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#164 第24カ国目、パラグアイ!日本人宿『ペンション園田』へ!『ペンション園田滞在記①』(🇧🇷→🇵🇾)
12/29 雨の合間を縫って移動/シウダーデルエステ行きバス/徒歩で橋越え国境越え/ローカルバスでkm41地点へ!/ペンション園田到着/ラーメン
7時に目が覚めた。昨日のイグアスの滝での楽しい思い出を忘れぬうちにブログを書き始める。
9時半に荷物をまとめて、水とパンを買いに行く。今日はこのブラジル・フォズドイグアスからパラグアイのシウダーデルエステを経て日本人イグアス居住区に向かう予定だ。スーパーに着いてから洗顔ソープがもうすぐ切れることを思い出しカゴに入れた。
ホステルに戻ってきたタイミングで雨が強く降って来た。この雨の中で行くのはさすがに躊躇われる。オーナーにテープをもらい、バックパックカバーの破れたところを修理して待つ。10分ほどすると一時的に止まったのでそのタイミングでオーナーにこの二日間のお礼を言って後にした。
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セントロの北にある短距離バスターミナルの向かい側の道路にパラグアイ・シウダーデルエステ行きのバス停がある。ブラジルとパラグアイの国旗がペイントされている。雨が激しくなって来た中、昨日買っておいたトマトに齧り付く。15分待ってバスは来た。「いくら?」と聞くと天井に貼られている料金表を指して「15レアル(437円)だよ」「ボレート(チケット)貰えますか」と聞いたがチケットは無いという。
現金で支払いを終えて奥のスペースに荷物を下ろした。そういえばパラグアイのシウダーデルエステに行く途中、外国人は国境で一回降りて出入国スタンプをもらわなければいけないことを思い出した。その際、バスは当然待ってくれない。
「バス乗車時に運転手からチケットをもらっておけば、パラグアイ入国してから再度運賃を支払う必要はなかったのかもしれない」
という記事を読んだのを思い出し、再度運転手に拙いスペイン語で尋ねてみた。ちなみにスペイン語とポルトガル語は似ているのでほとんど問題なく通じる。
「パスポートのスタンプ貰う場所で降りたいんだけど」
そう伝えると、彼も理解してくれたようで裏に今日の日付を書いた紙をくれた。これがあれば再度バスに乗る際に追加の運賃を支払わずに済む。
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大通りを10分ほど走ると国境の前に着く。停車を告げる紐を引っ張り降車した。さあブラジル出国だ。
横にある警察署の警官に「イミグレはどこ?」と聞くと橋の先を指差す。本当か?笑と思って別の警官に「ブラジルのイミグレはどこですか?」と再確認すると、「この坂道の上だ」という。最初の彼はパラグアイのイミグレを指していたらしい。
上に登ると建物の西側にイミグレはあった。前の人の出国許可が降りず、少し揉めていた。自分の番になり、「Para dónde va?(どこに行くの?)」と聞かれて「Quiero ir a Paraguay!(パラグアイに!)」と答えるとすぐにスタンプを押してくれた。
国境の橋を渡る。500mはあるだろうか。パラナ川は川幅が広く雄大だった。右側の歩道を歩いて行くとパラグアイの国旗が自分を出迎えてくれた。この旅24カ国目、パラグアイ。ちなみに人生ではトータル50カ国目の節目の国となった。
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パラグアイのイミグレで入国許可をもらおうとするがかなり多くの人が並んでいる。遅々とした流れを見るに、これは確実に一時間コースだ。今日は金曜日なので混んでいるのだろうか。
ブログを書きながら時間を潰す。
やはり入国審査官までにたどり着くのに一時間を要した。前段でブラジル出国のスタンプがあるかを確認され、それから入国審査に入る。「どこに行くの?」「イグアスにある日本人コミュニティのところです」「...コムニダーイグアス?」「そう!それ!」赤い入国スタンプをもらい、パラグアイに入国することが出来た。
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もう14時だ。このシウダーデルエステにいる間にキャッシングしておこうと思った。露天が連なるショッピングセンターで話しかけて来た人に「ATMどこですか」と問う。「この先100mのところにあるよ」
BNFという24時間営業の銀行ATMでとりあえず500,000グアラニ(9708円)引き出した。そして大通りに戻り、シウダーデルエステのターミナル行きバスを待つ。
10分ほどでやってきた。手を挙げて合図すると、運転席から「もっと先に停まるよ!」
という合図を受けたので走っていった。無事に乗り込むことに成功した。前のバスで受け取っていたチケットを提出する。
