和の心コズミックスピリット㊻
+++
+++
■畳が喪失した洋風の完全フローリング化した時期に鬱病や幼児虐待などの犯罪事件が約60倍にも増加した
過去に日本の家文化が大きく変化したのは1960年代です。この時代にハウスメーカーが台頭し、それまでは各地で大工さんを中心にそれぞれの家ごとに設計され建てられていた家が、大量生産方式によって造られる流れが生じ、徐々に拡大していきました。
高度経済成長の時代で大量生産、大量消費がよしとされ、民家の寿命も急速に短くなってゆきました。経済こそが第一の考え方の中で、それまでの日本の伝統的文化や習慣が急速に姿を消し始めた時代です。
太古の時代からあらゆる物に魂が宿ると認識していた日本人が、物を使い捨てするようになっていった時代でもあります。ただ、この時代には和風の家の中に洋風の部屋を一つだけ造るといったような間取りがまだ好まれていました。
そして次に来た大きな変化が2000年頃の畳の喪失に象徴される洋風住宅への完全移行です。すべてがフローリング(木質の床材)の家が急増したのです。
1960年代からの数十年の間にも日本人の倫理性が問われるような社会傾向がありましたが、2000年の時期にはさらにうつ病患者や幼児虐待、異常とも割れる犯罪事件が急増しています。
日本の児童虐待相談件数は1990年に1101件であったのが年を追うごとに増加し、2013年には66701件と、日本の住宅が急速にフローリング化した2000年をはさむこのわずかな期間に約60倍に増加しています。
因みにイギリスの児童虐待件数(保護者による性的暴力などの虐待数)は10年ほど前の統計で日本の約15倍ですが、この状態に日本は住環境の西洋化と共に後追いしているかのようです。振り返ると伝統民家が失われるタイミングと並行して、日本人は日本人さしさを失ってきたように思われるのです。
+
■日本人にとって「片づける」とは物が主体なのではなくて空間を整えるという観点があった
日本に初めてやってきた時の印象を綴った西洋人の手記を見ると、日本人の住居には家具らしい家具がほとんど何もないことに驚いている記述が多数あります。
日本人は花や木を鑑賞する時、花や木の存在それ自体よりも、それによってその周囲の空間にいかに深みが生まれるかに目を向ける傾向があります。
盆栽や華道はまさにその空間主体の認識です。日本人の住居観もこれに似たものがあるように思います。
モースは日本を訪れたばかりの当初は、日本民家のあまりの何もなさに貸家かと思ったと言っていますが、日本で暮らし日本人の家の思想を悟るに至り、次のように言っています。
もちろんこれはモースが日本で生活し、平凡で目立たない家であっても「繊細優美を極める彫刻の逸品や室内工芸の極致を思わせる家財道具が置かれていることがしばしば」なほどに芸術性が身分に関係なく日常に浸透していたことを知った上での感想であり、またそれを「人前に飾ることは極めて稀」であることを知っての感想です。
逆にアメリカを訪れた日本人の手記にはアメリカの住まいを「お納戸にでも入った感じ」であるとか、「いつ片づけるのかと思った」という感想があります。
おそらく現代の都会の日本人の比較的よく片付けられた部屋を昔の日本人が見たとしても、同じような感想を持つのではないかと思います。
そもそも日本人にとって「片づける」とは物が主体なのではなく、空間を整えるという観点であったのです。
その家の家柄というものは家に入る前から漂いはじめるものです。庭の木々や石の配置によって、狭くても深みのある空間を体感させる日本民家の庭は、来客を気持ちよく豊かな心にさせて迎え入れます。
歩む空間までの道がわずかな距離であったとしても、毎朝掃き清められていることがわかるような熊手の跡が付いていたとしたら、踏むのももったいない、心のこもった大きな空間に感じられるものです。
いつ突然来客が訪れたとしても来客をこのように気持ちよく迎え入れることのできる空間であること、それが日本人にとっての家の理想的なあり方でした。もしも玄関をくぐった途端にいろいろな物が目に飛び込んできたとしたら、折角の来客の心も落ち着きを失います。
日本人が誰にとっても気持ちよく感じられるすっきりした空間を大切にしてきたのは、軸的世界観の時代において、空間とはその中心なるものの霊性の及ぶ場であったからではないでしょうか。
(続く)
+++
■過去記事
続きものになっているので、興味がもてた方は最初から読むとより面白いかと思います(^-^)
+++
■関連書籍と記事の紹介
五六七の仕組み 日月神示が予言する日本と世界の未来
つい最近出たばっかりの新刊です。週に2~3回ペースで更新していくのでお楽しみに(^-^)
+++
ガイアの法則
これからは日本の淡路島、明石の東経135度線が世界の中心となる…。これは世界、宇宙の法則であるスピンにそれが証明されているという千賀一生さんが実際に体験したチャネリングより記された一冊です。
+++
日月神示解釈本:中矢伸一
千賀一生さんを紹介していた、主に日月神示の解釈本を書いている中矢伸一さんの書籍です。今の感染症の時代を予期していたかのような内容が書かれているのが興味深いところです。
ここから先は
¥ 100
応援ありがとうございます(*^-^*) この応援資金で今後の活動資金に当てさせていただいて、より充実した記事の作成を頑張らせていただきたいと思います。