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TOUR2022【4】~イタリアからポーランドへ

きっと、再会を盛り上げるために、敢えてここで会わせないようにしているんだな!

簡単に会えないとなると、次に会った時の喜びが倍増!!そう言い聞かせ、1時間半の練習を最後まで見届け、トレントの体育館を出て暗がりを歩き出しました。

今回はこの自然あふれるトレントの新鮮な空気を吸いに来たことにしよう…

雄大な山々に囲まれたこの場所は、ストレスでむしばまれた心身には絶好の療養場所。寒すぎないこの季節、気持ちの良い散歩道を楽しみながら旧市街を通り、夕食のお惣菜をスーパー購入して駅裏のホテルへと戻りました。

11月19日(土) 
時差ボケで4時に目覚めたトレントでの朝。6:30の朝食時間に合わせてレストランへ行くと、予想外に他のお客さんの姿が続々と…。トレントはトレーニングに来るスポーツマンも多く、早めに食べ終えて運動しに行くのか?と予想。それに習って私も早めに行動。この夜、カトヴィツェでの観戦を控えているために、7:00過ぎにはチェックアウトして、昨日到着したばかりのマルペンサ空港へと向かいました。

今回もいい時間の安いバスがなく列車で。混雑しても問題ないように、時間に余裕をもってマルペンサに到着しましたが、土曜日の割にはスムーズに保安検査場も通過。予想以上に効率よく移動ができて、心にも余裕ができホッとしながらフライトを待つことができました。

が、悲劇はここから始まるのです…

今回、マルペンサ→クラクフ間をWizzエアで移動するのですが、全く逆のルート、クラクフ→マルペンサを同じWizzで移動しようとしている友人がいて、事前のやり取りでそれが判明していました。彼がポーランドから乗ってきた便で私がポーランドへ移動。そんな彼から、悲劇を知らせるメッセージが入ったのです。

彼が言うにはクラクフ空港で火災発生疑惑が起こり、フライトに遅延が発生していると。彼の便は飛ばずに待機させられ、いつ飛ぶのか分からないとのこと。

出発予定2時間前…こちらには遅延の文字は出ていますが、どういう状況かなにも知らされていません。と思ったら、フライトスケジュールに50分遅れとの表示。同時にスマホにもその知らせが届きました。

50分の遅延。まぁ、LCCだし、これくらいなら許容範囲でしょ。状況によってはそう寛容に捉えられるのでしょうが、今回はそうはいかず…これが悪夢の始まりに。というのもこの便でクラクフに飛んだ後、到着30分後発のカトヴィツェ駅行きバスで移動しなければ、観戦に間に合わないのです。散々調べて、このバスがあるならこの移動も可能…ということでこのWizzのフライトも昨日のトレントも行きも決めました。なのに、このバスに乗れないとなると…あぁ…

これなら、昨日マルペンサに到着後、あのままポーランドに飛ぶべきだったよ…
と思っても、後悔先に立たず。ここからなんとか方法を考えなければなりません。クラクフでフライトを待つ友人にポーランド国内での移動を教わり、早速Boltという配車アプリを登録し、遅延の後の移動を綿密に立て直しました。

最悪、試合が終わるまでに到着出来ればいい…
そう願い、50分遅延のフライトを待ちます。これ以上遅れないように祈りながら、搭乗後もフライトの2時間ソワソワして落ち着きません。願いが少しは通じたのかこれ以上の遅延はなく状況は悪化することなく、本来の到着時刻50分の遅延をもってクラクフ空港へと到着。

さー、ここから一分一秒を争う緊迫感でターミナルを駆け抜け抜けるぞー!

人の波を縫って、駆け込んだターミナル、が、一瞬にして黒い壁に行く手を阻まれます。

目の前には4人のセキュリティスタッフらしき男女。他の乗客は止められてないのに私だけ囲まれ、まるで犯罪者のような状況に。143㎝の背丈しかない私は彼らの高い目線から見下ろされ、そこから威圧的な空気の中質問攻めに遭いました。
パスポート出せ、どこから来たのか、どこに住んでいるのか…そんなことを聞かれながら、堂々と日本のパスポートを差し出します。世界最強の信頼度を保つパスポート。が、しかしそれでも放してはくれません。今までに聞いたことのない英単語を連発され、もはや何を言っているのか、この状況で想像するのも不可能。一体私が何をしたというの…1分たりとも惜しいのに、無駄に話をする時間なんてないのに、こんなところで足止めを食うなんて…。

というか、放してくれるよね? 
時間の問題ではなく、だんだん違った心配が出てきます。
とりあえず、私は日本人で、旅行客だ、急いでいるんだということをアピールし続けると、諦めてくれた彼ら。求めていた問いに対する回答はできませんでしたが、この状況で話しても無駄だと思ったのか釈放してくれました。時間にしてわずか5分…でも今の私にはとっても貴重な5分。

だったら止めないでよー!足止めされた怒りもあるけど、そこに労力を使っていられない状況。すぐに配車アプリBoltで車を手配します。配車アプリは使い勝手はいいのですが、空港のような多くの車が停車している場所では、自分の予約車を探すのが困難。地図に表示される車の場所も電波の状況で動いたりして、どこに停まっているのか正確な場所が把握できません。手当たり次第、それらしきドライバーさんに声を掛けるも見つけることができず、あたふた。そうこうしているうちに、この状況にしびれを切らしたか、ドライバーさんに予約をキャンセルされてしまいました。

えーーーーー!

・・・とショックを受けてる暇はない!
ならば、タクシーだ!!

お金が少しでも安い配車アプリに頼ろうとしましたが、だめならタクシーでも全然OK!同じこと。
幸い列はできておらず、先頭のドライバーさんにスマホの地図を見せながら最寄り駅まで行ってほしいと交渉。
「え?ここ??小さい街だよ?ここに行くの???」

何度も聞き返されながら、彼も初めて行く場所ということで、ナビを設定し向かうことになりました。
大丈夫、列車の時間にはギリギリ間に合いそう。
これに乗れれば、試合には少し遅れるかもしれないけど見られるはず。

ようやく明るい兆しが見え始めますが、でも、それも一瞬で消えてしまいます。
ナビに従い、民家の細い道を進むドライバーさん。確かにこの道を指示しています。後部座席から間違いがないことを確認していますが、どうも景色がおかしい…。山の中、茂みの中をぐんぐん進んで行くのですが、いやーな予感しかしません。そして、その予感は的中。

目の前から道は消え、行き止まりにまんまとハマってしまいました・・・。

【5】へつづく…

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