【3日目】日記
ご隠居からのメール:【日記】
約60年前の日記は次の通り。今さらブログで公表する気持ちにはなれない。人間の身体は別人のようだが、意識はそれほど変わらない。息子のブログを読むと、息子の意識ともつながっているという印象を受ける。息子の文章のほうが他人へのサービス精神が感じられ、文章も読みやすい。
三日月(1962年3月01日)氷山の浮かぶ海から暴風圏を通りすぎ、鏡のような凪いで、心身ともにとろけるような海にやって来た。舷側から三日月を仰いで見る。わが家のご先祖は尼子の落人と言い伝えられている。
「憂きことのなおこの上に積もれかしかぎりある身の力ためさん」と詠んだ山中鹿之助も尼子の落人で、三日月武者と呼ばれた。オレの父は、一旗あげるために満州へ渡った。戦争に負けて引き挙げ、戦後は村長になって地方政治に力を尽くしたが、県会議員の選挙に敗れて将来は国会議員になるという野望は挫折した。
オレは毎日賭けマージャンをし、推理小説を読む。はた目からは無邪気な顔をして暢気な航海を続けている若者のように見えるだろうが、内面は落魄の落武者だ。表面からは不安をうかがうことはないかもしれないが、不安はふとした瞬間にひょこっと首をもたげてくる。
返信:【Re_日記】
やっぱり俺のなんかより段違いに文章がスゴイね。。知らないことをネットで調べるとどんどん、賢くなる気がするよ(笑)。あと、山根さんがお父さんの本をAMAZONで買ってくれたよ(笑)とても、感化されて、ご自身でも回文俳句つくってました。
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