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いっしゅうき 2021.02④


2021.02.17 WED
71日目です。ひたすらやることをやっていました。嘘です。やることをやりつつついったを見たり虚空を見つめたりYouTubeに逃げたりしていました。なんとか明日の午前中までにひと段落つけたいのですがどうだろう。明日の筆者に期待です。

2021.02.18 THU
72日目です。なんとか午前中にやることに(無理矢理)区切りをつけて、キネカ大森へセルゲイ・ロズニツァ監督『国葬』(2019年、オランダ・リトアニア)を観にいってきました。ずっと気になっていた映画だったので、なんとか最終日に滑り込めてよかったです。

スターリンの国葬の様子、そしてそこに参列する国民たちの様子を収めた当時のフィルムを(ざっくり言うと)再編集した映画ということで、1950年代のソ連の街並み、人々の顔や暮らしぶりが克明に記録されており、見応えのある作品でした。
……正直に白状すると、なんとかやることを終わらせようと4時間睡眠で臨んだせいもあったのか、鑑賞中何度か意識を失いました。言い訳をさせてください、荘厳な音楽とロシア語の音調の、リラクゼーション効果がすさまじんですよ!! 反省しています。今度からは十分に睡眠をとってから映画館に行きます……。
加えて懺悔をしますと、知識不足が過ぎて、目の前で繰り広げられている光景の「意味合い」を理解するのが非常に難しく、毎度言っていることですが「もっと勉強しときゃよかった……!」と思いました。隣に誰か、めちゃくちゃ詳しい方に控えていただいて、要所要所で解説してもらいながら観たいなと思いました。知識がほしいね。

鑑賞後、さあか~えろ!と大森駅を歩いていたら、気付かぬうちになんとS○icaを落としていたらしく、見知らぬ優しい男性が拾って下さり、わざわざ追いかけて声をかけて下さいました。や、優しい!! ありがとうございます!! あわあわして満足にお礼もできませんでしたが、その方がいなかったら大森駅から永遠に出られないところでした。ほんとうにありがとうございました。その方にいいことがありますように。

2021.02.19 FRI
73日目です。昨日のばかさが露呈しまくった『国葬』のツイートに、なんと公式様からリプライをいただきました! こんな阿呆丸出しの感想で申し訳ないです公式様。

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御親切に解説動画を教えてくださいまして、先程観てきたのですが、ほんとうに『国葬』の解像度が一気に上がりました。30分弱の短い動画なのですが、当時の背景や人々の心理が理解できた気持ちになれました。映画を御覧になった方はもちろん、近現代ロシア史の入門としても非常に勉強になると思います。おすすめです!

2021.02.20 SAT
74日目です。昨夜(といっても0時をまわってからの話なので「今日」扱いでいいと思います。つまり今日の日記に書いてよい!)から始まった、『東京怪奇酒』というドラマを観ました。清野とおるさんの漫画が原作になっています。「怪奇酒」とは「心霊現象の起きた場所に一人で行き、恐怖心や高揚感の中で酒を飲む」というとんでも行為のことだそうで、そのとんでもない設定(?)に加え、毎週ゲストに怪談師さんやオカルト界のビッグネームが登場するのだそうです。怪談好きとしては非常に気になる設定ですし、YouTubeなんかでよく拝見している怪談師さんもゲスト出演なさると知り、こりゃ観るしかねえなと夜更かしして臨みました。

結論から言うと、非常に面白かったです!! 少なくとも第一話は「怖い」要素は皆無と言ってよく、純粋にホラーを求めるなら物足りないかもしれませんが、逆にいえば怖いものが苦手な人でも安心して楽しめる作品ではないかと思います。
会話のテンポもよく、主人公のモノローグ(というか「怪奇酒メンバー」に対する「なに言ってんだこいつ」みたいなツッコミ)がキレキレで、怪談を愛する人間とそうでない人間の認識の壁にたいそう笑いました。敢えてチープにつくったような雰囲気も個人的には楽しかったです。めちゃくちゃ拡大した心霊写真を持参しているチャンス大城さんの用意周到さよ。怪談好きはもちろん、そうでない人もなにも考えず楽しめるドラマだと思います。そうでない人はぜひ、このドラマから怪談の世界に興味を持ってもらえたら嬉しいです。次のゲストは『一行怪談』の著者としても有名な、吉田悠軌さんだそうですよ!