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ここから15分バスで走り、シウダーデルエステのターミナルに到着した。ここからコムニダーイグアスまでのバスを探す。片っ端から聞いていく。すると、「こっちの窓口で聞け、あっちの窓口だ」といった具合にたらい回しにされる。聞いていたバス会社も「No,hay(ない)」というだけだ。わけがわからん。結局切符をチェックする係員のおじさんに「コムニダーイグアスに行きたいんだけど」と伝えると、ここで待っとけ」と言われ、それを信じて待った。
するとターミナルの中から「イグアス」という言葉が聞こえた。振り返ると茶髪の若い青年がいる。イグアス居住区に行くのは日本人くらいなので自分は躊躇なく日本語で、
「イグアスにいくバスはないって言われました?」と問う。
「日本の方ですか?そう言ってましたか?」
「分からない。俺のスペイン語が悪いのかも」
そんな会話をしていると、係員のおじさんが言う。
「来たぞ、あれに乗れ」
よく分からなかったが示されたバスに乗り込んだ。如何にもといったローカルバスだ。二人で乗り込む。彼はどうやらスペイン語が出来るようで、運転手に行き先を確認していた。それにしてもすごいタイミングで出会ったものだ。
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彼はイサミと名乗った。イサミさんもイグアス居住区の『ペンション園田』に向かう途中らしい。こんなところで出会えてお互いとても心強かった。
彼は20代前半で神奈川県の出身だ。この11月からアルゼンチンにワーホリに来ているという。友だちとイグアスの滝へ来たついでにパラグアイに日本人宿があることを聞きつけ、寄ってみることにしたらしい。彼はスペインのサラマンカで1年間留学していた経験を持っていた。サラマンカは学生の町ということだ。この11月からワーホリでアルゼンチンにやってきて、友達からイグアス居住区のことを聞き、興味で今回訪ねてみようと思ったのだという。
バスはシウダーデルエステの街を離れ、長い一本道を進んでいく。イグアス居住区までの運賃は20,000グアラニ(398円)ということだったが、自分は細かいお金を持ち合わせていなかったので、イサミさんに立て替えてもらった。
パラグアイを象徴する赤いラトソル(ラテライト)の土が異国に来たことを感じさせてくれる。この土は酸性だということを中学時代、地理の授業で習ったのを思い出す。
途中で乗客がたくさん乗ってきた。降りる時は運転手か運賃回収の係員に言えば降ろしてくれる。シウダーデルエステから41km地点のイグアス居住区に到着したのは乗車から一時間半の16時半だった。
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『ペンション園田』は大通りから近い場所にあった。「ごめんくださーい!」といって門を開けて中に入った。すると一人の男性が見えて、
「少し待っていてください、いま呼んできます!」
「ありがとうございます!」
敷地内に三頭いる白毛の大きな秋田犬と戯れあっていると、しばらくしてペンション園田のママである「まゆみママ」が挨拶してくれた。
「こんにちは、どこから来ましたか?」
「シウダーデルエステからさっき来ました」
「二人ね?予約はしてるかしら?」
「してないです、、」
「そうですか、でもベッドはありますよ。安心してください」
満室だったらどうしようかと思っていたのでひとまず安堵した。すぐにベッドメーキングをして、自分にはクイーンサイズのベッドをあてがってくれた。
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ひと息つくと、この『ペン園』のアイドルである5歳の少年ケビンくんが
「ティオ(スペ語で「おじさん」の意)遊ぼ!こっちおいで!」
と誘ってきた。ケビンの中では全員が「ティオ・ティア(おじ・おば)」の呼称で統一されている。
門をゴールにしてケビン& Iさんとボールを蹴っていると、ママが
「農協のスーパーに行きますけど、行きますか?」
と誘ってくれた。日本人が作ったという農協のスーパー。きっと日本の食材も置いてあるだろう。楽しみだ。
「行きます!」
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車に乗って5分足らずで到着した。店内で日本語が飛び交っていることに驚きを隠せない。品揃えもかなり豊富で、梅干しや納豆、漬物、味噌、餃子、紫蘇ふりかけ、そば、うどん、果てには紫蘇ジュースなんか置いてあったのには興奮した。これらは他に比べて値が張るので買うことはしなかったが。原料はパラグアイで生産されたものを使っているらしい。
結局自分は卵6つに醤油、瀬戸内ふりかけ、トマト、そしてパンを購入した。
