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和の心コズミックスピリット㉟

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■型でしか伝えられない心


時代は進んでも、たとえば新渡戸稲造は次のように日本人の舞文化にふれています。

舞踊(武士の娘の踊りであって、芸者のではない)は、その立ち居振る舞いを美しくするためにのみ教えられた。…けっして己の見栄や贅沢を助長させるためのものではなかった

新渡戸稲造 前掲『武士道』


現代的観点からは体や体の表現を美しくすることは、見栄であるととらえられがちですが、振る舞いとはそのような個人的観点のものではありませんでした。

年をとると人間の美しさは失われるものと、現代の個人的視点では思いがちであり、だから化粧して美しく見せようとしたり、エステやヨガをして、少しでも若々しさを保とうとするのであると思います。

ですが観点が変わると、年齢に左右されず、むしろ年を取る程に増してゆく美しさというものが見えてきます。

それが『たたずまい』や『ふるまい』に代表されるような美しさなのではないでしょうか。私が見てきた毎朝お日さまにひれふすように向かい合っていた祖母のその姿も、そうした美しさであったように思います。

このような美しさを永遠性の美しさとするならば、この永遠性の美しさとは何からくるものなのでしょうか。


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■日本の型文化は自身の軸を築こうとする原理を共通して保持している


例えば弓道家が弓を引いている時の、周囲を整えるかのような張り詰めた気配は、祖母が昇りはじめたお日さまに一心に向かう、真冬の朝のような静寂さと似たものを感じます。

的の中心を射止められるほどに統一したその姿は、目には静止して見えますが、その内には並々ならぬ躍動が満ちています。このような深く統一された姿は周囲の空間のけがれを祓うかのような力を伴うのものです。

誤たたず中心に矢を射るためには、まず自身の心の中が統一され、体も内なる軸に統一されていなければなりません。私たちは真摯に何かに向かおうとする時、いつのまにか体も整えようとしてます。

座っても立っていても無意識にまっすぐな姿勢、つまり体の中に軸を成立させようとしているものです。日本の型文化はこの何かに向かうことで自身の軸を築こうとする原理を共通に保持しているように思われます。

書道家は和紙に、茶道家は茶器に、いわば弓を射るわけですが、目的物を作り上げることで本当は自身の内に軸を成立させているように思われます。


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■祖先から子孫へと形を通して伝承される文化の尊さ


今日の世界にはその的となり得る対象が無数にあります。ですがもし何もない太古の世界に的を求めるとしたら、その最もふさわしい的とは、弓の的に似た、太陽系宇宙の中心、太陽ではないでしょうか。

私は祖母と毎朝お日さまに手を手を合わせながらも、自分には祖母のような迫るようなものがないことを、子供の頃や若い頃、自覚したことが何度もありました。同じように手を合わせてはいても、何かが違うことが子供心にもわかるのです。

この一瞬にして空間を張り詰めた集中状態にしてしまうということ、それをいつでも成し得るということが、若い私には人間技とは思えず、私の祖母への尊敬心は、この姿に直面するごとに形成されたように思います。

古来の日本社会は年配者ほど尊ばれる社会でした。それはこうした姿によって成立した尊敬に違いないと私は思うのです。

祖母に対するそうした尊敬心は、私はさりげなく伝えたことがありました。その時に祖母は独り言のようにつぶやきました。

「昔のひたあ(人は)もっと偉かっけ(偉かった)」

祖母も私が祖母に感じたのと同じように、人間とは思えないほどの何かを自分の祖父や祖母に感じて育ったのだと、その時気づかされました。

今の年になっても祖母もまた人生の先輩たちの尊さに追いつこうとしていることを知り、祖先から子孫へと、形を通して伝承される文化の尊さを目のあたりにした思いになりました。

(続く)


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■過去記事

続きものになっているので、興味がもてた方は最初から読むとより面白いかと思います(*^-^*)

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■関連書籍と記事の紹介

ガイアの法則

これからは日本の淡路島、明石の東経135度線が世界の中心となる…。これは世界、宇宙の法則であるスピンにそれが証明されているという千賀一生さんが実際に体験したチャネリングより記された一冊です。

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千賀一生さんを紹介していた、主に日月神示の解釈本を書いている中矢伸一さんの書籍です。今の感染症の時代を予期していたかのような内容が書かれているのが興味深いところです。

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