2021.02.21 SUN
75日目です。1月にNHKでドラマ化されていた『岸辺露伴は動かない』がとってもおもしろかったので、Netflixで配信が始まった『岸辺露伴は動かない』OVAを観ました。みんな大好き櫻井孝宏さんが露伴先生の声帯を務めています。なんかおまえ最近櫻井さんが出てるもんばっか観てない? いや言うほど観てはないんですけど。まあ櫻井さんの声を聴くために『ミッフィーのぼうけん』を視聴するくらいには好きですけどね。なんの話だっけ?

ジョジョシリーズはこれまでまったく触れたことがなく、「筋肉がすごい」「ジョジョ立ちをする」「『ッ』がいっぱいつく」「退場者がいっぱい出る」という断片的かつ偏った知識しか持たない状況で鑑賞したのですが、いやあ、めちゃくちゃおもしろいですね!! ストーリーも文句なしにおもしろいですし、それに加えてあの独特でパワフルな台詞まわしがどうもクセになります。また映像の色遣いもカラフルで、彫りの深い人物の造形もあって、いままで見たことのない世界観ですっかり好きになってしまいました。「~じゃあないかッッッ」ていうあの語尾めちゃくちゃ好きだな。女性も「~じゃあないのッッッ」って言ってましたしね。言いたくなっちゃうな。字幕で観てたわけじゃないんですけど見えましたもんね、ちっちゃい「ッ」が。それはもう幻覚では?

浮浪者の男性が出てくる回があったのですが、ジョジョ初心者からすると「もう5日も食べていないんです……」と言っていたその男性もなかなかに体格がよく、立ち姿も着ている服も完全に「ジョジョ」だったので笑ってしまいました。にもかかわらず視聴を続けているうちになにも感じなくなっていくので不思議です。慣れとは恐ろしいですね。その髪型どうなってんの?みたいな無粋な疑問も途中からまったく浮かばなくなっていきましたからね。ほかの話もぜひぜひ配信していただきたいものです。どうですか、ネトフリさん。

2021.02.22 MON
76日目です。一夜明けて思ったのですが、露伴先生のスタンド能力である「ヘブンズ・ドアー」って、怪奇小説の導入として最高のツールじゃないですか?
筆者も初心者極まりないのでざっくりとしか説明できませんが、「ヘブンズ・ドアー」とは「人の記憶や能力を本にして読んだり書き換えることができる」能力だそうです。

筆者はホラーというか怪奇というか、そういうちょっと不思議/不気味な小説群、特に連作短編集が大好きなので、自分でもそういうものをつくりたいなあと画策したりもしているのですが、こういう話の場合、問題となるのが「どのようなシチュエーションでその怪現象と出会うか」だと思います。毎回同じような導入だとつまらないし、いろいろなパターンを考えるとなると脳と想像力への負担がとんでもないわけです。恐らくミステリも同様でしょう。怪現象や事件に巻き込まれる主人公にはいろいろなところに行ってもらって、いろいろな経験をしてもらわなければいけないわけですから、そういう稼業を専門にしない限りは主人公にとっても作者にとっても並々ならぬ負担になるわけです。金田一少年や江戸川少年、猿渡さんなんかがいい例です。なんであんなに巻き込まれるんだ? メンタルケアちゃんとやってる?

しかし、露伴先生の能力があれば、「これは僕が他人の記憶を読んだ結果知った、不思議な話なのだが──」という導入が可能なわけです。わざわざ遠方に出向かずとも、それこそ渋谷のスクランブル交差点にでも立って、そこらの人間へ手当たり次第に能力を使えば、良質なネタもどんどこ集まるような気がします。導入が非常に楽。プライバシーもなにもあったものじゃありませんが、創作者にとっては最高の能力な気がします。これで猿渡さんもこれ以上怪現象に巻き込まれずに済みます。お察しのとおり筆者は猿渡さんシリーズが大好きです。露伴先生のプロ意識と比べるとあまりにもお粗末な願望ですが、筆者はあくまで趣味創作人(そうさくんちゅ)なのでノーカンです。そんな導入の話が「物語」としておもしろいかはさておき、すべての連作短編主人公、「ヘブンズ・ドアー」に目覚めてくれ。

2021.02.23 TUE
77日目です。最近ずっとパワーポイントを作成しているせいで、ショートカットキーをいくつかおぼえました。「CTRL+S」で上書き保存、「F5」でスライドの最初からスライドショー、「SHIFT+F5」で表示しているスライドからスライドショーだそうですよ。突然のショートカットキー講座失礼しました。まあたぶん知らないの筆者くらいなんだろうな。便利ですね、ショートカットキー。パワポづくりはしばらく御免だけど。なんか前回の火曜日も講座開いてなかった?

ほんとうにありがとうございます。いただいたものは映画を観たり本を買ったりご飯を食べたりに使わせていただきます。