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#53 飛んでイスタンブール!〜夜だけのパラダイス♪🇹🇷

5/26 旧市街/ガラタタワー/ブルーモスク/アヤソフィア大聖堂🕌

朝、イスタンブールの街並みに心を躍らせながら、アヤソフィア付近を散歩していると、同じく散歩していたトルコ人から「どこから来たの?」と話しかけられた。散歩がてら、無料ガイドをしてくれるという優しい兄ちゃんだった。アヤソフィアからブルーモスク方面に揃って歩を進める。右手には歴史的建造物が置かれている。彼はそれらを指さしながら、ドイツから贈られた泉のことや、蛇の柱の頭が黄金で出来ていたために盗まれてしまった話、エジプト第18王朝時代に設置されたオベリスクについて、彼は講義してくれた。
坂を進むと彼の一族が経営しているショップに連れて来てくれた。彼の祖父が店を開いてから75年目の老舗の店だ。ショップにはトルコ絨毯や茶器セット、絵画などが並んでいた。ソファーに座るとリンゴ茶と、それから柘榴茶を淹れてくれ、世俗話に花を咲かせた。途中で従兄弟とおじさんもやって来て、イスタンブールでの見どころや、トルコの地方での効率良い周り方を伝授してくれることになった。トルコの人はホスピタリティ溢れ、みんな優しい。

柘榴茶をご馳走になりました!
75年続く老舗。おじさんは日本語も堪能だった。


彼らと別れ、市民が釣りに勤しんでいるガラタ橋を通り過ぎて、新市街のガラタタワーにやって来たのだが、入場料350リラ(約2500円)もするというので入場は諦めた。これは観光地を厳選しなければすぐに破産してしまうだろう。

ガラタ橋からの釣り🎣
ガラタタワー

一旦ホステルに戻り、昼飯のインスタントラーメンを食べようとして共用テラスに行くと、背中に「TOKYO 2020」と記載されたオリンピックのボランティア服を着た女性がPCをいじっている。これは間違いなく日本人だ。「こんにちは」と後ろから声をかける。聞いてみると、彼女は一週間ほど前にジョージアから陸路でトルコ入りし、カッパドキアで気球に乗ったあと、夜行バスで今朝イスタンブールに着いたばかりだという。彼女は自分にトルコについての有用な知識をたくさん授けてくれた。驚いたのはbooking .comのサイトは、そのままではトルコ国内で使えないということだった。しかし、VPNのアプリに接続してからだと予約できることや、カッパドキアでの気球の値段について、トルコで使えるバスのアプリ、トルコの名物についてなど様々なことを教えてくれた。

彼女の名前はゆりさん。トルコのあと、フランスに渡り、「カミーノ」に参加する予定なのだという。カミーノとは「巡礼の道」という、フランスとスペインの国境付近からサンチャゴ・デ・コンポステーラまで、35日間ほどかけてスペインを徒歩で横断する600kmの旅だ。カミーノについては以前読んだ本にちょっとだけ出て来たことがあった。それに挑戦するとは凄い!
カミーノに挑戦する人たちにはひとつの合言葉がある。「Buen Camino!(良いカミーノを!)」

今日は金曜日。イスラムのお祈りの日らしい。アヤソフィアとブルーモスクに入れるのは午後二時半からということだったので、一緒に行くことにした。アヤソフィア大聖堂は大行列ができていたので、僕らはまずブルーモスクへ行くことにした。聳え立つ6本のミナレットが鋭く美しい。アヤソフィアほどは並ばずに入場できた。モスクではまず靴を脱ぐ。女性は頭をスカーフで覆わなければならず、色々と大変そうだ。イスラムは偶像崇拝は禁じられているので肖像画の類は無かったが、青色のステンドグラスがとても美しいモスクだった。沢木耕太郎著:深夜特急ではトルコを去る時、主人公が些か調子めかして、「それではこれにて。」と、このブルーモスクに別れを告げていた。自分もイスタンブールを去る時にまた来るとしよう。

ブルーモスク🕌
美しいステンドグラス


その後、トラムのレールに沿って金角湾の入り口まで歩き、海辺に腰掛け、我々はドライフルーツを頬張りながら、ヨーロッパとアジアの境目で行き交う船を眺めていた。このような地形と場所は世界でここだけだ。このボスポラス海峡を北に行けば、黒海である。黒海の北側は、現在戦争中のウクライナ・クリミア半島。
南にはマルマラ海。それをさらに南に降ると、ダーダネルス海峡があり、その先は地中海が広がる。

金角湾、ボスポラス海峡
軍艦も停泊。5/28選挙のための国威発揚らしい?

再度ホテルへ戻ってきた。時刻は18時。アヤソフィアは昼と比べて随分空いていた。自分はひとり入場する。世界史の資料集で何度も何度も目にした大聖堂に入れるとあって無常の喜びだった。コンスタンティノープル時代の最高建築。
スレイマン1世が船を山から運び込んで金角湾への侵入を成功させ、コンスタンティノープルは陥落した。しかしイスラム勢力が征服しても、そのあまりの美しさのために破壊せずモスクとて活用したという。高校卒業から十年が経とうとしているが、忘れることはない。あの時抱いた「いつか行ってみたい」という夢が叶った瞬間だった。

夕日のアヤソフィア
荘厳

余談だが、高校で世界史を選択して本当に良かったと思っている。世界史の基礎知識があるおかげで国の成り立ちや歴史的経緯が分かるし、世界史の授業は自分に、「旅」という趣味を与えてくれた。好きな教科は体育と世界史だけだった。世界史の偏差値70でも、英語の偏差値40だったのはかなり問題があったけど。

かなり歩き回ったことで疲れていたのもあり、ショップの店員に誘われていた夕食をキャンセルせざるを得なくなってしまったが、ホステルにてエクアドルの女性とアゼルバイジャンから来た男の子、そして自分の三人でそれぞれの旅について語りながら夕食を共にすることができた。

イスタンブールの夕日とBABAフェリー笑

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