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和の心コズミックスピリット58

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■かつての日本は集団自らの力によって安定した社会を実現させていた


日本には、礼節によって生活をたのしいものにするという、普遍的な社会契約が存在する。誰もが多かれ少なかれ育ちがよいし、『やかましい』人、すなわち騒々しく無作法だったり、しきりに何か要求するような人物は、男でも女でもきらわれる。

すぐかっとなる人、いつもせかせかしている人、ドアをばんと叩きつけたり、罵言を吐いたり、ふんぞり返って歩く人は、最も下層の車夫でさえ、母親の背中でからだをぐらぐらさせていた赤ん坊の頃から古風な礼儀を教わり身につけているこの国では、居場所を見つけることができないのである

逝きし世の面影

「やかましい人」や「要求する人」「すぐかっとなる人」とは、自分中心で自己主張の強い人のことでしょう。何でもありの社会の中で権力を握るのは、そうしたタイプの人となりがちです。

社会の調和にはそうではない、広く人々のことを考える人が認められることが必要となります。

安定した社会を実現させるためにはこれを法的に方向付けるか、あるいは集団自らの力によって実現する必要があります。現代社会は基本的にそれを法によって方向付ける社会です。

しかしこの法的方向付けはアメリカの訴訟多発問題のように、その法によってかえって生きづらい社会となってしまう傾向があります。

これに対し、かつての日本社会は集団自らの力によってそれを実現していた社会と家ます。日本社会にはこのような和を乱す性質に対する斥力が内在しました。そしてそれこそ社会の自立力であったことを、アーノルドは見抜いていたように思われます。


■自由奔放がかつての日本社会が高い集団的調和を実現していた


法的な抑制力が強まると、片方では人々の自由が損なわれますが、かつての日本社会がそうではなかったであろうことも、多数の手記から感じられます。

かつての日本人の精神的自由度をうかがわせる手記には、次のようなものがあります。

西洋の都会の群衆によく見かける心労ひしがれた顔つきなど全く見られない。頭をまるめた老婆からきゃっきゃっと笑っている赤児にいたるまで、彼ら群衆にこやかに満ち足りている。彼ら老若男女を見ていると、世の中には悲哀など存在しないか思われてくる。

工部大学校の教師、W・G・ディクソン(逝きし世の面影)

日本人のように遊び好きであったといってもいいような国民の間では、子供特有の娯楽と大人になってからの娯楽の間に境界線を引くのは必ずしも容易ではない

ここ二世紀半の間に外国人がやってくる以前から、この国の主な仕事は遊びだったといってよい

アメリカ人教師、W・E・グリフィス(『明治日本体験記』山下英一郎訳)

日本人ほど愉快になり易い人種殆どあるまい。良いにせよ悪いにせよ、どんな冗談でも笑いこける。そして子供のように笑い始めたとなると、理由もなく笑い続けるのである。

ルドルフ・リンダウ(『スイス領事の見た幕末日本』)森本英夫

誰もがいかなる人びとがそうありうるよりも、幸せで煩いから解放されているように見えた

S・オズボーン(逝きし世の面影)

この自由奔放さはかつての日本社会が高い集団的調和を実現しながらも、それが集団自らの力であるために、外的抑圧を感じることも極めて少なかったからではないでしょうか。

法的規制や外的規制によらずに、その社会が高い調和を実現することは理想ではあってもなかなかできることではありません。日本社会のいったい何がこの力を成立させたのでしょうか。

(続く)


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■過去記事

続きものになっているので、興味がもてた方は最初から読むとより面白いかと思います(^-^)

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■関連書籍と記事の紹介

五六七の仕組み 日月神示が予言する日本と世界の未来

つい最近出たばっかりの新刊です。週に2~3回ペースで更新していくのでお楽しみに(^-^)

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ガイアの法則

これからは日本の淡路島、明石の東経135度線が世界の中心となる…。これは世界、宇宙の法則であるスピンにそれが証明されているという千賀一生さんが実際に体験したチャネリングより記された一冊です。

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日月神示解釈本:中矢伸一

千賀一生さんを紹介していた、主に日月神示の解釈本を書いている中矢伸一さんの書籍です。今の感染症の時代を予期していたかのような内容が書かれているのが興味深いところです。

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