休職を余儀なくされた今も変わらない。


ただ、教員、、、いや、学校教育という場所には課題が多いことも常々感じていた。依然として蔓延る一斉指導に偏った授業や時代錯誤な校則、生徒のためと言いつつ、実社会とはかけ離れた生活指導など、改革が必要だと感じることもしばしばあった。

そのような学校教育を変革するためには、誰よりも自分自身が教育変革のロールモデルになることが必要だと思い、仕事に臨んでいた。


平日は、朝5時、早い時には4時に起きて、授業作りを行う。6時には家を出て、出勤時は教育書を読んだり、1日の計画を練ったり、教材研究をしたりしていた。

出勤し、始業までの時間に、授業で使う教材の印刷や教室の整備を行い、始業前には、学級委員と1日のスケジュールやクラスの様子について打ち合わせをする。

そうして始業してからは、ほとんど休憩の時間もなく、授業をし、空き時間には事務処理を行う。大体1日に4〜5時間授業があり、空いている時間で、課題の採点をしたり、校務分掌や学年行事の事務作業に取り組む。

ただ、日によって、授業を抜け出したり、体調を崩して保健室にいたりする生徒の対応に追われ、貴重な空き時間が失われることもある。

と言っても、教師にとって一番大事な時間は生徒と対話する時間である。だから、教室に入れない生徒や保健室にいる生徒とはできる限り時間を確保して、対話を重ねるように心がけていた。

そうなると、生徒がいる時間にはほとんど自分の仕事は進まず、残業をすることになる。

結果的に、1日の残業時間は平均して4〜5時間、土日は1日4〜6時間程度仕事をすることになる。週の残業時間は約30〜35時間、月の残業時間は低く見積もって120時間。

過労死ラインは簡単に超えてしまう。

けれども、私はこの生活が普通の生活だと思っていた。むしろ、私は他の教員に比べて働いていない方だとすら思っていた。

なぜならば、私よりも早く出勤して、私よりも遅く退勤し、さらには土日も部活動で朝から晩まで出勤している教員がいるのを知っているからだ。

この傾向は、私の勤務校だけではなく、学校教育全体に見られる。

※詳しくはこちらのリンクを参照

どうしてこれだけ長い勤務時間が当たり前になっているのかは、また別の記事で書こうと思う。ただ、このような実態がある中で、「オンライン授業を進めよう!」だとか、「校則を変えよう!生徒が話し合って、ルールを作れるようにしよう!」と言われても、進んでやりましょう!となる教員が少ないのも今ならわかる。

私はそれを実行しようとして、体と心がついていかなくなってしまったのだから。


この記事を読んでくださっている方には、先生方のこのような実態を理解していただけると幸いです。


今回はここまで。教員の働き方改革はあらゆる学校改革の中でも最優先にしなければならないテーマだと思う今日この頃。

私のように、やりがいを持って働いている先生方を潰してしまわないためにも。そして、子どもたちが幸せに育っていくためにも。