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ベトナムで外資100%の飲食店を開業する方法

VACANCE VIETNAMでは飲食店開業のサポートをしています。
今回は、飲食店開業に向けて実際に行った手続きや、出来事を紹介します。

まず、一般的に、外資100%でベトナムで飲食店を開業するのは難しいと言われています。

その代表的な理由は
・設立までにかなりの時間を要する(約6ヶ月ほど)
・消防ライセンス等、飲食店開業に必要な検査がローカル飲食店に比べて厳しめにチェックされる。
・公安(警察)、人民委員会が賄賂を狙っていちゃもんをつけてくることが多々ある。
・言語の壁もあり、物件オーナーとトラブルになることがある。

などです。

ベトナムで初めてビジネスをされる方は独特の文化や商習慣が理解しきれず、不当なお金の支払いや契約を行ってしまって泣き寝入りするということも少なくないようです。
そのため、基本的にはベトナム人と共同で始めたほうが良いと言われています。
(誤解なきよう補足すると、もちろん全てのケースで不当なことが行われるわけではないです!あくまで一例と考えていただければ幸いです。)

しかし外資100%で開業するのが禁止されているというわけではないので、ポイントさえおさえられれば外資100%での開業は可能です!


ベトナムの物件事情

そもそもベトナムには日本でいうところの「レインズ」のような不動産ネットワークシステムはなく、業者間でも情報が共有されていません。なので基本的には良さそうな物件を人力で探す「足で稼ぐ」スタイルです。「募集中」と書かれた物件で良さそうなものをみつけては電話をかけまくります。

募集中の物件にはこのように電話番号が貼られています。



しかし、良い物件にたどりつくにはなかなか骨が折れます。
しかも基本的にベトナムでは一棟貸しが主流なので、路面店に入りたければそのビルまるごと借りなければなりません。

そういった条件も踏まえて物件探しを行う必要がありますが、しばらく空いている物件はやはり賃料が高い、中が汚い、使い勝手が悪い、などそれなりの理由があり、すぐに好条件の物件を見つけるのは至難の業です。

コロナ禍を経て少し景気が落ち込み、空き物件が増えた時期もあったようですが、やはり良い物件には勢いのあるお店の2号店、3号店が入り、結局良い物件はなかなか空かないという状況です。

なのでやはり足で稼いでとにかく数多く問い合わせるということが重要です。また、もう一つ重要なのが、すでに入っている店舗に関する情報を多く掴んでおくことです。
例えばもうすぐ撤退する、移転するなどといった情報です。
オーナー、不動産仲介、テナントなど様々な方面から情報収集しておくことが重要になってきます。

内見時の注意事項

好条件の物件が見つかったら実際に内見に行きます。基本的な流れは日本と同じです。

ただこれは私の経験ですが、内見に行くと直接連絡を取っていた方以外に関係者らしき方がたくさんいます(笑)

ベトナムの物件はオーナーが共同だったり、サブリース契約になっているなど、権利者や契約が複雑なケースが多々あります。
そのため、誰がオーナーなのか、誰と契約を結ぶべきなのかをしっかり確認しておく必要があります。
※私が契約した物件の場合は、直接やりとりして案内してくれた方ではなく、物件の入口に座って店舗の監視をしていた方がオーナーでした。よく話しをしてみないとわからないので注意が必要です。

契約時の注意点

ここで開業したい!と思う物件に出会えたらいよいよ契約です。
前述の通り、良い物件はなかなか見つからず、見つかってもすぐに埋まってしまうため、基本的にその場でデポジット(日本でいう手付金)を払うというスピード感で進めます。

ただその前に以下は確認しておいたほうが良いです。
・偽物のオーナーではないか
・(サブリースの場合)サブリースしている方とオーナーの関係性は良好か
 ※サブリースしている方が家賃滞納をしていたり、サブリース契約をやめようとしているケースもあります。その場合はオーナーと直接契約を結べないか交渉します。
・この物件で法人設立登記が可能か
・違法建築ではないか
 ※権利書を確認すると登記されていない箇所があるケースがあります。その場合、消防のライセンスが取得できず最悪その物件での開業ができない可能性があります。
・駐車場(バイク)確保など条件の確認
 ※ベトナムでは区ごとにローカルルールがあります。飲食店はほとんどの場合駐車場が必須となります。

ちなみに、提示金額は基本的にUSDで、賃料は毎年上がる設定になっています。契約書には毎年数%ずつ上がるという内容が記載されます。インフレ前提の契約内容ということです。

デポジット(日本でいう敷金)は家賃の3ヶ月分。
お互いにデポジット分の金額を支払えば契約を解除できるという文言が盛り込まれていることが多いです。そのため、デポジットの金額は安すぎると借主側にとってマイナスになることもあります。
例)デポジットを100万円に設定していた場合、2000万円で内装工事を行ったのにオーナーが200万円(デポジット返却分100万円+解約金100万円)支払って契約解除されてしまう可能性もあるので注意が必要です。

日本のような礼金はなく、仲介手数料は1ヶ月分くらい支払うことが多いです。
デポジットと家賃は基本的に交渉して取り決めるのが前提となるため、上記のようなポイントも踏まえる必要があります。

上記がクリアになれば、契約書の締結です。
ベトナムは基本的にサイン文化です。公的なものは青ペンで行います。

ちなみに日本からベトナムへの送金は少し手間がかかります。
ベトナム通貨であるベトナムドンでの支払いには窓口での手続きが必要な場合があったり、送金まで時間がかかる場合もあります。そのため、あらかじめメインバンクの担当者と相談しておくことをおすすめします。

まとめ

上記の通り、しっかりとステップを踏めば外資100%での開業は可能です。ただ、あたりまえですが、現地の物件情報を正確に把握したり、現地の方とコミュニケーションをしっかりと取ることが重要になってきます。

でも経験なしでいきなり契約締結までスムーズに行うのはなかなかハードルが高いです。
ということで、ベトナムで飲食店を開業してみたい、もっと生の情報が欲しいという方がいれば、VACANCEにお気軽にお問い合わせください!
ではまた次回!Hẹn gặp lại


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