見出し画像

いっしゅうき 2021.11④

2021.11.17 WED
344日目です。ひさしぶりに後輩たちに会いました。みんなすっかり垢抜けていて、私より年上になったかのような気分になります。スーツを着ているのが約一名いたのでいやな予感とともに訊ねたら、「就活中です」との返答があり、目の前が真っ暗になりました。やめろ、俺のまえで就職の話をするな。がんばってね。

2021.11.18 THU
345日目です。バスのなかで音楽を聴きながら本を読んだりスマホをいじったりしており、目的地に着いたので席から立ち上がったら、同時に立ち上がった向かいの席の乗客が担当教授でした。悲鳴あげちゃった。

2021.11.19 FRI
346日目です。北村紗衣『批評の教室─チョウのように読み、ハチのように書く』(ちくま新書、2021年)を読み終えました。

以前ジュンク堂へいって本を買った、という記録を書いたと思うのですが、そのときメインとして購入した一冊です。最近(といっても今月は完全にさぼっていますが)映画や本を鑑賞して当社比真面目に記録をつけるようにしているので、その勉強として読みました。

本文は基本的にですます調で、こちらに語りかけてくるような、あるいは大学の講義を聴いているような親しみやすさ・楽しさがありました。語調も柔らかなのでするすると内容が頭に入ってきます。
作者の北村さんが考える批評の位置づけ(批評とはコミュニケーションである)や、ポイントや方法を例を用いながら説明してくださるので、批評のひの字もわからない初心者にとってはたいへんありがたく、やる気の出る一冊でした。つまりどどど初心者の筆者にはありがたすぎる楽しい一冊だったのですが、反対にある程度批評に造詣のある方にとっては、もしかすると物足りない内容なのかな、とも感じます。
また、初心者にとっても、「この本ひとつを読めば誰でも批評が書ける!」というような、秘密道具じみた都合のよい本というわけではありません(これについては北村さん自身も述べていることでした)。批評の始め方やいくつかの方法、コツはわかっても、批評それ自体のクオリティを上げるには個人の研鑽あるのみ、ということがよく示されてもいると思います。言ってしまえばこれらは至極あたりまえのことなのですが、それを隠さず、むしろ明言しているあたり、本書は非常に真摯な批評入門書なのではないかと感じます。なまけぐせしかない筆者にとってはなかなか耳の痛い事実ではありますが、心に刻んで邁進しないとなと思いました。いまのところ思っているだけですが……。

あと、いつもの趣味創作人視点の感想になりますが、物語をつくる系の創作者の方にとっても、物語づくりのヒントになるような話題がたくさんありました。確固たる世界観やテーマが定まっている人はいいですが、迷走しているような自覚のある人は、批評家・評論家の立場から自分たち創作者側を俯瞰してみて、物語のセオリーとされているものを利用してしまう、というのも有効な手段なのではないでしょうか。そうした批評家視点で世の中の物語たちを見て、これは利用(応用)できるな、というポイントを探すのも勉強になりそうです。

2021.11.20 SAT
347日目です。オンライン上で開催された学会を聴講していました。世の中にはすごいひとがたくさんいて、みんながんばっているんだな、と思います。筆者もこうなる予定だったのですが、いつのまにか完全にお客さんになっているのがなんとも情けないです。でもめちゃくちゃおもしろかったです。頭がいいひとがいろいろなことを大真面目に議論しているのを聞いているのほど脳が活性化する瞬間ってないと思う。

2021.11.21 SUN
348日目です。本来ならオンライン上学会二日目で、筆者も引き続き聴講の予定だったのですが、起きたらもうとっくに開会している時間でした。なんの責任も義務もないただの聴講者でよかったと心の底から思いました。

2021.11.22 MON
349日目です。明日文フリです! 来場される皆様、何卒よろしくお願いいたします! だからこれが公開される頃にはとっくに終わってるっつってんだろうが。

2021.11.23 TUE
350日目です。文フリ東京ありがとうございました!!

筆者は本業の関係で1時間半程度の参加でしたが、メディア等で名前や作品を拝見するだけだった方が人間の姿で動きしゃべっているのが見られたり、懐かしい人と再会できたり、嬉しい瞬間に立ち会えたりで、非常に楽しい時間を過ごせました。文フリ関係者の皆様、「北十」ブースにお立ち寄りいただいた皆様、誠にありがとうございました!

筆者は「北十」が発足した時点ですでに関東の住人になっており、北海道を中心に展開されていた運営にはあまり参与できていませんでした。それをずっと心苦しく(というか、情けなく)思っていたので、今号からわりあいしっかり運営に関わることができ、少しだけ安心しています。ちゃんと役目を果たせたのかというのはまた別問題ですが……。

撤収後、頒布に参加した運営メンバーとささやかな打ち上げ&今後の話し合いをしてきました。なかなかよい話し合いになったと思っております。おもしろそうなことをいろいろ考えておりますので、今後も「北十」をよろしくお願いいたします! あと桐崎鶉のこともよろしく頼みます。感想やお褒めの言葉お待ちしております。みんな「犬」読んでくれた? 誰をモデルにしたかわかりました? ヒントは筆者のついったのフォロー欄にあります。だからなんだという話なんですけど。あとたぶん来年5月の文フリ出ます。いまちょっとやる気に満ちているので。


ほんとうにありがとうございます。いただいたものは映画を観たり本を買ったりご飯を食べたりに使わせていただきます。