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今年旅行に行くなら、地方の静かな街を楽しむ術を身につけたい

コロナ禍が去ったことによる需要の回復と、円安の効果もあって、日本全国でインバウンド観光客が大幅に増えているみたいです。東京でもホテルの予約が全然取れなかったり、人気の花見スポットがどこも混雑していたりと、インバウンドの過熱ぶりを肌で感じます。観光事業者サイドにとっては嬉しい状況ですが、旅行者からすると、旅先の過度な混雑はあまり喜べないものです。

しかも、これは今年限りの現象ではなさそうです。世界的には旅行者の数は増加傾向にあり、海外の旅行者からの日本人気も一過性のブームという感じではないので、インバウンド観光客が多い時期がしばらく続くと予想されます。

そこで、インバウンド混雑期に国内旅行を楽しむ方法として、今年はメジャーな観光地ではない地方の静かな街を楽しむ年にしたいと思っています。実際にそういう街に行ってみると、メジャーな観光地にはない魅力があるんです。

メジャーではない観光地にしかない魅力がある

もちろん、沖縄や京都、札幌などのメジャーな観光地には人気になる理由があります。スケールの大きい絶景、歴史のある立派な建物、大規模なエンタメ施設などがあって、そういうスポットを回ればそれなりに楽しめることが約束されています。

一方、メジャーではない観光地にはそういう派手で分かりやすいスポットは少ないですが、旅をする側の工夫次第では思い出に残るオンリーワンの体験ができる余地が大いにあります。

メジャーではない観光地の方が有利な点もいくつかあります。

人疲れしない

混雑することがないので、人疲れしません。お店で並ぶこともありません。リラックスした気分になれることを旅行に求めている人には最適です。

お店や施設の人がしっかり対応してくれる

人の少ない観光地では、施設やお店の人も時間に余裕があるので、丁寧に応対してくれることが多いです。私の経験では、史跡や博物館で解説をお願いすると、(ほかのお客さんがいないので)マンツーマンで事細かに説明してくれたりしました。地元の飲食店に入れば、時期や時間帯によってはお客さんが自分だけのこともあり、店主が色々話しをしてくれたり、お酒やおつまみをサービスしてもらえることもありました。

とは言え、何も考えずにメジャーではない街に行くと、わざわざ時間をかけて旅行しに来ただけの価値があるような体験が何もできなかった、という結果になってしまう可能性もあります。そんな残念な結末を避けて楽しいオンリーワンの旅にするために、おすすめの旅先を2種類紹介します。

おすすめの旅先タイプ①:小~中規模地方都市

だいたい人口が10万~50万人ぐらいの都市です。地方の県庁所在地とかがある都市も当てはまります。「名前は聞いたことがあるけど何があるのかはよく知らない」という街が多いですが、行ってみるとなかなか魅力的な場所が多いのです。

特に、下記のいずれかの要素がある場所がおすすめです。

歴史のある街並み

歴史のある街並みと言えば、京都や金沢、川越等が有名ですが、もう少し規模が小さいものであれば全国各地の都市に残されています。

私の経験では、以前、秋田に用事があった際に、特に前情報も無しにふらっと角館という町の武家屋敷街を訪れたのですが、風情ある通りと立派なお屋敷群がしっかり保存されていて、かなり見ごたえがありました。もし東京から日帰りで行ける距離にこの町があったら、観光客でごった返していたと思います。正直、秋田に訪れるまでは全く聞いたことのない地名だったので、これぐらいのレベルの建物が残っていても全国的には全然知名度が無いのかと驚きました。

美術館や史跡等の文化施設

地方の美術館や博物館には、特色のある展示品を持っているところも多く、建物自体も有名な建築家によって設計されている場合があります。

都内の美術館などと違って混雑していないので、ゆっくりと展示を見られるという良さもあります。

特定のサブカルチャーで人気の店・有名な店

自分の趣味の界隈で有名な店に行ってみるのも面白いです。私はある特定のジャンルの音楽が好きなのですが、地方都市に行った時にその音楽が好きな人が集まるバーに行くようにしています。そういう店で出会う人達とは、普段は違う場所で生活している人間同士なのに趣味が共通しているので、話が弾みやすいです。

おすすめの旅先タイプ②:山村または離島

都市から車やバスで1時間以上移動しないとたどり着けない山の中の村や、船でないと行けない離島などです。人口で言うと数百人~数千人ぐらいの場所です。交通の便が悪ければ悪いほど、静かな時間を過ごせます。

離島と言っても、宮古島や石垣島みたいな定番の場所ではなく、そこからさらにフェリーに乗らないと行けないような島です。

このタイプの場所の魅力をいくつか説明します。

のどかな自然

有名な観光地ではない村や島では、いわゆる絶景的なものはないかもしれませんが、人の暮らしが自然に溶け込んでいるのを感じることができます。街の中を移動している間も、意識せずとも周りの自然が視界に入ってきます。

独自の文化

外から隔離されていた地域には、独自に発達した文化が残っていることがあります。独特な食べ物、言葉遣い、習慣など。他の地域との共通点を見つけてみるのも面白いです。できれば事前にWikipedia等でその土地の歴史についてざっと5分ぐらい流し読みしてから行けば、一見すると不思議なその土地の文化の由来が少し見えてきて、より楽しめると思います。

現地の人との交流

こういう場所は街の規模が小さく、観光業に携わっているのも地元の人がほとんどなので、お店でも宿泊先でも、必然的に現地の人との会話が多くなります。もしその土地がそんなにメジャーな観光地ではないなら、あなたは遠くからやって来た珍しい観光客であるので、現地の人も楽しく迎えてくれるでしょう。

交流の機会を積極的に作りたいなら、民宿や現地の個人経営の居酒屋などに行けば、社交的でない人でも自然と接触の機会が持てるでしょう。

おわりに:今すぐ計画を立てよう

最後に、こういう場所に早く(今年に)言っておきたい理由をもう一つ追記します。現在、インバウンド観光客はメジャーな都市や観光地に集中していますが、山口県の山口市がニューヨークタイムズの「2024年に行くべき52か所」に選ばれるなど、インバウンドの目的地も徐々に非メジャーな街にシフトしてきています。2020年代後半には、こういった街もゆっくり楽しめなくなってしまうかもしれません。物事には適切なタイミングがあります。行ける時に行っておきましょう。

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