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イグアス日本「匠」センター(通称:イグアス居住区資料館)に一瞬だけ顔を出してから宿に戻ってきた。
宿には昨日から泊まっているという青年が二人いた。アキラくんとユウキくんだ。ユウキくんが作ってくれたアルゼンチン産のマテ茶を回し飲みしながら話が弾む。
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アキラくんは23歳。鉄道、バス、地理歴史好きで、ウルグアイのスペイン語語学学校に留学するという。なぜ物価の高いウルグアイを選んだのか気になったので尋ねると、やはり治安を気にしてのことらしい。
ユウキくんは22歳の青年で、先日までウルグアイでサッカーコーチをしていて、オフシーズンに入ったのでここに来たのだとか。現在は南米のスペイン語圏を中心に『Link twin』のアプリで次のチームを探している最中とのことだった。
「1月10日までには次のチームを決めたいんですけどね」
と少しは焦っているみたいだったが、最近ヴィッセル神戸からの育成年代コーチ就任の打診を断って南米に残ったというから、サッカーコーチとしても高いレベルにあるのは違いない。彼自身は、
「自分は柏レイソル推しですから(笑)」
と言うものの、それだけ南米に強い思い入れがあるのだろう。
まだ22際の若者が南米の地でここまで腰を据えてサッカーコーチとして取り組んでいる姿はとても逞しく見えた。
それに比べて自分は何をやっているのだろう。齢28を過ぎてなお、まだ自分が生涯で何を為したいのか見つけられない。
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今日の夕食はみんなでラーメンを食べに行こうということになった。園田さん家族と泊まっている宿泊客、計11人で車に乗っていく。5分ほどで到着し、アキラくんとユウキくんと自分はラーメン大盛りを注文した。
ラーメンを待つ間、彼らから語学上達のコツを聞いてみた。特にユウキくんのスペイン語は相当なレベルだ。スペイン語試験「DELE」の上から2番目の級にあと2点で合格してたとか。関西にある難関大学の外国語学部でスペイン語を専攻していたらしい。
「受け身の授業ではなくて、発言させてくれる授業を選びました。能動的に話す環境が大切だと思います。また特徴として、自分の周りでは語学学校に行っていた人はスペイン語があまり上達していなかったという印象です。留学までに単語や文法など、自分でできる部分は全て完璧にして、それから通うならまだいいと思いますけど」
スペイン語をマスターしている人から聞くと、説得力が桁違いだ。それにしても、やはり発言することが一番大切なようだ。
「まあ語学なんざ馬鹿でもできます。鶏の声を真似してごらんなさい。馬鹿ほど上手いはずです」
という高橋是清の言葉を思い出した。
出てきたラーメンは美味かった。鶏がらスープベースであっさりだが、それでいてしっかり味が出ている。チャーシューもほろほろでほんのりと甘味がついている。このクオリティのラーメンを日本の裏側で食べれるとは!
スープも残さず平らげた。お会計はまさかの25,000グアラニ(500円)と安過ぎてびっくりしてしまった。
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『ペン園』に帰ってきてからはテラス席で談笑となった。我々若者3人とサンパウロ駐在・丸紅の上司と部下の方が2人、ラーメン屋の國(くに)さん、そしてサンパウロのフィクサーこと、園田のお兄さんのアキノリさん。
アキノリさんは『サンパウロ日伯援護協会』の副会長であり、サンパウロの日本人駐在員は人間ドッグなどでほとんどの人がお世話になっているそうだ。
お酒もいい感じに入り、ペンション園田の思いを語ってくれた。
「何でみんなわざわざパラグアイに来るんだ?
観光地も何もないでしょ。みんなこの『ペン園』に来たくてここを目指して来るんだ。パラグアイには何もないけど、『ペン園』に来たら全く接点の無い人と繋がれる。これが『ペン園』の凄さよ。だから俺はこの『ペン園』ってのは立派だなと思うな。まゆみおばさんの想いが詰まってるのよ」
本当にその通りだと思う。ここに来て一気に輪が広がった。
アキノリさんのお話で心に残った言葉。
「若い時は何でもできる。何やっても成功する!」
自分は聞いてみた。
「アキノリさんが思う若い頃の上限は何歳くらいでしょうか?」
「俺は35歳の時に始めた能舞を通して再度、『人から教わる』ということをやった。要は気力次第だ」
自分もまだまだ出来るということか。
「サンパウロに来たら、『デイゴ』という店に来るといい。水曜と金曜は必ず居るから!一杯と上手い寿司くらいなら奢っちゃる!!」
アキノリさんはそう言ってから宴を〆た。
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